第15代 ‘歌のお姉さん’ Miyuki Mori コンサート 2017 2

 DSC_5581『 おかあさんといっしょ』第15代 ‘歌のお姉さん’ Miyuki Mori コンサート 2017 ドリームシンガーズ 第10期生とともに

デイライト・セービングタイムが始まった3 月1 2 日の午後、森みゆきさんによる恒例のコンサートがノバイ・ミドルスクールにおいて催された。春まだ遠いミシガンに、明るい歌声とエネルギッシュなパフォーマンスを届けてくれた。

DSC_5692みゆきさんはNHK子供番組『おかあさんといっしょ』の第15代‘歌のお姉さん’ として1983年にデビュー。結婚を機に1999年よりミシガン州に在住し、日本とアメリカで、音楽活動のほか、豊かな経験や見聞をもとに講演や執筆など幅広く活躍を続けている。2007年、ライフワークの一つとして「日本の歌を通して美しい日本語や日本文化を習得し、チームワークの貴さを学べるように」と、ユースを対象としたミュージックパフォーマンスグループ‘Dream Singers(以下D.S.)’を当地で発足した。毎年メンバーを募集し、自ら指導にあたっている。D.S.は、コミュニティーイベント、インターナショナル子供フェスティバルなどに参加し、国際交流、文化紹介の担い手としても活躍している。技術習得だけでなく、パフォーマーとしての意識、仲間との協調を大切にしている。今年のメンバーは第10期生。5歳から14歳までの仲間と歌うことがが大好きな17人の少女たちだ。

D.S.の活動のなかでも大きなゴールである、年に一度の“Miyuki Mori Concert” は今年で9 回目を迎えた。第1 期生は2007年の12月に活動をスタートし、JBSD 青年委員会の主催によって2008年4月に実施された「森みゆき ドリームコンサートVol 3」にゲストとして出演。その翌年より、みゆきさんの主催による定期コンサートが行われてきた。

今年は大きな節目といえるD.Sの10周年記念。プログラム紙面には第1期生から第10期生までの写真が添えられ、プログラムにも特別企画が織り込まれた。

Miyuki_concert_2017-1284今回のコンサートは、「Love Your Life」がテーマ。ミシガンでの生活に感謝し、ふるさと日本を誇りに感じながら生きていく気持ちを表現する、愛とパワーに溢れるコンサートとなった。

Miyuki_concert_2017-718プログラムは、みゆきさんのソロによる『夢のパレード』で開幕。みゆきさんと同時期に‘歌のおにいさん’を務めた坂田修氏の作詞作曲で、「Dream Dream 夢のパレードがはじまるぞ」との歌詞で始まる明るい歌である。続いては、みゆきさん自身の作詞による『お母さんっていいね』を慈愛にみちた歌声と表情で歌い上げた。「忙しい日常の中で余裕がなくなってしまった時に、この曲を思い出し、初心に返る」というみゆきさん。歌のきっかけになったみゆきさんのご長女もD.S.メンバーとして活動し、卒業して、今は、今回のコンサートのスタッフとしてサポ―トに回るほど成長したが、今子育てに奮闘しているお母さんたちへの先輩からの温かいメッセージとなったことであろう。

Miyuki_concert_2017-1351日本童話の代表『おもちゃのチャチャチャ』、そして、30年近く続いている長寿テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』のオープニングソング『アンパンマンのマーチ」、アメリカでもポピュラーな『大きな古時計』など、長く人々に愛されている曲が続いた後、アニメ『となりのトトロ』のオープニングテーマ曲『さんぽ』の音楽にのって、D.S.が行進しながら登場した。お揃いの赤いTシャツに合わせたチェックのスカートとハイソックスが溌剌さを強調。元気いっぱいに「歌えバンバン」を合唱した後、柔らかな声で「みかんの花咲く丘」を歌った。みゆきさんが「75年前の曲を平成の子たちが歌ってくれるのは嬉しいですね」と語ったが、日本の心の歌ともいえる曲の数々を生で聴けることが観客にとって嬉しい。例年、子連れではない大人の観客も多い所以であろう。

DSC_6779その後も名曲やポピュラーソングが続き、『ドレミの歌』では、恒例になりつつある‘今日だけのオリジナル歌詞’を観客のアイデアを集めて創った。観客も一緒に歌い、会場に明るい声が響いた。

D.S.第10期生の紹介に続いて、それぞれがD.S.への想いを朗読。その間、大きなスクリーンに代々のD.Sメンバーの写真が映し出されていた。

DSC_5617今回のテーマにもなっている「Love Your Life」は、みゆきさんが20年以上前に作詞作曲した曲の名。いじめや差別が減り、互いを尊重できるように、子どもたちが強く幸せになるようにとの願いをこめ、「もっともっともっと強く生きて」と呼びかけている曲である。D.S.の子どもたちと毎年一緒に歌ってきたこの曲を、今回は動画上の元メンバーと共に手話をつけて熱唱した。スクリーン上のメンバーも含めて総勢何十人もの合同パフォーマンスの後は、第1期から6期までメンバーだったデルフィア湖月(みづき)さんがゲストとして独唱。学校のミュージカルで主役や主要キャストに多数抜擢されたほど才能を現し、現在は歌とダンス、演技の勉強を専門とする高校のプログラムでスキルを磨き、シンガーを目指しているという。湖月さんはミュージカルの劇中歌を堂々と見事な声量と表現力で歌い上げた。

先輩のはちきれんばかりのパワーに触発されたのか、D.S.が湖月さん、みゆきさんと一緒に「花は咲く」をのびやかに表情豊かに届けた。心をこめて歌っていることが伝わってきた。

緩急と静と動のメリハリのある演奏の数々に、幼い子供も引き込まれるように聴き入っていた。

インターミッションの間は、観客が和やかに談話。演奏中に映し出された元メンバーや、現メンバーの幼少の姿を懐かしむ声や成長に感動したという感想が交わされていた。

DSC_1076後半は、過去にも共演した五大湖太鼓センターのメンバー3人による、会場を揺るがすかのような太鼓の音で突如スタート。曲名『雷群』のごとく雷がとどろくような和太鼓の現代創作曲を大中小3台の和太鼓で披露した。祭りのお囃子とは異なる演奏と太鼓の歴史や造りについての解説について、日本人からも新鮮で良い機会になったという声が届いた。

太鼓の音色をバックに、ミニのゆかたにスパッツというフレッシュないで立ちでみゆきさんとD.S.が登場すると、会場のあちこちで「かわいい!」の声が上がった。

人気アイドルグループ嵐の『心の空』を初々しく歌った後、プログラムでは曲名を伏せてあった曲が披露された。それは『ペンパイナッポーアッポーペン』。動画の再生回数が4億回を超えるともいわれ、世界各国で大ブレークした「ピコ太郎」の曲である。サングラスと金ぴかの衣装がトレードマークである「ピコ太郎」にあやかって、D.S.も太鼓メンバーもサングラスをかけて、この日、最高といえるであろうノリノリの演奏を繰り広げた。観客にも大うけであった。

そして、D.S.による「南中ソーラン節」の元気いっぱいな踊りと生の太鼓の音色で会場は祭りムードに盛り上がった後、プログラムの最後となって、穏やかなムードに一転。「この地が第二の故郷。ここで日本の歌を歌える喜びを感じています」「それぞれの故郷を思いながら聴いてください」との、みゆきさんの前置きに、『ふるさと』を語りかけるように熱唱。豊かな声は会場を満たし、人々の心をも満たしたことであろう。

 

Miyuki_concert_2017-1491ドリームシンガーズ(DS)10周年を迎えて

〜森みゆきさんより

アメリカに移住してきて、私の子供の頃からのもう1つの夢であった「自ら結成する子供たちの合唱団」を現実とし始めたのが2007年晩秋。最初は私のこのコンセプトで子供たちが集まるかどうか未知でしたが、お陰様でこの10年間、常に20人前後のメンバーがどの期にも存在し、10期までで総勢100名となったことは本当に有難く幸せに感じています。最初の頃は駐在ご家庭のお子さんが多く、日本人学校補習校に通い日本で合唱をやっていたという子も多かったのですが、今では永住の生徒が大半となり、日本語の維持、日本的マナーの習得、社会性や協調性を持てる人間を育てるグループとしてのニーズをより強く求められていると実感しています。つまり日本文化の素晴らしさも知っている親御さんたちは、日常主に英語で話す環境のお子さんに是非とも日本的なモラルもしっかり身につけ、日米どちらの文化も学んで欲しいと願っておられることを感じ取り、その期待に応えるべく、保護者の方々のご協力を得ながら指導させて頂いております。

世代は変わっていきますが、世の中の流れに沿って変わって良いことと変わらずに伝えていきたいことの両方が存在することを子供たちに丁寧に教えていきたいと考えています。そのためには、子どもたちに対し、上からの目線で見ていくのではなく、その時々で、一人の人間として尊重すること、未熟と感じたら親同然の気持ちで愛情を持って厳しく接していくその両面が大事ではないだろうかと常々感じながら子供たちと接しています。10年という節目まで来ましたので、歌手としての私自身ももっと成長していけるように、両方の活動の様子をみながら今後の道を切り開いていけたらと思います。沢山の皆様に今日まで支えてきて頂けましたことに感謝の気持ちを申し上げたく、この場をお借りして心より御礼申し上げます。ご支援ありがとうございました。そして今後共よろしくお願い致します。