
Northvilleの気軽なワンストップ
文&写真 by ヤマトノオロチ
ちょっと気軽に立ち寄れる、と言う距離と雰囲気のBYOFのブリューワリーのNorthville Winery & Breweryを紹介する。
Northvilleの8マイル道路を東に向い、ダウンタウンからほんの数分の北東にある。ブリューワリーの正面はコンドミニアム、はす向かいは木材店があり、Northvilleのの新旧を覗かせるところに建っている。早春の夕方、パーキングに降りたつとタップルームから陽気な声が聞こえてくる。赤いポール・バーンのそばにはためく大星条旗。中に入ってみると、内部が明るい雰囲気だったのが印象に残る。
このブリューワリーはもともとは駐車場の向こう側のサイダーミルから始まり、ワイナリー、ブリューワリーへと発展した。1873年の創業のサイダーミルはミシガン州西部の果物をプレスしてサイダーを造っている。そして1982年にワイナリー、2014年にブリューワリーが加わった。サイダーミルは八月からの季節営業だが、ブリューワリーは年中通して営業している。
ラインナップのボードにはワイン、ハードサイダー、ビールのメニューがぎっしり。店内ではボトル入りも販売しているが、ここでのみの販売。ラベル付けはサイダーミルの建物内での手作業。デザインは最近他州へ移ったが、もともとは地元のアーティストによるもの。ほかにもスター・ウォーズのレイア姫を演じたキャリー・フィッシャーのイラストもあり、親しみやすい雰囲気だ。
店内は“クラシック”なイメージをかもし出す、コインゲームもあった。日本にいた頃、それもかなり昔のことになるが、通っていた中学校の生活指導部の先生が、最近ゲームセンターに寄っている生徒がいる、とみんなを注意した当時のゲーム機らしきものもあった。
ノスタルジアに誘われながら、恐る恐るその機械にクォーターを入れてみると、なんとまだ動くではないか。
もちろん、ビールやその他のイベント等でしっかりと訪れる人たちの心をこのブリューワリーはつかんでいる。BYOFとは、キッチンがないのでお客さんの食べ物の持ち込みを歓迎しているということ。デトロイトの人気バーベキュー店Slows to Go!のケータリング(移動シェフつき車)やSushiトラックが来たり、こじんまりした店内ながらも楽しくビールやワインを飲んでもらおう、というのがよくわかる。夏には野外の音楽、冬には店内奥の部屋でライブミュージックのパフォーマンスがいつも行われている。お勧めのビールはアメリカン・スタイルのIPA(Rock Me Hopadelis、6.5%)。ほかのブリューワリーよりもやや炭酸の量が少ないけれど、ホップの風味とコクのある仕上がりになっている。
素朴な木のチェアーとテーブル。華やかな発展を続けているNorthvilleにこんなにゆったりとした素朴な雰囲気のブリューワリーがあるのはうれしい。母の日にはバンドのほか、お昼にはケータリングのトラックも来る。もちろん子どもなどにも炭酸飲料もある。
Northville Winery & Brewing Co.
630 Old Baseline Rd., Northville, MI 481467
www.thenorthvillewinery.com