“Mad Scientists”なブリューワリー

「何か目的をなくしている、そんなPontiacを再生するのを助けたい」。「経験もないし、予算もないし」、そして「Pontiacに以前の活気をとりもどしてほしい」。“Mad Scientists”が集まり、ブリューワリーを始めた。

Exferimentation Brewing Companyは先日、2周年記念を迎えたばかりだ。3人のオーナーはそれぞれ出身地が違うが、共通点はサイエンス。オーダーはサーバーに注文するのではなく、カウンターまで行ってグラスに注がれたビールを受け取る。最近オープンしたナノ、マイクロ・ブリューワリーではこの形をよく見かける。でも、ここではグラスの代わりにビーカー。壁に目をやると小さなプレートの集まりがある。元素の周期表を模したもの。中学校時代に“水兵リーベは…”と唱えて元素記号と元素名を覚えた人も多いだろう。このプレートをよく見ると、一つ一つのプレートには意味がある。中央にビールの名前のアルファベット三文字、下にはABV(アルコール度数)、上にビールのスタイルと比重。「サイエンスが好きだから、オーナーの一人Ericの考案したものよ」とマーケティングマネージャーが教えてくれた。サイエンス、というと難しいような気がして、少し尻ごみしかねない人も多いかもしれないが、インタビューに答えてくれたEricは実に丁寧に話してくれた。

現在のミシガンのブリューワリーについてはどう思うか、と聞いてみると、「すごいね。でも、自分たちはシンプルなものを目指している」ときっぱり。「だれもがIPA(India pale Ale)スタイルを好むけれども、次の時代のビールを造っていきたい」とも語った。

中でもおもしろいと思ったビールはKakahiaka Onu(8.0%)。スタウトのスタイルでコーヒーの風味、ほどよい苦味もあり、独特のまろやかさが楽しめる。名前から想像できるように、フレーバーにハワイのKonaコーヒーを使い作られた。このブリューワリーではコア(メインになる常時あるビール)は特になく、サイトを見てもわかるとおり、幾つかのビールが常に入れ替わりラインアップされている。インタビューをしたときに、「これが今人気がある」といっていたHurricane M’Shane(6.7%)も一ヵ月後にはリストにはない。そういったある種のスマートさが、このオーナーから窺われたこのブリューワリーの魅力だ。

Pontiacのダウンタウンに真ん中にブリューワリーはある。最新のメーター式のストリートパーキングも目の前。1時間1ドル。次の通りにはMcLaren Hospitalがあり、そのパーキングを使うことも可能だ。$3だが、夜8時以降はフリーになるそうだ。Ericはパーキング等は安心できる、と太鼓判を押していた。

店内の規模は大きくはないが、ビールのほかにワイン、キッチンがあり食べ物も提供している。アメリカ発で日本でも最近流行の兆しの「スライダー」。簡単に言ってしまえば、ミニサイズのハンバーガーもおもしろい。ホットドッグもある。1つなら$4.5だが、2つで$8、3つで$10というお手軽さ。店内でゆっくり飲むのは、と言う人のためにBeer To Go (4缶パック)もある。ビールの種類ごとに値段が異なる($11-15)。

さて、7月の末に大々的に2周年記念を行った。そのときリリースしたのが、Beruset RosinとLittle Figgy。前者はレーズンをラム酒に浸して醸造、後者はフィグ(乾燥イチジク)フレーバーのビール。こちらは44缶のみの限定品。一般の販売店での販路拡大も見据えている。

Exferimentation Brewing Company

【住所】7N Saginaw, Suite 1A, Pontiac, MI 48342
【ウェブサイト】https://exferimentationbrewing.com/

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