
毎年、2月はバレンタインデーにちなんで、カップル関係についてお届けしていますが、今年も同じくカップルのコミュニケーションについてのお話をすることにしましょう。では、まず、いくつかの会話例から見ていきましょう。
Aカップル
「どうしてこの前買ってやった靴履かないだよ。」
「今日は雨が・・・。」
「毎回、服に合わないだとかなんとか言い訳ばかりで、君は僕のプレゼントを気にいったことはない。」
Bカップル
「このお鍋、洗っておいてってお願いしたじゃない。」
「あ、うん・・・。」
「どうして何を頼んでもやってくれないのよ。私のことはどうでもいいのね。」
Cカップル
「リビングルーム、片付けてくれてありがとう。でも、次からは、息子の物はここに入れておいてもらえるかな。」
「せっかく、片付けてやったのに、お前は何も感謝しない。いつも文句ばかりだ。」
似たような会話をしたことがあるというカップルが意外に多いのではないでしょうか。相手の言葉に対し、妙に繊細に反応してしまうことがあったり、なぜか相手の言葉を後向きに解釈してしまったりすることはありませんか?それゆえ、相手に対し、非難がましくなってしまったり、皮肉や批判的な言葉をかえすこととなってしまったりという経験が誰にも多少あるものではないでしょうか。
時にカップルの間で摩擦が生じるのは通常であるし、また、虫の居所が悪く、相手を傷つけてしまう言葉を吐いてしまう事もあるでしょう。しかし、相手の言葉に対し、常に、感情的に反応してしまう場合、自分が抱えているなんらかの問題が相手の何らかの行為をきっかけとし、防衛的な行為として、表面化していることがあるでしょう。
一般に私達が防衛的になる場合、相手の意図とは別に、自分自身が安全でない、愛されていない、サポートされていないなどと解釈してしまったときではないでしょうか。当然、そのような解釈をしてしまえば、自分の心の中は怒りや不安な気持ちでいっぱいになります。そんな心の痛みをなんとか回避しなければと、相手に対し、攻撃的になってしまったり、防衛的になってしまうものです。
安全でない、愛されていない、サポートされていないなどと解釈してしまう原因や理由は、人それぞれですが、例えば、いつも批判的だった父の言葉と夫の言葉が重なり、当初の心の痛みよみがえる、または、自分でも受けいることが困難な事実を相手に指摘され、心の葛藤が生じるなど、自分の心の中に隠れた傷によるものが多いでしょう。
意識的に防衛的になる人はいないでしょう。防衛的になるのは、反動的、自動的なものです。しかし、防衛的なコミュニケーションというのは、プラスなことは何もなく、カップルの間での摩擦を複雑化、長期化させるのみです。また、ある有名なカップルの専門家によると、防衛的行為というのは離婚を予想する際の一つの要素とも言われています。
本来、カップルというのはお互いを助け合ったり、お互いが欠けているところをカバーし合ったり、お互いがお互いのもうひとつの目であるべきものです。防衛的なコミュニケーションの継続とはその逆の状態、言い換えれば、長期間において、お互いが敵視した状態です。ゆえに、防御的コミュニケーションの常用は二人の関係にとり、とても破壊的なダメージを与える結果となってしまいます。
これを機会にお互いの会話形態が防衛的であるかどうかなど意識的に確認してみられるのもよいのではないでしょうか。また、ご自分が防衛的会話傾向にあるという方は、その原因や理由の追及、または、防衛的コミュニケーションの矯正に取り組んでみられてはいかがでしょうか。
最初にご紹介した会話例の矯正後例を最後にご紹介。
Aカップル
「どうしてこの前買ってやった靴履かないだよ。」
「今日は雨が降ってるから、あなたに貰った大切な靴が濡れて悪くなると嫌だから。」
「僕のプレゼント大切にしてくれてありがとう。でも、靴は濡れて汚れるものだし、僕は君がいつも履いてくれる方がうれしいな。」
Bカップル
「このお鍋、洗っておいてってお願いしたじゃない。」
「ごめん。ちょっと疲れててやる気が起きなかったんだ。」
「私、このお鍋で夕食作りたかったのよ。でも、出かけける前に食器洗いしている暇がなかったから、あなたが疲れているのはわかっていたけど、お鍋だけ洗うのお願いしたのよ。」
Cカップル
「リビングルーム、片付けてくれてありがとう。ごめん、言い忘れてたんだけど、次からは、息子の物はここに入れておいてもらえるかな。」
「了解。」
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