ポートランド散策 - Portland, Oregon 5

DSC_0436アメリカで最も住みやすい街の1位に選ばれているポートランド。観光で訪れる魅力はどうなのか。米国内の旅行雑誌でも多く取り上げられ、訪れたい土地の第1位に選ばれたこともある人気のこの街に、近年、日本からも観光客が多く押し寄せているという。

弊紙では不定期の連載で、その魅力の一端を探っていきます。今回は街の概要から。

散策しやすさ~ポートランドの主な観光地がある市街地(ダウンタウン)は歩いてでも回れる大きさ。空港から市内への路線を含めて、市内周辺はストリートカーとMAXライトレールという路面電車やバスの路線が充実していて、日本の都市と同様に一般市民の足となっている。地下鉄と違い、街を見ながらの移動になるので旅行者にも安心感がある。全米で屈指の“自転車利用者にやさしい街”でもあり、 自転車で上記交通機関に乗り込むこともでき、大通りには自動車専用レーンも設置されている。

ダウンタウンの印象を一言で表わすと、清潔でお洒落な街。

IMG_3481少しばかり歴史に触れると、ポートランドは、かつては先住民の拠点であった所で、ヨーロッパ移民との毛皮取引が盛んになり、ゴールド・ラッシュの時代に繁栄を続け、その後、地の利を生かして港湾都市、物流の中心地として発展した。街の空洞化が進んで荒廃した時代もあったが、見事に復興を果たした。

豊かな緑と水に恵まれた美しい環境を保つことに対する市民の関心が高く、市民によって都市計画機構が築かれ、地域開発や交通機関、ゴミ処理の管理などが行われている。「環境にやさしい都市」として、その評価は全米第1位、世界で見ても(アイスランドのレイキャヴィークに次いで)第2位と言われる。都市再開発、都市計画の面でも注目を集めている。

ちなみに、緯度はデトロイトや日本の札幌とほぼ同じにも拘わらず、冬の平均最低気温は摂氏0℃以上、夏の平均最高気温はデトロイト周辺よりやや低めと穏やかな気候。しかし、10月中旬から3月は雨期で曇天、雨模様の日が多い。降雪は稀。余談だか、数センチの積雪でも、除雪のシステムが整っていない為、交通が麻痺してしまうという話。

DSC_0633街の周辺の公園の合計面積は150平方キロメートル以上という広大さで、空から見ると、まるで森の中の都市のよう。中でもフォレスト・パークは原生生物を保護した都市公園として全米最大。街からウォーキングトレイルに入って森林浴を楽しむこともできる。

ダウンタウンの西に広がるワシントンパークの一画にある全米最古の国際バラ試験農園(通称バラ園)を筆頭に多くのバラ園があり、“薔薇の街(City of Roses)”の愛称でも知られている。バラ園には600種7千~8千株といわれるバラがあり、例年5月から7月ごろまでその色と香りが人々を楽しませている。高台にあり、ダウンタウンを見下ろす立地で、嬉しいことに無料。お花に興味の無い人もポートランドの一つの目玉なので必見。

DSC_0410その隣にあるのが、ポートランド日本庭園。約50年前に日本人が設計し、日本から建築材料を運んだとのこと。茶室に続く路地庭、玉砂利が整然と敷き詰められている枯山水、東屋や竹垣もしつらえられた庭など、様式の異なる5つの庭園それぞれ、豊かな緑と四季の花によって見事な景観と趣をつくり出している。海外の専門誌の調査で、日本国外にある300の公共日本庭園の中で何度も第1位に選ばれ、本格的なものとの評価を得ている。一見の価値あり。

ダウンタウンのチャイナタウンに2000年に開園した中国庭園・ラン・スー園は、敷地は広くないが、池や四季折々の樹木が美しく、回廊や茶室が上手に配置されている。本格的ながらも過度な重厚感や華美さはない静かな佇まいの庭園で、都会のオアシス的な存在。敷石のデザインや建造物の配置、建物や門に刻まれた文字に意味があるので、ツアーに参加することをぜひお勧めしたい。

Chinese Gardenもちろん、豊かな自然は街の周辺に留まらない。海、滝、山、丘陵へ車で1~3時間、特色あるナショナルパークへも数時間の距離。アィティビティも豊富だ。追々紹介したい。

生活レベルが高めでリベラル思考の人が多く住むといわれるこの地域では食に対する関心や意識も高い。オーガニック、地産地消にこだわるレストランやカフェが数多く点在する。クラフトビールビジネスブームの火付けの地とも言われ、マイクロブリュアリ―からビアホール的な店の数が半端ではなく、ビール材料にも地元、オーガニック志向が反映されている。

また、質重視、本格志向は物に対しても同様で、そういった消費者に支えられて、良質な物、個性的なショップが多いのもこの街の特徴といえる。

DSC_2098週末(3月からクリスマスまで)に開かれ、アート・クラフト、服・アクセサリー、フードなどの200以上ものブースが並ぶ青空市Saturday Market(and Sundays, too!)、そして、春から秋に地元の新鮮な野菜果物やハーブ、キノコ、手作りクッキーやパンが手に入るファーマーズマーケットでも、良いものをいろいろ見つけることができる。どちらも観光客にも地元住人にも人気の定番イベント。

ポートランドの魅力は尽きない。次回散策レポートを乞うご期待!