まだまだ暑い日もありますが、朝夕は肌寒いことが多くなり、秋を感じる頃となりました。これから日増しに木々も色づいてゆき、紅葉の美しい季節となりますが、ともに心寂しく感じる季節でもないでしょうか。

また、これから長い冬を向かえるミシガンにおいては心の不調を訴える方が多くなる時期でもあります。今回は、秋から冬にかけて多くみられる心の不調のひとつ、冬期うつ病と呼ばれるものについてお話ししましょう。

通称、冬期うつ病、その名の通り、春や夏は問題がないけれど、冬が近づくにつれ、元気がなくなる、気分の落ち込みなどのうつ病の症状が現れるというものです。冬期のみうつ病になるということで一般に冬期うつ病と呼ばれているようですが、正式には大うつ病性障害、季節パターン(旧:季節性情動障害)という名称があり、冬と限らず、ある一定の季節にだけうつ病の症状が現れるものを指します。

冬期うつ病の原因は定かではありませんが、日照時間が短くなることによりセロトニンやメラトニンのバランスがくずれてしまうことが原因であるのではないかと言われています。冬期うつ病はそのうつの症状が現れるのが冬、または、一定の期間だけであるゆえに少し我慢すれば大丈夫と軽視しがちですが、冬期うつ病は大うつ病のひとつのタイプであるだけに放置しておくことは適切でなく、なんらかの対応を施すことがとても大切となります。

では、大うつ病とはどのようなものでしょうか。理解なさっている方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、うつ病という言葉に触れる機会は多くあるけれど、よくご存じないという方も意外に多いように思いますのでここでうつ病とはなにかということを一緒に見ていきたいと思います。

多くの方がうつ病と聞くと最初に思い浮かぶ言葉が「気分が落ち込むこと」ではないでしょうか。では、実際に気分が落ち込むこととはどういうことなのでしょうか。気分が落ち込むとは悲しいとか虚しいとかへこむなど何らか気分が良くない状態です。しかし、気分が落ち込むこと自体は私達人間が感じる自然な気持ちのひとつであり、うつ病ではありません。

何か嫌なことがあり、数日ほど気分が沈むことは私達誰もが体験することです。でもその場合、気分が1日中沈んだままの状態であったり、数か月してもそのことが頭から離れないということはありません。また、理由もなく心が沈むこともなければ、長期に及び、落ち込む状態が続くということはありません。

また、通常の気分の落ち込みの場合、自分の人生全貌が色あせて見えるようなことは起こらないでしょう。あくまで落ち込みは喜怒哀楽の哀の範囲での体験でしょう。自分の人生の一部に哀があるというだけで自分の人生全貌が哀色には染まりません。私達が日常経体験する落ち込みとは、なんだか今日は気分が乗らない、なんとなくやる気が起きないなど、物事を面倒だと感じる程度で常に何事に対してもという事はありません。

しかし、うつ病の気分の落ち込みは私達が日常体験する気分の落ち込みとは、その深さ、辛さ、継続性などが異なります。うつの状態になると悲しいという気持ちが蔓延し、基本的に毎日のように元気が出ない状態となり、気力減退というものが自己の全般的に及んでしまいます。

ゆえに、喜怒哀楽の喜と楽を心から感じられることが少なくなり、例えば、今まで生きがいを感じていたことや楽しんでやったいたことさえもなんとも気分が乗らなくなってしまったり、また、なんとなくいつも体もだるく、どれだけ寝ても疲れが取れない状態であったり、疲れているのにあまり眠れないということが生じます。

思考においてもうつ状態になると歪みが発生します。思考全般において悲観的となり、何か良くないことがあるとそこに心が固視してしまい、いつまでもくよくよそのことを考え込んでしまったり、また、過去の失敗や失望などに心がとらわれたままとなり、自分は失格者であるとか自分のどこかがおかしいに違いないと感情的に決めつける傾向となります。

また、自己に対し、とても批判的となり、自分を責めることも多く、自分は価値がない人間であるように思えてしまったり、また、人の言葉や行動においても否定的に解釈してしまいがちで、自分は愛されない人間であるとか、どうして自分は幸せになれないのかなどと思いを巡らすことも多くなり、絶望感や無力感に襲われることも多々みられます。

うつ状態の思考というのは、柔軟性に欠け、ひとつのことだけを例にとって、こうだと決めつける傾向にあります。また、全般に壊滅的で極端な思考になりがちなゆえ、更に悲しみも深く辛いものとなり、もうこんなに苦しいなら、死んだほうがまし、死んでしまいたいという思いにとらわれるのもうつ病の特徴のひとつです。

この他にも様々なうつ病の症状がありますが、上記の事柄に自分が当てはまるかもと思うようなら、あなたの今の気分の落ち込みは通常範囲を超えているかもしれないというひとつの目安となるでしょう。うつ病というのは、特別な人だけがかかるものではありません。誰もが同じようにうつ病なるになる可能性を持っています。また、うつ病というのはしばらく我慢すれば、放置しておけば、治るというものではありません。

どのような病においてもですが、初期段階に何らかの対応を施すことはとても大切です。自分自身では自分のこの気分の落ち込みは通常範囲であるのかそれ以上であるのかということは判断がなかなかつきにくいものです。最近、まあいいかと物事を流せないことが多い、人生が楽しくないと思えることがある、また、友人からカウンセリングにでも行った方がよいのではと勧められるなどという方は一度専門家に会ってみられるとよいでしょう。

こあきバイヤーズドルフ

Lifescape Counseling LLC のオーナー、メンタルヘルスカウンセラー、クロスカルチャーコンサルタント。日本語にて様々な心のケアサービスを提供。

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