デトロイトりんご会補習授業校 宮本正彦校長先生

02_校長DSC_6789新年あけましておめでとうございます。 皆様におかれましては、初春をつつが なく、お迎えられたこととお喜び申し上 げます。 さて、日本の国際的諸活動の発展に 伴い、多くの日本人がその子供を海外 に同伴し、現在では約8万人近い義務 教育段階の日本人の子供が海外で生 活しています。そして、その数は今後も 増加傾向にあります。そうした子供たち の多くは日本人学校または補習授業校 に通い日本の学習指導要領に基づい た教育を受けています。 世界には約200以上の補習授業校が あり、その内、北米には88校の補習授業 校が設立されています。更にその中で も外務省や文部科学省、海外子女教育 振興財団の援助を受けながら学校運営 を推進し、教育課程を編成している補習 授業校も多くあります。本校はそうした援助を受けながら、幼稚園児から高校 生まで約950名が在籍する大規模な補 習授業校であり、その規模は世界で第3 位となっています。 本校は1973年に当地在住の日本人駐 在員の方々が集まり、子供達のために 自主的に開設したのが始まりで、本年度 で創立43周年を迎えました。創立から約 43年間、多くの園児、児童生徒が本校 で学び、確実に力をつけ成長することが できました。こうした学習環境の充実の 背景にはデトロイト日本商工会、在デト ロイト日本領事館の支援をはじめ、非営 利団体である「りんご会」の多大なるご支 援と各関係機関による多くのボランティ ア活動の力が基盤となっています。 本校の教育は日本の教育内容の一部 を、年間42日間の授業日(土曜日)を通 して補習を行い、児童・生徒が帰国後、 日本の教育環境にスムーズに適応でき るようにすることを主たる目的としてきま した。そうした取り組みの中、2013年に 本校の設置目的について、従来の学習 指導要領に基づいた教育課程を補習 するだけでなく、「米国において平日の 現地校と週末の補習校の両方で勉強を 続け、努力する子供達こそ、より国際社 会で活躍できる可能性を秘めている」と いう想いから、本来の設置目的を「従来 の学習指導要領に基づいた教育課程を 補習するだけではなく、国際社会をリー ドできる人財を育成する教育を提供す る」との方針に改訂しました。これに基づ き、園児・児童生徒の共通の理想像を 掲げ、本校に通う短期滞在、長期滞在・

永住など、全ての子どもを対象に「個へ の対応」を重視しながら、発達段階に応 じた国際人財育成を含めた教育の展開 を実践しています。 本校に通う子供達は、月曜日から金曜 日まで現地校等に通い米国の学習内 容に基づいた授業受けています。現地 校等では、はじめのうちは言いたいこと や思っていることを一生懸命に伝えよう としても伝わらない、周りの子はいろい ろなことを言ってくれるが、何を言ってい るのか理解できないという状況が続きま す。そうした状況に溶け込み、環境に慣 れる努力をする反面、心身ともに疲労感 が出てくることも確かです。そんなときに 土曜日の補習授業校に行くとそこには 日本語のみの世界があり、思っているこ とを表現できる友達や先生と学び合える 楽しみが待っています。そうした多くの 子供達は「日本語で学ぶ」という環境の 中で子供同士が触れ合いながら 貴重な異文化体験をすることが できます。集団で学習ができるこ と、日本語で聞き、日本語で考 え、日本語でまとめて、日本語で 表現することで思考力、判断力、 発想力を高めることができます。 今、日本では道徳の教科化に 向けて、多くの学校で研究実践 や協議を進めています。そうした 中、本校の教育目標の具現化に 関わる国際人材育成に向けた目 指す園児・児童・生徒像の資質 能力については、次の三点を記 しています。

(1)主として自分自身に係わる資質や 能力 (2)主として相手と関わるための能力や 資質 (3)主として共生社会に適する能力や 資質 この三点については、今後大きく変わ ろうとしている「特別の教科 道徳」の柱 と大きく関連しています。本校では道徳 の授業実施について、小学部の一部で 実施している学年もありますが、年間を 通した計画的な授業はしていません。今 後、道徳の学習が重要視される中、年 間を通して限られた授業日数や限られ た教科の中で、そして、各家庭と連携し ながら道徳的価値観を共有し、子どもた ちに伝えていきたいと思っています。 最後に本校の恵まれた自然の環境で 育っていく子供達を描いた本校の校歌 を紹介します。