
Arbor Brewing Company(ABC)はミシガン州のブリューワリーの萌芽期(1990年代)Ann Arborのダウンタウンにできた。長くYpsilantiに住んでいたオーナーは、ボトリングを含めた一般市場への拡張を目指してEastern Michigan Universityのキャンパスからすぐのdepo townに2006年にフルキッチンをもつマイクロブリューワリー(Corner of Arbor Brewing Company)を建てた。バックヤードには200席のビアガーデンがあり、ここで歓迎会や結婚式などのイベントを行う人もいるそうだ。
ほかのブリューワリーと大きく違うのが自ら西海岸以東で初めての“solar brewery”と呼んでいること。ブリューワリーを支えるシステムはGreen brewery project。これはかつてのミシガン大学の学生が、修士論文のための研究を実際のミシガン州のブリューワリーにビジネスとして発展させたものだ。飲み物の品質だけではなく、ブリューワリー産業が太陽エネルギーと水の持続可能な有効可能利用を目的としたシステム。Arbor Brewing Companyはこのプロジェクトの代表例だ。
ABCでは144枚のソーラーパネルで太陽熱を電気に変えている。チューブの中のお湯の温度は常に55-100Fに保たれている。ブリューレストランの窓にはすべて熱遮断材が使われており、ライトもすべてLED。ここYpsilantiに拡張した際の100万ドルの投資費用は10年で返済のめどが立っており、「エネルギーの節約とコストの節約両方にもなっている」とマネージャーのBrian氏は語っていた。
ブリューワリーを訪れた日はあいにくの雨だったが、快くビアガーデンの後方にそびえる別棟の「ドーム」のツアーに連れて行ってくれた。ビールの製造、ボトリングを行っているためドーム内の温度は低めに調整されていた。内壁は熱遮断材で覆われ、バーボンの樽にビールを寝かせて作るAged beerの樽が天井まで積み上げられていた。4月にデトロイトタイガースのオープニングデーにリリースするStrawberry Blondeが瓶詰めの台に並んでいた。
季節限定だが、Sour Belgian(酸味の利いたベルギースタイルのビール)も、このブリューワリーの特徴の一つ。シトラスの風味を生み出すイーストとラクトースを使って、独特の黒い深みのあるビールを作る。
キッチンで使う食材は地元のものが主だが、裏庭で育てた野菜も用いており、ブリューワリー全体のコンセプト(Symbiosis)が貫かれている。
ゆったりと広いレストランには大学関係者、日系企業の人も訪れるという。サンドイッチ、ピザ、キッズメニューがある。ギロ、ガーリック味の豆腐をはさんだホギーサンドイッチはユニーク。
Arbor Brewing Company Microbrewery
720 Norris Street, Ypsilanti, Michigan 48198
T: 734-480-BREW
ウェブサイト:http://www.arborbrewing.com