MSU Japan Club主催 東日本大震災メモリアルイベント 6

IMG_4580この3月で東日本大震災から5年が経過した。3月14日の夜、州都ランシングにあるミシガン州立大学(MSU)でMSUジャパンクラブ主催によるメモリアルイベント“3.11追悼イベント (3.11 Japan Earthquake and Tsunami Commemoration)”が催された。

イベントの前半はゲストスピーカーによる話、後半は野外にある“MSU Rock”での黙祷とキャンドル・ビジル(追悼)が行われた。

IMG_4582ゲストスピーカーとして、まず、日本からの留学生である蛭田祥子さん(22歳)が、地震の規模と、被害の概略として死者・行方不明者数ならびに避難者数を解説した後、蛭田さんが地震発生時に居た横浜の高校の教室での様子と、後に被災地へボランティア支援に行った経験を語った。2012年には岩手県大津市で、がれき撤去活動に参加。1年後でもまだまだ爪痕が残っていたことを写真映像も使って説明した。2014年には福島県南相馬市を訪問。原発事故の避難指示区域の図や、自身が撮影した立入禁止区域手前の写真を示し、事態の難しさを伝えた。「忘れずに、他の人に伝えることが大事だと思う」と語った。

IMG_4592二つ目のプレゼンテーションは、大震災当時には同大学に籍を置き、現在は日本に戻っている東北出身の男性によるビデオメッセージ。惨劇に巻き込まれて自分の叔父、友人14人が亡くなったが、何もできなかった悔しさを抱えて2カ月後に帰国した彼が、被災地の様子を目の当たりにしたり、ボランティアをしたりしたなかでの思いをQ&A形式で綴る内容となっていた。「5年経っても復興が進んでいるとは思えない」との憤りを訴え、“忘れないこと”“教訓にして次世代に伝えていくこと”が何よりの対応であろうと締めくくっていた。

最終スピーチの前に、数日前に実行したロックペインティングの様子をビデオで紹介した。MSU Rockは学生のイベント案内や願いなどを自由にペンキで塗って良いメッセージボートのような大岩で、今回は日の丸の背景に「Pray for Japan – 3.11.2011 東日本大震災」と描かれ、 人々への記憶喚起と祈りの礎の役を果たした。

IMG_4596ラストスピーカーは同大学の准教授であり、日本を主とする東アジアの歴史研究者Dr.Eathanが務めた。奥様が岩手県盛岡の出身とのことで、2011年の夏を皮切りに、3回にわたって被災地を訪れ、その状況を視察してきた。震災4カ月後には、一帯がほぼ全滅した陸前高田に。避難場所となった校舎の写真が被害と当時の混乱を伝える。その後訪れた気仙沼の陸地に津波で打ち上げられた巨大タンカーや瓦礫の山、そして、石巻のシーフード工場の惨状の映像もあった。

再興には長い時間がかかること、放射能被爆した土の処理について見通しが立っていないこと、今なお仮設住宅に住んでいる人々が少なくないことなど、課題を列挙した一方で、工場施設を学校に変えたおかげで人やイベントが戻った話など前向きな状況も発信した。

IMG_4607Dr.Eathanは今期より同大学で、地震に関する講義を開設したとのこと。東北の写真や情報を教材にしており、受講生は高い関心をもっているそうだ。

現状を実際に見るインパクトには及ばずとも、それを実行した人の声を直に聴くと胸に強く響くものである。この日のイベントにはジャパンクラブのメンバーをはじめ、非日本人の姿も多く見られ、誰もが神妙に話に聴き入っていた。忘れがたい話となったことであろう。

このイベントのために日本のアルファー食品株式会社が無料で提供してくれた『安心米』非常食サンプル数種を試食した後、歩いて数分離れたMSU Rockに移動。凛と冷え込んだ空の下、身じろぎもせず黙祷する学生たちの姿があった。惨劇によって失われた命、そして生きている自分の存在意義や生き方に思いを馳せていたのであろうか。

IMG_4617学生たちが自らの考えで知識や経験を分かち合う企画を実施したことに感銘を受けると同時に、若者たちの真摯な姿を見て、日本のみならず世界の前途に希望を感じることができたイベントであった。

ジャパンクラブ会長の江川栞さんは、「このイベントで日本国内から離れ遠くにいる私たちが一緒になって改めて震災への思いを一つにできたと思うし、海外にいても日本人として母国への思いは大きいものだと実感した。この様な小さな事しかできないけれど、何かしないと震災の事は忘れられていく。私たちの思いがイベントやこういった記事を通して少しでも遠くに届き、いずれ震災に直接的に関わった方々などに伝わることを願っている。」とイベント後の感想と願いを語った。

✧以下、MSUジャパンクラブの組織内容について会長の江川さんから紹介して頂いた。

IMG_4620MSU Japan Clubはミシガン州立大学所属中の学生が運営する組織です。現在クラブは24人の部員で成り立っていて、メンバーは日本から来ている生徒、留学経験ありの帰国子女生、ミシガン育ちの日本人学生、現地生、その他の国籍の生徒など幅広いバックグラウンドを持つ人ばかりです。ジャパンクラブのミッションは主に3つあり、日本からまたは日本人生徒のMSU滞在中の学生生活のサポート、日本文化を広めること、そして日本語を大学で学んでいる生徒のサポートです。日本人が少ないキャンパス内で、より日本文化を広めるために毎月色々なイベントを開催しています。過去にはカレーパーティ、餅つき大会、アイランドバザール、カルチャーショック、ドッジボールトーナメントなどを開催しました。詳しい内容はぜひジャパンクラブのウェブサイトまたはFacebookページでご覧ください。

ウェブサイト:https://www.msu.edu/~japan/

Facebookページ:https://www.facebook.com/groups/284923838375774/

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