
去る7月29日、次の日に日本への出発を控えたJETプログラム参加者の直前オリエンテーションと壮行レセプションが在デトロイト総領事公邸で開催された。在デトロイト総領事館の管轄地域であるミシガン州とオハイオ州からのJET参加者を送り出した。
JETプログラムとは「The Japan Exchange
and Teaching Programme」の略称で、総務省、外務省、文部科学省及び財団法人自治体国際化協会(CLAIR)の協力の下、地方公共団体が主体となり実施している国際交流事業。1987年に4か国から848名の参加で始まり、統計では、平成 25 年までに6万2千人以上の人々が本事業により訪日、その内のほぼ半数が米国からの参加者だという。JET参加者は言語指導員(ALT)、国際交流員、そしてスポーツ交流員(SEA)3つの職種に分かれており、北米からは主に ALT と CIR として派遣される。派遣先は、要請を出した地方公共団体の何処かで、大都市から地方の中小都市や農村漁村に至るまで全国津々浦々。参加者の希望で1年から3年の滞在となる。
オリエンテーション後の歓送レセプションでは今春当地に赴任された和田総領事より、まず、「当地のJET壮行レセプションのホストをするのは初めてあり、人生の冒険の船出の前日に皆様に会うことが出来て光栄である」といった旨の歓迎の言葉で始まり、ご自身が勉学や仕事のために様々な土地に訪れた経験に照らして、その土地の人々に会ったり歴史や伝統を学ぶことによって、そこでの経験がより豊かになり、理解が深くなったと語り、参加者に日本でのかけがえのない機会を大いに活かすようとの祈念のことばが伝えられた。
文化歴史・伝統に直接触れる経験は何物にも代えがたく、自分の人生を豊かにしてくれたと振り返り、「人生をも大きく変えるかも知れない貴重な経験となることであろう」と語りかけた。猛暑日が続く日本に飛び立つ若者たちに、実り多い日々になるようにエールを贈った。
今期の当地からの参加者は54名に上り、全米3900名以上の応募者から厳正なる審査を経て資格を得た人々であるので必ずや成果を挙げることを信じていると言明し、さらに、語学指導のアシスタントなどの仕事に従事するだけでなく、米国の外交の一環も担っていると告げた。最後に、帰還後には深い日本理解と米国を新鮮に見る視野を持って日米交流に寄与し続けて欲しいと結んだ。
異国での任務を決意し、国際交流に役立とうという意欲に溢れるJETプログラム参加者らが、日米両国の架け橋として成果を上げることを期待したい。
地域や住民に密着した活動を通じて日本を体験した参加経験者らは、母国に帰った後、単なる日本研究者とは違った知日家、親日家として様々な分野で活躍し,日本と母国との間の貴重な橋渡し役となっている。