
去る6月4日(日)、JBSD(デトロイト日本商工会)主催による恒例の写生大会が、昨年同様にデトロイト動物園を会場にして開催された。
昨年は土砂降りに見舞われ、雨が降ったり止んだりを繰り返した悪天候の下での開催であったが、今年は朝のうちの小雨が徐々に好転し、昼前には青空も見えるまずまずの天気に恵まれた。
午前10時の受け付け開始後まもなく、園の入り口に近いペンギン館では既に絵に取り組んでいる家族がちらほら。
「昨年は他を見ていたら(絵を描く)時間が足りなかったので、まず描いてから見て回るつもり」「雨が降る前に、と考えて」
「ペンギンを描くと決めていた」など、昨年の経験を活かして着々と行動している人たちが、雨に濡れる心配のない場所で筆を進めていた。
父親がアメリカ人であるスミットファミリーは同イベントへの参加は初めて。「動物園には子供たちが小さい頃によく来ていたが最近は来ていなかった。良い機会になった」と家族で楽しんでいた。「外が気持ちい日だから嬉しい」とアイリさん(4年生)。「外でペイントをするのは初めて」とカイくん(2年生)。父親は「(自分も)写生に参加すれば良かった」と。
去年は娘のみであったが、今年は父親も写生に取り組んでいる親子にも出会った。
今年の1月に当地に赴任し、家族は3月に日本から滞米したばかりだという男性は「親も一緒の写生は、日本ではしたことがない」と話し、熱心に勤しんでいた。
クレヨン、色鉛筆、水彩絵の具など、材料はさまざま。親子や友達と並んで絵を描く姿を、興味津々に眺めている一般来園者の姿が見られた。
雨に祟られた去年と一昨年は、被写体が偏りがちであったが、今年はバラエティに富み、爬虫類が多かった昨年に比べ、色もカラフルで躍動感溢れるものが多い傾向が見られた。
描かれた作品は例年通りレベルの高い作品が多く、当日、JBSD担当者と共に受付や見回りにあたったデトロイトりんご会の校長をはじめ補習校講師たちによる入念な審査が行なわれた。
午後2時半、すっかり晴れあがった青空の下、爽やかな風が吹き抜けるテント内で表彰式が行われた。冒頭、在デトロイト領事館の酒井首席領事が挨拶にあがり、「心がけが良いので良い大会になったのだと思います」と評した後、淡路市の図書館と姉妹図書館関係にあるウェストブルームフィールド・ライブラリーに本写生大会の入賞作品が夏中展示されることを伝達。また、領事として、心の交流を大事に考えており、可能な限り応援してゆきたい旨と、「当地で数々の経験をし、日本に持ち帰って欲しい」との願いが伝えられた。
力作が並ぶ中、次ページ記載の参加者が入賞を飾った。
学齢期による各部門ごとの入賞者に、賞状とメダル、副賞の授与をした後、宮本校長は、「細かいところまで丁寧な作品、いろいろな色を使っている作品、動き出しそうな絵を描いた人、いろいろありました」など、講評に加え、「絵は心を表します。大切にしてください」と願いを述べた。
表彰式後、朝とは打って変わった眩しい日差しの下で、入賞者記念撮影となった。入賞者はもとより、晴れ晴れとした表情に溢れる散会となった。
写生大会 入賞者 各部門の金賞作品
いわしたすみれさんの作品
岡田渉吾さんの作品
泉井心寧さんの作品
野澤諒輔さんの作品
野澤暁子さんの作品
【未就学・幼稚園の部】
金賞 いわした すみれ
銀賞 神吉 優実
銅賞 川上 連太郎
努力賞 中村 健人
努力賞 樋口 玲奈
【小学校1-3年の部】
金賞 泉井 心寧
銀賞 宮内 咲帆
銅賞 吉野 沙南
努力賞 泉井 詩穏
努力賞 平峯 菜々美
【小学校4-6年の部】
金賞 岡田 渉吾
銀賞 神吉 優歩
銅賞 志田 美咲
努力賞 川上 愛花里
努力賞 トーソン 花
努力賞 斎藤 友睦
【中学生・高校生の部】
金賞 野澤 諒輔
銀賞 奥野 杏梨
銅賞 メイ きあな
努力賞 水田 アレックス
【一般の部】
金賞 野澤 暁子
銀賞 戸塚 結
銅賞 森 彩音
努力賞 武藤 美穂
努力賞 プーセンプ 麻衣
デトロイト動物園では、上の写真のようなリサイクル品を材料にしたアート作品など、生き物や植物をテーマにした作品や環境保存に関する展示が点在している。ワークショップや学習会も多数開催している。ワイン、ビールのイベントもある。要チェック!
ホームページ: detroitzoo.org