

10月から4月が好時期
初回はオーロラ鑑賞のバスツアー利用をお勧めしたい。光や遮るもののない、美しく見える場所を知りつくしているし、ガイドが情報を交信しあっているのでオーロラに出会える可能性が高い。出現または雲が流れるのを待つ間はバス内で寛いでいても、ガイドが声をかけてくれるのも利点。日本語を含む多国言語のオーディオガイドを備えているツアーが多くあるので、シンプルな英語が理解できれば大丈夫。ツアーの行き先はデータにより、その日に出る活率の高い方面に向かうとのこと。全く見られなかった場合には別の日に無料参加できるツアー会社もある。雲の合間とはいえ少しでも見られると返金は無い。
筆者はといえば、初日に予約したオーロラ鑑賞ツアーは天候条件が悪いためキャンセルされ、次の日に再予約したツアーではあちこちに移動し、帰還時刻を遅くしてくれてかなり粘った挙句、雲の間にちらほらと見えた程度。期待度が上がっていただけに落胆。。。レンタカーで郊外に移動した3夜目にして丘陵の上にたなびくオーロラに遭遇できた!数分のことであったが、やはり大感動もので、心が高鳴った。
各地の先住民たちはオーロラを不吉なものとして捉えたというが、確かに、生きているかのように強弱を変え波打ったり渦を巻いたりする不思議な動きと色の出現には、息をのむ美しい現象に出会えた喜びにあわせて、引き込まれそうな怖さと自然への畏怖を感じさせる凄味があった。
目にはありありと見えたオーロラであったが、残念ながら写真は無い。普通レベルのカメラやiPhone/iPadでは、ごく薄~い霞程度にしか写らなかった。一眼レフを持っていかなかったのが痛恨の極み。
今年(2017年)の年明けごろ、周囲の人たちから、「アイスランドを旅した」という話がいくつも耳に入り、その理由と魅力を探りはじめてすぐに、3月の航空券を手配した。
アイスランドのイメージはその国名の通り、氷=極寒、そして白夜。という程度であったが、オーロラ目的に行く人が多いほどオーロラ鑑賞に向いていて、自然がとても豊かで、オーロラ以外の観光がかなり充実していると知った。火山国であり温泉があることも、温泉の無いミシガンに住む日本人としては魅力。

そして何よりも、迷うことなく航空券を購入したのはその安さ!WOW airというアイスランドの航空会社で、北米からアイスランドまでなんと$300以下の往復チケットが!(時期によって格差あり)
残念ながらデトロイトからの便は無く、北東部アメリカではボストンとニューヨークから毎日、ピッツバーグ(ペンシルバニア州)からは毎日ではないが飛んでいる。デトロイトから近い所ではカナダのトロントからの直行便がある。筆者は税込み$237でトロントからの往復チケットをゲット!(トロント空港へは友人と車で。)
しかしながら、航空券は安いものの、WOW airは機内持ち込みの(小さいハンドバッグなど以外の)荷物代や座席指定も有料であること、また、アイスランドの飲食費は全般に高いことを記しておく。宿泊料金は時期によってかなりの上下があるが、アイスランド第一の都市(首都)であり観光の拠点でもあるレイキャビクでは、アメリカの大都市並みか、概して外装も内装もシンプルな分、平均的には多少安めといえよう。

観光・散策スポットが豊富
オーロラが見られなくとも、観光旅行先としての魅力が十分にある。
北大西洋に浮かぶ小さな島:正式名称アイスランド共和国には、手付かずの自然が多く残っている。氷の洞窟や「地球の割れ目」と呼ばれる地形が絶景ポイントであり、滝や間欠泉、氷河がポピュラーな観光ツアースポットであるが、空港の周辺にも広がる溶岩大地の眺めも、日本では見られないもの。温暖さゆえなのであろう、豊かに苔むす溶岩台地が広がる景観は何とも心惹かれる不思議なものであった。
日本語のアイスランド観光情報サイト Guide to Iceland:https://guidetoiceland.is/jaで地理や歴史の概要から観光スポットやツアー案内、運転ガイドやレンタカーの借り方まで詳細に情報を紹介している。弊紙でも別の回で、見どころの詳細や食について経験談をおり交ぜて紹介してゆきたい。
オーロラ鑑賞に適している理由
アイスランドは緯度65度~80度あたりを結ぶオーロラベルトと言われる地域にすっぽりと入っている。首都レイキャビクの北緯は64度。日本の本土最北端の地である宗谷岬が北緯45度と46度の間なので、それよりかなり北に位置するが、暖流と火山活動の影響で比較的温暖であり、最も低い12月の平均気温が-2.8℃。オーロラ鑑賞で名高いイエローナイフやフィンランド北部は-20度から-30度なので、そちらに比べて、極寒に身をさらさずにチャンスを待てるのである。ただ、風が強い日が多く、湿気もあるために(ドライなミシガンより)温度の割に寒く感じる。
全く日が昇らない極夜こそはないものの、冬至頃にはレイキャビクで日の出が10時過ぎ、日の入りが午後2時半。日の出前と日没後に薄暗い時間帯がかなりあるが、それでも暗い時間が長い。つまり、見られる時間帯が広い。また、早い時間帯(夜中前)に出現率が高いのも特徴だという。レイキャビク発の大抵のオーロラ鑑賞ツアーは夜8時から11時ごろに設定されている。10月から4月ごろまでが好時期で、春分の前後が最適だということ。
8月後半に見えることもあるそうだ。
目にした多くの観光PRでは触れていないが、アイスランドは曇りの日が多い。天気がカギを握るといえよう。また、光の弱いオーロラは月光で見づらくなるため、新月時期の方があざやかに見える活率が高くなる。また、絵葉書などの画像をみるかぎり緑色のものが多く、ラップランド(北欧)よりダイナミックさに欠けるようではある。
が、アイスランドならではの台地や山や氷河の上に出るオーロラは格別!
レポートby NM