img_5993去る6月12日(日)、ノバイ市に拠点を置く「五大湖太鼓センター」による6周年コンサートがデトロイト市のRedford Theatreで開催された。昨年の同センター5周年記念演奏会より会場として白羽の矢が立ったRedford Theatreは、1928年にオープンして以来一度も閉鎖されることなく営業されてきた歴史的な映画館で、内装のモチーフが“日本”という、日本の文化紹介にはまさに最適といえる舞台である。創設者の夫人が大変な日本贔屓で、創立当時「アメリカ屈指のユニークな郊外劇場」と言われ人気を博したという。第二次世界大戦中には敵国のものとみなされたデザインがすべてパネルやペイントで覆われてしまったが、戦後ボランティアの努力で復元や修復が進められ、元の姿に戻りそれが維持されている。元祖シアターオルガンも備える、この荘厳かつ和洋融合の美しい建造物に、この日、和太鼓の音が再び響き渡った。

img_5154「五大湖太鼓センター」は2009年秋に和太鼓パフォーマンスグループ「雷音(らいおん)太鼓」がミシガン州で結成されたと同時に、雷音太鼓メンバーであるブライアン・ソウル氏によって創立された。2010年1月には教室が開始され、ミシガン州初の和太鼓普及活動と演奏活動を展開してきた。

img_5932過去5回の定期コンサートでは、ソウル氏のコネクションが活かされ、日本から世界一流のパフォーマーを招いてのコラボ公演が実現されたが、今回は外来ゲストなしの2時間程のブログラムが披露された。
幕開けは「雷音太鼓」と、同センター古参の生徒を中心とするパフォーマンスチーム「五大湖ドラマーズ」の共演による、『雷群』。雷の轟きを表現したダイナミックな皮切り。続いて各クラスごとに、生徒たちが日頃の練習成果を発表した。小さな子供達によるあどけなく一生懸命な姿には会場に微笑みと応援の拍手が広がり、アドバンストクラスの元気で巧みな撥さばきや凛々しい動きに会場は大いに沸いた。

img_5400後半は「雷音太鼓」と「五大湖ドラマーズ」が熱演。約5種類の大小、形の異なる和太鼓を駆使し、縦や斜めと叩き方にも変化をもたせた力強くバリエーションのある構成となった。

琴や篠笛も加えられた映画『もののけ姫』主題歌の合奏や、三味線の独奏も織り込まれ、しっとりと心に染み入る和楽器の音色の紹介の機会ともなった。また、司会を務めた前田和香子さんの貴やかな着物姿と、日本語と英語による滑らかなトークも聴衆を楽しませた。

観客にも掛け声の参加が呼びかけられた『おみやげ』では、大きな声が会場に響き、全ての曲が終わると観客席から盛大な拍手と歓声が沸き、出演者と観衆が一体となり高揚した熱気の中で幕が下りた。

img_5593今年は約5百人の観客で会場は埋まり、その大半はアメリカ人と見られる人々。「体の芯まで響き、和太鼓の魅力に鷲掴みにされた」という観客の感想も寄せられ、和太鼓と同センターのファンが少しずつ増えてきていることが伺われた。

msmaeda-2ソウル氏は、6周年コンサートの感想と今後の抱負を「今回の演奏会では我々だけで約2時間のプログラムを組みました。過去5回の演奏会で日本の演奏家と共演できたことは幸せで学ぶことが多く、その経験による成果であり、生徒や仲間のお蔭です。そして、演奏会に来てくださった観客の皆様に心からお礼申し上げます。今後もっと広めたいです」と語っている。

img_6200雷音太鼓と五大湖ドラマーズを含む太鼓センターの生徒たちは、この6年半ほどの間、数多くの日系の文化紹介の機会に演奏を披露してきた他、アジア系の踊りと音楽の祭典Splendor of the Eastや

ロイヤルオークの恒例ビッグイベントArts, Beats & Eats Festival、デトロイトで例年開催されるDetroit River Days、NorthvilleのJuly 4thパレードなどへ出演。地域に密着した様々なイベントや、チャリティーイベント、学校や図書館でのワークショップも数多く行なってきた。Royal OakのArts, Beats & Eats には今年も招待参加(9/2金曜日 7-8:30pm)、また10月に開催されるJBSD(デトロイト日本商工会)とJSDウィメンズクラブ共催の日本祭りにも出演予定。

img_5900-1editimg_5546開設当初20名ほどであった生徒は現在約90名に増加。広い年齢層の様々な人種が和太鼓を楽しんでいる。「音楽の素養がある必要はなく、楽器に触れるのは音楽の授業の笛以来初めてという人もいます。年齢も不問。現在3才から85才の人が習いに来ています。いろんな人がエンジョイできることが素晴らしいです」とソウル氏。クラス見学はいつでも歓迎。体験入門も可能。ただし、予めご連絡下さいとのこと。

email:raion.taiko@gmail.com

又は 248-773-8899 (日本語OK)

ホームページ:www.michigantaiko.net

返事を書く

コメントを記入してください
お名前を記入してください