アメリカで日本伝統の季節の催し 新春を祝う初釜 2

1月21日、淡交会ミシガン協会幹事長である鍋田宗友名誉師範(本名:鍋田広子さん)の御自宅で初釜が開かれた。マイナス十数度という寒波が去ったとはいえ厳しい冷え込みの中、和田総領事ご夫妻、大光JBSD顧問ご夫妻をはじめとする招待客が訪れ、お点前や、干支にちなんだ飾りや茶器など新春らしいしつらえを楽しみ、年の始まりを祝った。

  待合席(本席に入る前に、全員揃うまで待つ所)には、鏡餅や羽子板、そして今年の干支である戌の置物などが飾られ、お正月らしい明るい雰囲気が人々を迎えた。本席が行われた畳敷はアメリカ式住宅の半地下室を改装し、畳や床の間、襖戸、切炉(掘り炬燵のような炉)も備えている本格的な八畳のお茶室で、障子を通して柔らかな日差しが入り、アメリカであることを忘れてしまうほどの和の空間。床の間には『日出乾坤輝(ひいでてけんこんかがやく)』と書かれた掛け軸、そして、結び柳(むすびやなぎ)と桃侘助(ももわびすけ-桃色の椿)を生けた青竹が飾られた。初釜に飾る物は、‟一陽来復”を願って結び柳に蓬莱飾りや、神楽鈴をします。今回の柳はカルフォルニアから調達されたとのこと。本席の軸『日出乾坤輝』とは、「太陽が昇りその光に照らされて世界が輝く」といった意味をもつおめでたい言葉である。

  ちなみに、初釜とは、新年に茶道のお稽古を始める日のことをいい、新しい年を祝う茶道における新年会のようなものである。この日は選び抜かれた初春にふさわしい茶道具で濃茶が振舞われた。茶席に慣れている茶人の客人ばかりではないため、和風の椅子も用意され、鍋田先生より「形式にかまわず、ご自由にお飲みください」との言葉もあり、和やかな茶会となった。

 濃茶の点前の後、立礼式の部屋で薄茶を、その後、席を移し、御屠蘇や御節

(懐石)料理も振舞われ、鍋田先生はじめお弟子の方々による心づくしの和のもてなしに、招待客一同、心を和ませた。日本を遠く離れた地で、日本の伝統文化の豊かさと繊細さを感じることのできたひと時であった。

 淡交会ミシガン協会は北米に置ける裏千家茶道の発信拠点として、茶道という日本伝統文化の普及に貢献をつづけ、昨年2017年、設立十周年を迎えた。幹事長である鍋田宗友氏に対し、日米の相互理解および友好親善に寄与したことを表して、同じく昨年、 和田総領事より表彰状が授与されている。