
去る11月3日(木)、女声コーラスTrillium(トリリアム)によるミニコンサートがウォルドレイク市にある教会(St. Matthew Lutheran Church)で催された。秋のミニコンサートは今年で5回目となり、1年の後期の活動のメインイベントであるが、今回は創立25周年にあたる記念すべき回となった。窓の外の紅葉が、祝福するかのように賑わいを添えていた。
女声合唱を中心に、デュオ(二重唱)そして琴やバイオリンの演奏もあり、多彩なプログラムが届けられた。教会に併設する現地の学校の児童生徒も訪れ、大勢の観客が優雅な音楽のひと時に身をゆだねた。
トリリアムは、JSDウィメンズクラブ発足とほぼ同時に、コーラスで親睦を図ろうと立ちあげたコーラス同好会。親睦のみならず、日本の歌を紹介したり、音楽を通して現地の人と交流するなど、「親睦と地域交流」というJSDウィメンズクラブの主旨そのものの活動を継続してきた。 JSDウィメンズクラブとJBSD(デトロイト日本商工会)共催の日本祭りへの出演や男声合唱ホワイトパインとの共演をはじめ、童謡コンサートの開催や訪問演奏を多数行なってきている。レパートリーは、日本の合唱曲、永く歌い継がれている童謡や愛唱歌、アニメ主題歌から新しいヒット曲などに加えて、他言語の賛美歌、オペラ曲などなど。広いジャンルから曲を選んで歌っており、日本人のみならず、当地の多くの人々に親しまれている。
今回のミニコンサートのプログラムはドイツ・オーストリアのホームソングメドレーで幕開けし、続いて日本の愛唱歌『この道』『待ちぼうけ』を心温まる豊かな歌声で演奏した。
指揮者の話では「選曲に英語は必ず入れている」とのことで、今回はフランス語の曲も織り込まれた。さぞ大変であろうと思われたが、団員のひとりは「どこかで聞いたような曲なので覚えやすかった」と。楽しく取り組んでいるそうだ。全てのメンバーの表情から、心から楽しんで歌っていることが窺え、見る側にも幸せが伝播してきた。
力強いイメージのある民謡『黒田節』を琴とバイオリンで繊細かつ華麗に奏でる試みもあり、後半には二組のデュオの見事な歌声が響き渡った。『童神~天の子守歌』には琴の演奏が加わって、より一層情感が増した。
駐在の同伴であるため数年ほどで当地を離れるメンバーも多い中、‘トリリアムの基幹’である永住メンバーが25周年を祝ってモーツァルト作曲による讃美歌『Ave Verum Corpus』を厳かながらも明るさに満ちて披露した。
最後はサン=サーンス作曲のオベラ曲《サムソンとデリラ》から『あなたの声に心は開く』を全員で朗々と歌い上げ、美しい音色とハーモニーで綴ったミニコンサートは「トリリアムの声に心は揺れ」、観客の胸に温かい余韻を残して幕を引いた。
☆トリリアムでは常時、音楽好きの仲間を募集。「経験不問、オーディションもなし。どうぞお気軽に楽しい練習をのぞきにいらしてください」とのこと。
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