日本留学を支援するJBSD基金スカラシップ 1

IMG_94692016年度のJBSD基金スカラシップ(奨学金)受賞者と家族を招いての昼食会を兼ねた授与式が6月3日に開催された。

同奨学金制度は、1998年にJBSDの25周年記念事業の一環として発足し、高校生ならびに大学生向けの日本留学プログラムを支援してきている。大学生の部は、JCMU(Japan Center for Michigan Universities:ミシガン州立大学連合日本センター)プログラムに対する支援でミシガンの州立大学15校に在籍する学生等を対象に、滋賀県にあるJCMUに滞在しての1年あるいは半年(1学期)の留学を提供。高校生対象はYFU:Youth For Understandingプログラムへの支援。高校生の海外ホームステイ留学をオーガナイズしているこのプログラムは、1951年にドイツの高校生をミシガンに留学させるプログラムとして発足したもので、1957年にミシガンと日本間の高校生交換留学プログラムが立ち上がった。今回選考された高校生たちはこの夏6週間にわたり、様々な地域に散らばり、ホームステイをしながら体験留学をする。

JBSD基金では、留学体験による日本の理解者を1人でも増やするために、会員からの寄付やFund Raise Golf Outingの収益金の中から奨学金を拠出している。

歓談の後、ジョン・クラークJBSD基金理事長より挨拶があり、「時差がとれたら、進んで会話してください。きっと日本の文化が気に入るに違いありません」と切り出し、「ここで日本語をどれだけ長い期間学んでも重要なキーは抜けてしまう」と、日本で直に体験する重要さを示唆した。アドバイスとして、言語習得に留まらずに歴史や文学を学ぶことが理解に繋がると伝えた。

IMG_9472続いて、在デトロイト日本国総領事館の野田首席領事より祝福の言葉とともに、ミシガン州には27の日本との姉妹都市があることなど、日本との関連を教示し、滋賀県彦根にあるJCMU施設の紹介をした。また、JBSD基金はデトロイト美術館の維持および日本ギャラリーの開設のために寄付していることにも触れた。日本へ向かう学生らへのメッセージとして、「経験を存分に楽しみ、戻ったら日米交流の懸け橋になって欲しい」と期待の言葉でまとめた。

受賞者たちはスピーチに立ち、「日本語は面白くて美しい。良い経験をしたい」「かねてより日本へ行きたかった。心から感謝している。戻ったら話を広げたい」と、日本行きの喜びや抱負を言葉にした。特に、JCMU日本センターで学ぶ予定の大学生は、「低所得ファミリーの出身で、周囲の同じような人々もそこから抜けられないという諦めがある環境の中、自分の逃げ場はポケモンなど日本のアニメであった」との述懐にはじまり、「日本語を学ぶ機会もサポートも無く育ったが、日本語を学び始めた事、そしてこのプログラムによって初めて受け入れられた」と心からの喜びを表した。シングルファザーであり、学齢期前の息子も同行するこの学生は「自分の可能性を広げ、チャンスを生かすことを約束します!」と力強く宣言した。JBSD基金スカラシップという支援ブログラムが、多大な影響をもたらし、人生を上向きに変え得るのだと、関係者一同が再確認する場でもあった。

JFUによる留学を昨年経験した女子高校生の一人は、感想とアドバイスとして、「文化は違うが、歓迎されて‘Home’と感じた」「食べ物が美味しい。生魚も怖がらないで試してください」と告げた。もう一人の女子高校生は日本の滞在を「飽きない。中毒のよう」と表現。「人を信じること、自信を無くすこと、道に迷うこと、それらを怖がらないで」と励ました。

JCMUの代表Chadさんは、自身も日本語を学んできた経験から、語学力はどんな分野にでも生かせると断言し、「コミュニティーに還元してください」と先輩らしく願いを伝えたほか、「居心地の良いゾーンに留まるな。Just get out!」「失敗を恐れないで。失敗は次へのステップ」と激励した。

異文化に飛び込むという選択をした若者たちが、期待通りの経験をできるか、また順調に行くかどうかに拘わらず、必ずや国際人として大きく成長し、周囲の人や社会をより良く変えていくことであろうと確信できた集まりであった。基金のボードメンバーの一人は「若い、チャレンジする人の活力をもらった」との感想を残した。

また、留学経験者たちによる応援メッセージは、異国である当地で戸惑いや失敗の多い日本人への助言でもあるように感じられた。参加者一同に刺激を与えた式であったと言えよう。

実り多い留学になるよう心より祈りたい。