JBSDスポーツ部会主催 親善ソフトボール大会 14

IMG_06782017 Tournament Score真っ青な空の下、ボールの当たった爽快な音と歓声が耳に心地よく届いてきた。

JBSD(デトロイト日本商工会)スポーツ部会主催の親善ソフトボール大会が9月10日と9月17日の両日曜日、例年通りノバイ市のレクリェーションパークで開催された。両日ともにミシガンの9月にしては異常ともいえる高めの気温のなか、35チーム(1チーム出場辞退)が4つのグランドに分かれて熱い試合を繰り広げた。

朝から強い日差しが目に眩しいほどの9月10日、朝8時半に開会式がスタート。JBSDスポーツ部会長による挨拶、そして昨年の優勝チームによるトロフィー返還の後、ルール説明が行なわれ、第1戦が開始した。例年通り、大会はトーナメント式で、5イニング戦または規定の時間終了で勝敗を決定。“助っ人”と呼ばれる米人の参加もウェルカムではあるが、人数制限をして、突出した強力チームの出現に歯止めをかけ、より楽しめる工夫をしている。

親睦が目的とはいえ、大会直前にメンバーを揃えた即席のほぼぶっつけ本番チームも、日ごろからリーグに入って試合をこなしている本格チームもあるが、試合となれば全力プレー。気迫と緊張感もありつつ、「お父さん、がんばって!」といった子どもたちの可愛い声援、また、仲間の温かい称賛や揶揄が飛び交い、和やかなムードに溢れていた。

DSC_7866初日のゲームでは、下から投げるスローピッチでのストライクゾーンをつかめずにフォアボールが続いてしまう場面も多く見られた。じっくりと見極めてフォアボールによる押し出し点を狙う策をとるチームもあれば、見るからにストライクゾーンを逸れたボールでも打ちまくってゆくチームもあり、静、動、様々な攻めの模様を見せた。

延長戦はせずに、同点の場合はコイントスで勝ち抜くルールだが、今回は朝一番の4つの試合のうち2試合がコイントスになるという珍しい展開。コインの回転がチームの明暗を分けた。

午後1時にスタートした4試合で、昨年の1位から4位までが、いずれも第1戦を勝ち抜き、順調な滑り出し。昨年の覇者Yazaki Arrows(Yazaki North America, Inc.)は17点差で。昨年準優勝のBombers(混合チーム)は相手に2点を許したのみで20点差。そして一昨年の覇者、桜組(ソフトボールクラブ)は1点も与えずに20点を奪取しての進出となった。3チームともに余裕で駒を進め、周りでは早くも「優勝候補か」との声が交わされ始めていた。

第1戦では他にも、FC チョットチョット(補習校サッカースクール)、TG Tigers (Toyoda Gosei North America)、Team Hino (Hino Motors Manufacturing USA, Inc)が相手に1点たりとも与えない固い守備のゲームを展開した。

初日の最終戦(ベスト8進出選の半分)が始まる頃には気温は80℉を超えた。第1戦を勝ち上がった昨年3位のNishikawaらば~ず(NOA & NISCO)をTG Tigersが破り、昨年4位のSEWS Curbs(Sumitomo Electric Wiring Systems, Inc.)を桜組が破った。初戦では点を許さなかった2チームであったが、競合チーム同士の顔合わせで、どちらの試合も点を取りつ取られつの戦いの末にベスト8入りを獲得した。BombersとYazaki Arrowsはどちらも相手と4点差でベスト8に進んだ。

他、第1戦で大量点を取ったMEIDEN Americaインドアサッカー部が勢いをキープして点を取りベスト8を決めた。

DSC_7895大会2日目の17日。この日も見事な快晴で、朝から65℉という穏やかな中での試合となった。まずは残りのベスト8決定戦を3つのフィールドで進行。初日に攻守の良さを発揮していたTOYOTAとFC チョットチョットはこの日も好ゲームを披露したが、前者が1点差で駒を進めた。 前週の初戦で相手に点を許さず14点取ったTeam Hinoは、このゲームでは12点取られながらも、初戦と同じ14点を取って勝ち抜いた。また、前週は4対2で、打線のさく裂を発揮しないまま勝利を得た日産自動車は、このゲームでは16対1と大差をつけての勝ちを収めた。

10:20、強い日差しの中、4つのグランドで準々決勝がスタート。あちらこちらから、快打の音と歓声が聞こえた。歓声は好守備に対するものに一転することも多く、一喜一憂するチームメートや観客の姿が見られた。打撃がさく裂したのはTG Tigers。本大会で最高得点となる26点を奪取して悠々の準決勝進出を決めた。

Result of 20170917 Tournament_final他の準決勝、Bombers対Yazaki Arrowsのゲームは、どちらも的確な指示や応援が飛び、守備の隙をつく鋭い打撃と、「あれを取るか!」と声が上がるほどの見事なキャッチが続出した末、Yazaki Arrowsが大きなフライを手堅くキャッチし、同点で終了。審判が「本当に延長戦はできないのか」と言い出したほど、盛り上がりを見せていたが、ルールはルールということで、コイントス。幸運の女神はBombersに微笑んだ。Yazaki Arrowsは一昨年もコイントスで敗れ、準決勝進出を逃した苦い歴史がある。運を別の場面で使っているのであろうか、今回も進出を逃した。TG Tigers対 桜組は、TG Tigersのリードでスタートしたが、桜組の高校生の活躍が目覚ましく、また、熟練者の奮闘も素晴らしく、ホームランで生まれた勢いに乗って決勝の舞台へ踊り上がった。

IMG_3518決勝戦はBombers対桜組という同好会チーム同志の対戦となった。両チームともに例年ベスト4に食い込み、優勝経験あるチームである。昨年は準々決勝で顔を合わせ、Bombersが1点差で勝っている。決勝戦を前に両監督に意気込みを尋ねたところ、桜組は「全力でぶつかっていきます!」と、きっぱり。Bombersは、「去年も(桜組との対戦で)いけたので、去年を上回るパワーを出して、勝ちにいきます」「打線がまだ爆発していない」と余裕ある発言。昨年は、助っ人と呼ばれるアメリカ人選手がいたが、今回は日本人だけでどこまでいけるかやってみたく、日本人で固めたとのこと。

IMG_3438いよいよ決勝戦開始。先攻、桜組が、いきなりのホームラン、そしてヒットが続き5点先取。後攻Bombersは1投目を痛烈に快打したものの、固い守備に阻まれてアウト。二人目はその堅牢な守備を抜き、俊足で3塁まで到着。強気の攻めで点を重ねたが、大きな当たりが出るものの、待ち構えたグローブに吸い込むようにアウトを取る敵に対して3点の反撃に留まった。その後も狙いよく鋭く当てまくる桜組を相手に持ち前の守備にやや乱れが出たBombers。そして2回の表で桜組は6点追加。Bombersは好守備を取り戻したものの、うまく打席を繋げず4回裏まで無得点で停滞。最終回で反撃したが、時すでに遅し。点差を埋めること叶わず、昨年に続く2位になった。桜組は2年ぶりとなる優勝トロフィー獲得を決めた。

「親善」に相応しい和やかな雰囲気と明るい応援の声、笑顔に溢れた大会であった。

返事を書く

コメントを記入してください
お名前を記入してください