
去る6月5日(日)、JBSD(デトロイト日本商工会)主催による恒例の写生大会が、昨年同様にデトロイト動物園で開催された。あいにく、当日朝の天気予報で「雷を伴う雨」。入場時には雨は降らず関係者一同安堵したものの、入場ゲートの外の受付テープルを撤収してまもなく、いきなり土砂降りに見舞われた。すでに広げた画材やチェアを慌てて片づける姿、傘を出す余裕もなく屋根の下に駆け込む姿、そして、雨脚が衰えるのを待つ姿が見られた。半時間ほどで一旦小降りになり、鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえる爽やかな園内となったが、その後も大降りになったり止んだりの繰り返し。野外で写生をする姿は稀であった。爬虫類館や北極エリアの屋内で写生をしたり、下描きを済ませた後は休憩所やテントの中で仕上げたり、場所に工夫していた。携帯で撮った写真を利用するなど、上手に工夫して対処する姿も見られた。昨年同様、親が差す傘の下で描く微笑ましい姿、自分で差しながら描く涙ぐましい姿もあった。
主催者であるJBSDによれば、申し込み者数750名ほどの内450名が来場し、朝から雨が降った昨年と比べるとほぼ倍の参加者が集まった。雨の御蔭で、生き生きとした動きを見せている動物もいたが、例年被写体として人気のキリンは飼育舎に籠りがち。他にも姿を現さない動物が少なくなかった。作品の題材も偏りがあり爬虫類やペンギンが多い傾向となった。
描かれた作品は例年通りレベルの高い作品が多く、当日、JBSD担当者と共に受付や見回りにあたったデトロイトりんご会補習校講師たちの入念な審査に加えて、今年も昨年同様にデトロイト美術館の職員も立ち会い最終審査を行なった。力作が並ぶ中、次ベージに記載の参加者が入賞を飾った。
雨が続き湿気が籠るテント内での表彰式。その冒頭、在デトロイト領事館の野田首席領事の挨拶があり、デトロイト美術館(DIA)職員の紹介に合わせて、DIAの美術品内容の紹介も伝えた。また、ミシガンと日本の経済関係や姉妹都市提携についての短い講釈に続けて、淡路市の図書館と姉妹図書館関係にあるウェストブルームフィールド・ライブラリーに本写生大会の入賞作品が夏中、展示される旨、そして関係者と参加者への慰労の言葉が述べられた。
今回は例年の賞の他に、DIA賞が加えられた。児童生徒の入賞者計12名はDIAのスタジオでのアート活動に招待される好機を得た。大人の1位から3位にはDIAシアターのチケット、また努力賞にはJBSD企画のツアーへの参加がプレゼントされた。
賞状とメダル、副賞の授与の後、宮本校長は「どの作品もとても力強くりっぱ」
「絵で表現することは大事。説得力がある」など評した。これからも楽しんで欲しいとの願いに加え、DIAなど美術館の鑑賞も勧めた。
今年4月に当地赴任となり、JBSD主催の写生大会に初めての参加となった宮本校長は、「親子で絵を楽しむ機会になって良いですね」「補習授業校では図画工作が無いので、こういう機会を通して絵画表現に興味を持つきっかけにしていただきたい」と、感想を寄せてくださった。
表彰式後、入賞者の記念写真の直前から雲が切れて晴れ始め、明るい日差しの下での撮影となった。入賞者はもとより、帰路に着く人びとの晴れ晴れとした表情が印象に残った。
【未就学・幼稚園の部】
金賞 纐纈 彩華
銀賞 プーセンプ ラウラ
銅賞 飯田 琉輝
努力賞 桂 香穂
努力賞 ジゲルバウワー 敬子
【小学校1-3年の部】
金賞 小林 美柑子
銀賞 戸塚 柚莉奈
銅賞 野崎 莉瑚
努力賞 岩瀬 泰澄
努力賞 武藤 怜生
【小学校4-6年の部】
金賞 千葉 八雲
銀賞 岩瀬 絢香
銅賞 内藤 結菜
努力賞 メイ 貴愛奈
努力賞 浅井 乃我
努力賞 丹羽 木実璃
【中学生・高校生の部】
金賞 斉藤 彰太
銀賞 鈴木 瑞生
銅賞 梅村 夕由那
努力賞 リリアン ハウエル
【一般の部】
金賞 戸塚 結
銀賞 モーゼス 桂子
銅賞 青木 京介
努力賞 モーゼス デニス
努力賞 米山 多津子
写生大会 入賞者