6月になりました。今月末で今年も半年過ぎてしまいますね。日本では間もなく梅雨に向かいますが、先月のミシガンは5月にしては雨の日が多かったですね。米国では「4月の雨が5月の花をもたらす」と言い伝えがありますが、今年は4月に好天で暖かな日が多く、5月に入った途端に雨続きで肌寒い日が続きました。他州では年中茶飯事のようになってきた竜巻の被害が度々ニュースで取り上げられていますが、米国経済復興と雇用拡大を政策の目玉の一つにしているトランプ政権はオバマ前政権時にかなり力を入れていた環境保護、地球温暖化防止、再生可能エネルギー開発促進のための大統領令を翻しただけでなく、先月下旬大統領として中東、欧州数カ国訪問の初外遊時の会談や記者会見の席上でも温室効果ガス削減に関わる国連気候変動枠組内条約の一環としての多国間合意であり2020年から具体的に実行予定のパリ合意にも前向きな姿勢を示しませんでした。このままでは直近10年間に急速に進んでいる世界各地の海面上昇による島嶼国(とうしょうこく)や沿岸部低地の水没(既に米国内でもフロリダキーやキーウェスト、ノースカロライナ州メキシコ湾岸部で浸水や水没が多発・拡大中)に歯止めが掛からなくなります。この海面上昇は二酸化炭素など温室効果ガス排出量の増大による地球温暖化で北極圏の氷山や南極大陸の結氷棚、北半球高緯度地帯に存在する大陸・山岳氷河の溶解と海水温の上昇(水温が高くなると膨張して体積が増えます)が主原因です。竜巻、台風、ハリケーン、山火事などが多発、大規模化しているのにも温暖化が関係ありです。地球温暖化がポイント・オブ・ノーリターン(後戻り出来ない時点)を過ぎてしまったら一大事です。パリ合意の2020年実行開始でも遅過ぎの感があり、ロールモデルとして率先垂範し現在温室効果ガス排出量が大きいインド、中国を説得すべき立場の米国がそれさえも参加・協力せず自ら逆行する経済・エネルギー政策を取るようでは世界のリーダーたる資格は全くなしです。我々の次世代以降の人類や地球上全ての生き物が住みやすい地球を守り残し、引き継いで行く強い決意と実行力が必要不可欠です。『恐ロシア』の国と裏でこそこそ密談、秘密工作する暇があったら地球を守り、救う大儀のための一大プロジェクトに真剣に取り組んで欲しいものです。

さて、今月号では定番のスポーツの話題は割愛して本題の『「地上最大のショー」長い歴史に幕』に筆を進めます。

先月末自称「地上最大のショー」と銘打ったリングリング・ブラザース・サーカスがニューヨーク公演を最後に146年の長い歴史に幕を閉じました。日本の木下大サーカス、元ソ連=現ロシアのボリショイサーカスと合わせて世界三大サーカスと呼ばれた超老舗サーカスでしたが、動物愛護団体から動物達を虐待していると糾弾され、公演先の各地への移動(主に鉄道貨車)や他の娯楽興行イベントとの競合、顧客の確保、興行採算・コストのバランス維持が極めて困難となり、多くのサーカスファンに惜しまれながら終焉を迎えました。

サーカスと言えば、私が子供の頃は数少ない娯楽の一つで自宅近く(と言っても東京ですと昔の晴海展示会場敷地内とか愛知県ですと名古屋港金城埠頭のような場所で歩いては行けませんが)にサーカスが来ると聞くと観に行けるかもという期待感でワクワクしたものです。特別動物好きという訳ではありませんが、当時は本や図鑑以外で動物(しかも生身の)を見れるのは動物園、水族館かサーカス位しかありませんでした。動物園ですと見学に行った時にたまたまその動物がケージの裏にいて見れなかったり、見れても寝ていたり動かずじっとしているだけでつまらなかった経験があります。それに対してサーカスの動物達は皆芸達者で動きがあって退屈しません。

遠目から見ても体の大きなインドゾウ、トラやライオンなどの猛獣達、賢くて機敏に動く芸達者な犬や小動物達。子供心にあのトラやライオンが調教師兼猛獣使いに襲い掛かったり、観客席に飛び込んで来たりしないかとちょっぴり不安を抱きながらの見学。

ボリショイサーカスではユニークな愛嬌たっぷりの熊達の自転車乗りや曲芸もありました。ビデオやインターネットのある今の時代と違って、動物園がない地方の小都市とか田舎町では野生の動物以外は生身の、しかも色々な種類の動物達を見る機会はほとんどなく、巡業公演で時々やって来るサーカスは貴重な体験と学習機会だったと思われます。

他にもピエロのお笑い芸や下に安全ネットがあると知っていてもハラハラドキドキの空中ブランコ、ナイフ投げ、美女のアクロバット、人間大砲、火炎吹きの怪人、皿回し、シーソーやトランポリンを使ったジャンプ曲芸、ボールやピンのジャクリング、高所からは点にしか見えない安全マットや小さなビニールプールへの空中落下、地球儀のような金属ケージの中を遠心力を使って高速でそれも2台同時に縦横無尽にグルグル回る曲芸オートバイなど、今思い出しても気分が高揚して懐かしい限りです。

時代の流れとは言え、家族ぐるみの娯楽として大衆に愛され続けた歴史あるサーカスの一つが廃業となってしまったのは本当に残念です。どんな物事にも始めと終わりがあり、いつかは終わってしまう、なくなってしまうのは止むを得ない事ですが、ほのぼのとする温かな情感が縁遠く、人間関係が希薄になりつつある世知辛い現代、良い物、素晴らしい事は少しでも長く続いて欲しいものです。

そう言えば、やや話が飛びますが、「藍ちゃん」こと、女子プロゴルフの宮里藍さんが先月末突然に現役引退を発表しました。沖縄生まれ、沖縄育ちのウチナンチュウの藍ちゃん。私は既に米国に居を移していたため当時はほとんど知識がありませんでしたが、2003年東北高校3年のアマチュア時代に日本国内のプロトーナメントで初優勝し、同年史上初めての高校生プロとなって以来、日本女子プロゴルフブームの火付け役、牽引役として果たした貢献は多大なものがあります。その後2005年に国内年間賞金王のタイトル獲得を目前にしながら米国LPGAの参戦資格取得のための最終予選大会(Qスクール)で2位に12打の圧倒的な差を付けて合格し、2009年に今はメジャー大会に昇格しているフランス開催のエビアンマスターズでLPGA公式大会初優勝を飾り、日本人最多の年間5勝した翌2010年には世界ランキング1位にもなりました。

身長155センチと日本人女性としても小柄な藍ちゃんですが、世界中からベストゴルファーが集結するLPGAで通算優勝回数9勝、世界ランク1位ですよ。凄い!の一言です。勝って驕らず、礼儀正しく、先輩を敬い、後輩の面倒も良く見た藍ちゃん。愛らしい笑顔と相まって日本だけでなく世界中のゴルフファン、選手達、関係者から愛された大和なでしこですね。こちら米国を主戦場にしてからはずっと応援していました。31歳で引退は残念、もったいない気がしますが、高校生時代から10年以上ですから、ご本人はゴルフに関しては全てやり尽くした思いでしょうか?ここ数年は優勝がなく、安定して上位入賞も出来ない状態が続いていたので、好きなゴルフが楽しめなくなって来たのかもしれませんね。

彼女の長いゴルフの歴史にも幕が下りましたが、今後は一息入れて第二の人生を楽しんで欲しいものです。「小さな巨人」藍ちゃん、お疲れ様!!(拍手、拍手)

追記:今シーズン成績が低迷しているプロ野球のイチロー選手、サッカーJリーグのカズ三浦選手、スキージャンプの葛西選手には3人共幕引きをもう少し先に延ばして50歳まで現役を続けて欲しい、続けさせてあげたいです。応援してます!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。