
期せずして、というか、誘われるままに、今年、3カ所のユニバーサルスタジオを訪れたので、印象と主観が入った感想文のような紹介を書かさせていただきます。半年経って、もう消えたアトラクションもあるので、情報は既に古いかもしれませんが、ご了承のほど願います。 *文中、ハリウッド:USH、オーランド:USF、大阪:USJを使って記載。
ハリウッド(USH)は当初、ユニバーサル・スタジオの本物のサウンドステージやセット見学ツアーを提供するために創設された映画スタジオ&テーマパーク。かつてはスタジオや制作現場をトラムで移動して見学するコースがUSHの軸で、トラムを降りて歩いて特殊効果などのスタジオを見学する部分があり、特に映画ファンにはたまらない舞台裏ツアーであった。今もUSHの目玉アトラクション‘Studio Tour’として存在しているが、トラムに乗りっぱなしで建物にも入る。以前同様に『ジョーズ』の村、『Big Fat Liar』の洪水シーン、西部劇セットも見れるが、アトラクション的なデジタル効果体験やスリルライド的な部分が増えた。とはいえ、今も撮影に使われている野外セットが一目でも見れるのはこのパークならでは!ニューヨークの街並みなどはUSJにもUSFにもあるが、ツアーでは、ガイドがどのスタジオでどの作品が撮影されたかを説明したり、ビデオでその映画が映し出されたりするので、臨場感と感激が増す。撮影の都合なのか、日によってコースやショーは変わる。席が右側か左側かで見やすさが異なるので要工夫(指示されてしまうのだけれど)。左側だと洪水シーン、『宇宙戦争(War of the Worlds)』の飛行機墜落現場、『The Fast and Furious』のショーが見やすい。『キングコング』はどちら側でも大迫力。
Studio Tour以外も、ステージイベントやスタントの実演がハイテク化傾向で、テーマパークの要素が強い。構造的には、アッパー・ロット (Upper Lot) とロウアー・ロット (Lower Lot) という高さの違う2つのエリアに分かれていて、エスカレーターでつながっている。
他のユニバーサル・スタジオには無いお勧めが‘WaterWorld’! ヒット映画『ウォーターワールド』をモチーフにしたショーで、本格的セットとハイレベルなスタント、水と爆発などのエフェクトが半端なく見もの。
ハリー・ポッターエリアについては、最後にまとめて別記するが、USHは他のアトラクションや建物が見えてしまうので世界観に欠ける印象。撮影スタジオの雰囲気と思えば、それもここならではと言えようか。狭いがゆえのごちゃごちゃ感も魅了の一つだという気がする。入り口を含むアッパー・ロットは高台なのでハリウッドや街の展望が良いのも魅力。
オーランド(USF)は映画の撮影スタジオの表と裏を見せることをテーマにしたUSHとは異なり、最初からテーマパークとして設計されているため、各エリアごとに世界観がしっかりと創られている。他との最たる違いは、ユニバーサル・スタジオに隣接して‘アイランズ・オブ・アドベンチャー(略称IOA)’があること。「ユニバーサル・スタジオ比較」なのに、フロリダについては2つのパーク包括ではフェアではないが、USHやUSJにある『ジュラシック・パーク』などのアトラクションがIOAにあったりするので、合わせて紹介したい。ハリー・ポッターエリアに関してもUSH やUSJにある城やホグズミード村はIOAにある。ちなみにUSFだけで、日本のUSJのパーク面積の3倍以上あるということ。好みや関心に合わせて取捨選択、よく計画をたてないと一つのパークだけでさえ1日では見きれない。
「ハリウッド」、「ニューヨーク」のエリアはUSJ同様にあるが、USFの「サンフランシスコ・エリア」はクローズ。そして、USH、USJのどちらにも無い人気エリアがハリー・ポッターの「ロンドン/ダイアゴン横丁」。ファンには待望の一画になっている。グリンゴッツ魔法銀行は、トロッコのライド・アトラクションがメインだが、内装セットも整っていて並んでいる間も楽しめる。アトラクションでもあるホグワーツ特急ライドはUSFとIOAの間を走っていて、乗車には共通入場券が必要。車窓には、往復で違ったシーンが映し出されるので、ファンであれば両方乗ることをオススメ。内容は明かさないが、映画のストーリーそのものではない。
IOAには、マーベル・コミックのキャラクターのエリア(マーベル・スーパー・ヒーロー・アイランド)、絵本作家ドクター・スースの作品をテーマにしたエリア(スース・ランディング)、ポパイなどのキャラクターのエリア(トゥーン・ラグーン)がある。他にも遺跡ツアーという設定の「Poseidon’s Fury」など他のパークには無いアトラクションがいくつもある。USHにもあるシンプソンズ関連のもの同様、ドクター・スースはアメリカ人にとっては幼児から大人までが親しんでいるキャラクターで、その世界をカラフルに入念に実現させているのだが、日本人にとってはそこまで馴染みがないため、面白みに欠けるかもしれない。マーベル・コミック系も関心の分かれるところだろう。とにかく広大でアトラクションが多い。忙しく乗り物制覇を試みるより、広さに余裕があればこその、徹底した世界観を味わいたいもの。
大阪(USJ)にはこの春(2017年4月)初めて訪れた。ハリウッドUSHはほぼ30年ぶりに2回目。オーランドUSFは近年3回を含み6回行ったが、日本のUSJが今になって初めて来園となったのは、「本場を見ているから・・・」という理由であったが、「ショーなどを日本語で聴いてみたい」という思いはずっとあり、「このごろのUSJは変わった!」という話を度々耳にするようになり、興味津々足を運んだ。他とは大きく違い、期待以上の良さがあった。
USJで入場前に悩んだのは、どのようなチケットを買うか。エクスプレスなどの追加の選択が多すぎて、直前まで決まらない。(バースデー割引で購入しようとしたので、オンラインでは不可。)やっと決めていざ購入内容を伝えたら、「(シアター系アトラクションを)何時のにしますか?」と尋ねられ、制限が多すぎると動きが取りにくくなるため、同行者と相談の上、種類を変更。チケット売り場の長蛇の列がなかなか進まなかった理由が分かった。
さて、中身。USJは全体にきれい。スタッフの対応がにこやかで、さすが日本。
予備知識はあったが、サンリオのキティのキャラクターグッズ(USJのはオリジナルと少し違う)が目につき、専門のストアーまであって(嫌いではないし、可愛いが)違和感がある。さらに、カリフォルニアでは別のテーマパークがある‘スヌーピー’のエリアに足を踏み入れた途端、「ユニバーサルスタジオにいる気がしない」と思ってしまった。とはいえ、スヌーピー系の外装も内装も癒しカラーや凝った飾りつけで、見た目、大いに楽しめた。
USFでは消滅してしまったジョーズのボートライド・アトラクションが残っていることに感激!懐かしい。日本語での生ガイドがアナログで嬉しい!
一時は低迷だったUSJは様々な工夫で来園者を増やす試みをしたそうだが、青年や大人層増加に効したのが人気アニメやゲームをモチーフにしたことと言われている。春には、世界的に人気を博した『進撃の巨人』そして『ゴジラ』のオリジナル4D映画があったが既に消え、『ファイナルファンタジー』『名探偵コナン』のアトラクションが登場している。入れ替えが早い結果、リピーターや異なる趣向の客が望めるのだろう。そのうち、レディーや中高年好みのモチーフのものが増えるかも?
◇「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」3カ所のパーク
(*オーランドではIOA)で共通のもの
映画『ハリー・ポッター』の世界をかなり忠実に再現したエリア。映画と同じ美術スタッフが監修・設計を行なったそうで、映画に登場するホグワーツ城(魔法学校)、ホグズミード村やオリバンダーの店(杖専門店)などが実際にあり、かなり凝った仕上がりになっている。レストランやパブも映画セットさながら。映画に登場したお菓子~蛙チョコレートや百味ビーンズ、いたずらグッズが商品として並んでいる。魔法用品店では映画で使われた小道具のコピーが陳列され、お土産として購入できる。街並みや店などの創りも取り扱い品も3カ所とも酷似している。トイレもぜひお試しあれ!以下のライドも共通。Harry potter and the Fordidden Journy(城の中のライド)、Flight of the Hippogliff(ジェットコースター)。