サギノー市 の日本文化センター 『阿波鷺能庵』主催日本祭 Japan Festival in Saginaw 1

IMG_3751サギノー市にある本格的な茶室と日本庭園を擁する日本文化センター『阿波鷺能庵(あわさぎのうあん)』で、9月17日(日)に恒例の日本祭が催された。サギノー市は徳島市と姉妹都市であり、1986年に両市の友好のシンボルとして阿波鷺能庵が造られた。赤い太鼓橋や竹垣もある庭園は緑も美しい日本的な空間であり、日米の訪問者が和やかに交わる場所となっている。

両市が姉妹都市提携を結んだのは1961年。徳島からの全米派遣農業実習生がサギノー市に滞在中に現地ホストファミリーと親しくなり、帰国後も交流を続けたことがきっかけとなって話が持ち上がり、実現した。個人からスタートした珍しいケースであり、熱意のある人々による草の根交流が根を張り、幹となったといえる。

IMG_3743茶室の設立にあたっては、1957年に同市に移り住んだモスナー陽子さんが資金集めに奔走した末に茶室の着工に漕ぎつけた。その後も陽子さんはセンターの管理と運営に携わり、交流を支え続けいる。昨年(平成28年)の秋の叙勲で、その貢献が認められて日本国より旭日(きょくじつ)単光章受勲の栄誉に輝いた。

IMG_3682例年秋に開催される同センター主催の日本祭には、サギノー市や近隣に在住している日本人・日系人やビジネス関係者たちが協力して日本文化を紹介している。今年も生け花や書道、折り紙の実演や体験のブースなどが設けられた。この日は90℉に近い、ミシガンでは真夏日といえる気温で、湿度も高めの日。日本の夏祭りを思わせる秋の催しとなった。

同センターの中核というべき本格茶室ではJSDウィメンズのサポートによる茶の湯の実演が3回行われた。茶室には見学用に数十人が座ることのできるベンチが備えられているが、どの回も満席状態。日本祭自体は無料で、庭でのアクティビティーは参加も鑑賞も無料であるが、茶の湯体験は有料にも拘わらず、長蛇ができた程の関心の高さであった。お点前の実演の後には参観者全員に和菓子と薄茶が振る舞われ、五感で和に触れる貴重な機会を楽しんでいた。

IMG_8829川に面した庭園に設置されたテントステージでは、絶え間なく実演プログラムが進行。オープニングでは、センター長より「この暑さの中、日本祭へようこそ」といった挨拶に続けて、茶室を含めた同施設は、両市が建設費を出し合い、日米協力のもと造園建造し、今も共有しているとの説明があった。「入国費もパスポートも無く日本に訪れることができる貴重な場所です!」と告げ、世界でベスト10に入ると言われている日本庭園であると評したうえで、数々の文化紹介を楽しんで欲しいと述べた。

サギノー市長代理は市長のメッセージとして、同施設で毎月茶の湯イベントが開催されるなど活用されていること、また、徳島市とは学生の交換留学や文化交流使節団の訪問が活発に行われている旨が伝えられた。

IMG_8801和田総領事は、センター関係者ならびにスポンサー、また、プログラム提供者への感謝を述べた後、モスナー陽子さんが受勲した旭日単光章がいかに誉れ高いものであるか言及し、改めて謝意と祝辞を表した。同施設について、「日本にいるような気分を得られた」と称賛。このイベントは友好の証であり、今後も日米の良好な関係、そして崩れることのない架け橋が存続していくこと願う言葉で挨拶を締めくくった。

IMG_6143プラグラムは、同日本文化センターで練習をしているタイチー(太極拳)グループが演武を紹介したほか、ノバイ市に拠点を置く『雷音』が和太鼓や三味線などの演奏を披露、同じくノバイ市で研鑽しているデトロイト剣道道場が形や稽古の実演を行った。ミシガンに住んでいた縁で、花柳流の名取である小山みち江さん(花柳徳猿)が遠くオハイオ州から駆けつけ、『黒田節』『さくら』などの日本舞踊を披露し伝統の雅やかさを観客に伝えた。

IMG_3651そして、徳島と言えば『阿波踊り』。徳島出身の奥様や留学生が中心になって近隣に在住している日系人とともに練習を重ね、軽快な舞いを披露した。男踊りと女踊りの違いについて解説が添えられたが、「何でもあり!」ということで、ポップな音楽に合わせた踊りも組みこみ、観客を大いに沸かせた。

同センターは一般公開しており、様々なプログラムを提供しており、他州からの観光客も多い。観光名所フランケンムースやアウトレットモールBurch Runとは20~30分の距離。

www.japaneseculturalcenter.org/

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