ハロウィーンも過ぎた11月初めのミシガンはすっかり秋めいて、芝刈り機の音も聞こえなくなり、スプリンクラーも外回り配管の水抜きをして来春まで一休み。先日の寒い日には一時あられ交じりの冷たい雨が降り、冬の到来が近いことを感じさせました。

日本では先月末プロ野球日本シリーズが終わり、レギュラーシーズンの優勝だけでも

それぞれ球史に残る話題を提供したセリーグの覇者広島東洋カープとパリーグの覇者北海道日本ハム・ファイターズが毎試合手に汗握る接戦の末、後者が栄冠を勝ち取りました。緒戦に難攻不落と思われた日本ハムのエース大谷投手を攻略し、次戦も征して地元で2連勝したカープが断然有利と思われましたが、舞台を北海道に移した第3戦に打撃で緒戦の借りを返した大谷選手の一打でサヨナラ勝ちしたファイターズが一気に勢いづいて地元で3連勝の後乗り込んだ敵地でも快勝し、2連敗の後の4連勝で優勝の美酒に酔いました。ファイターズの関係者およびファンの皆さん、おめでとうございます!惜しくもやぶれたカープの関係者およびファンの皆さんには残念でしたが、今年のカープの活躍は見事の一語に尽きます。顔を上げ胸を張ってシーズンオフを過ごして下さい。最終第7戦にもつれこめば再登板が予想された黒田投手の英姿が見られなかったのは残念でしたが、これも現役最後まで華々しさや派手さとは一線を画す地道で堅実なプロの職人であり続けた彼らしい終わり方だったと思えます。黒田投手、日米で長い間お疲れ様でした!

米国ではMLBワールドシリーズの真っ只中。どちらも長年栄冠から遠ざかっているアリーグ覇者のクリーブランド・インディアンズとナリーグ覇者のシカゴ・カブスが頂点目指して激突。どちらにも勝たせてあげたいところですが、心情的には71年ぶりに忌まわしい『ヤギの呪い』を断ち切ってワールドシリーズに進出したカブスに108年ぶりの栄冠を勝ち取って欲しいと思っています。本号が発行される頃には前代未聞のクレージーな次期大統領選の投票結果と相前後して決着がついていると思いますが、果たして結果は如何に?

プロテニスでは怪我から復帰した錦織選手が3年連続でATPツアーファイナルに出場確定。今年は初参加の2014年と同様に予選グループを勝ち抜き、セミ・ファイナルも突破してファイナルまで勝ち進めるといいですね。今月半ばロンドンからの朗報を待ちましょう。

さて、今回のテーマは『今この一瞬を大切に』です。

残り2ヶ月を切った今年、米国のスポーツ界ではボクシングのムハメッド・アリ、アイスホッケーのゴールディー・ハウ、ゴルフのアーノルド・パーマーと名立たるレジェンドが亡くなられました。それぞれのスポーツ分野で輝かしい実績を残されただけでなく、恵まれない人達を支援する社会福祉・奉仕活動にも多大な尽力と貢献をされ、人格者として惜しまれながらの旅立ちでした。

また、日本でもつい先日大学ラグビー、社会人ラグビーで活躍されたミスター・ラグビーこと平尾誠二氏が53歳の若さで亡くなられました。彼が同志社大学在籍時には大学選手権で史上初の3連覇。当時社会人ラグビーおよび日本選手権の王者であった松尾雄治氏率いる新日鉄釜石との名勝負(平尾氏がキャプテンを務めた国内チーム相手の試合で唯一の敗戦)は今でも語り草です。また、神戸製鋼に入社して社会人になってからは文字通り『鉄人』同士の戦いで新日鉄釜石から王者の座を奪い日本選手権7連覇の偉業達成。学生時代に19歳4ヶ月の史上最年少で日本代表に選ばれ、ラグビーワールドカップにも3大会連続出場し、日本代表のワールドカップ初勝利に貢献した正にラグビーの申し子。今で言うイケメンでしたが、スター気取りでチャラチャラした所がなく、ラグビーを良く知らない女性ファンだけでなく、男性も惚れる男の中の男と言う感じでした。現役引退後も神戸製鋼、日本代表チームの監督として外国人選手の登用など常に時代の先を行く斬新なアイデアと実践で表舞台でも縁の下でも日本ラグビーの発展に尽力されながら、次回2019年に日本で開催予定のワールドカップを見届ける事なく旅立たれたのは誠に残念です。心よりご冥福をお祈り致します。(合掌)

上述の日米スポーツ界のヒーロー、レジェンドと呼ばれる方々は生まれながらの才能に溺れず、下積み時代から現役時代を通して練習と実戦に不断の努力を惜しまず、与えられたもしくは自ら創り出した場面と状況でその一瞬、一瞬を大切にし、切磋琢磨し挑戦し続けた結果が歴史に残る偉大な成果となって記録にも記憶にも残るレベルに達した訳です。

今流行の言葉で言えば皆「神ってる」偉人ばかりで、我々凡人にとっては雲の上の存在で足元にも及びませんが、日常の中で同じ様な大それた事は出来なくても仕事や学業、家事に従事する中で惰性に流れず、生きている事、生かされている事に感謝しつつ今日と言う一日、今の一瞬を大切にして生きる事を忘れないようにする、少なくともその努力をする事を改めて思わずにはいられません。特に昨今のように自由で平和な国と思われていた日本や米国、他の先進国でもテロ事件、銃撃事件がいつ何処で起きるかも分からない、自分達も運悪く巻き込まれるかも知れないご時勢にあっては尚更の感を強くします。

末尾になりますが、米国第32代大統領フランクリン・ルーズベルト夫人であり国連代表、婦人運動家でもあったエレノア・ルーズベルト女史の名言の一つを記して結びとします。

“Yesterday is history, tomorrow is a mystery, and today is a gift; that’s why they call it the present.”

下手な和訳は付けずにおこうと思いましたが、ご参考までに私なりの和訳を付けますと、

「昨日は歴史(過去の事)、明日は不可解な謎、今日は贈り物;だから人はそれをプレゼント(『現在』の意味もあり)と呼ぶのです。」

皆さんにも今日と言う素敵なプレゼントが届きますように。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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