JBSD文化部会主催 音楽祭Music Festival 11

k-102 MC -Wakako2デトロイト日本商工会文化部会主催の年間行事のひとつとして歴史を刻んで来たJBSD音楽祭は、今年も世界共通の言語である音楽にスポットライトが当てられ、当地メトロデトロイト地域交流のための恒例イベントとして3月13日(日)、ノバイミドルスクールに於いて開催された。夏時間のデイライトセイビングタイムの開始日と生憎の雨とが重なり、客足の鈍りや機材の搬入についても心配されたものの、早朝から集合時間前に集まり始めた出演者と頼もしい運営ボランティア関係者によって用意は万端整えられ、予定通り午後1時半に開場を迎えた。

MF 2016 Chopin2出演のトップバッターとなったショパン三世(酒井さん)は一言「怖いです」との率直な心境を吐露しながらも、ショパン作曲のエチュード第12番「革命」を落ち着いた軽快なタッチで披露し大きな拍手を浴び、音楽の祭典の口火を切った。

前々回が5人での初出場となった音もだち(おともだち)合唱団は、現在は音もだち混声合唱団として20名ほどのコラールへ成長し、今回は13名での出場。上品で繊細なハーモニーが丁寧に奏でられると、クラシック音楽と合唱好きの観客を中心に盛んな拍手が送られた。

MF 2016 EMW -KidoMF 2016 K's1今回初出場のEast Meets Westは、アップライトベースにピアノとドラムの本格的なジャズトリオ。ELSの先生のお宅で始まったセッションをきっかけに結成されたというユニットにより “Take the A Train” 、“Over the Rainbow” といったスタンダードが心地よいリズムで届けられ、音楽祭に新たな成熟した彩が加えられた。

音楽祭へ欠かさずエントリーを重ねてきた最年長最多出場のB4は、今年はメンバーのうち二人が国外出張中のため普段の賑やかなバンドとしてのエントリーが叶わず、趣向を変えアコースティックギターのデュオ「B4M3(ビーフォーマイナススリー)」として登場。ギター歴60年の二人が優しい歌声を響かせ、B4ファンを魅了した。

MF2016 All&FamilyMF2016 B4M3 -1音、光、ステージを自在に操り演出し、観る人を演奏の一部として自由に自然に取り込んでしまい会場を沸かせたのは大御所K’s。メンバーそれぞれの豊かなバックグラウンドから培われた実力とチームワークから織り成される迫力のハードロックに、講堂の熱気は一気に高揚した。

今のメンバーでの演奏は今年が最後というThe Motor Innは、前日の最終練習の後は皆で草野球を楽しみ全員が筋肉痛、という仲良しバンド。日米墨と国際色豊かで楽器の担当も曲により忙しく入れ替わる。日米ポップソングの他、オリジナルなど個性溢れるサウンドに聴衆も惹き込まれ、体全体でビートを楽しむ万人の幸せがさざ波のように広がった。

MF2016 EMW -2MF2016 Otomo2今年は英語と日本語が軽やかに織り交ぜられた司会の進行が、好意的に迎え入れられた。客席からステージへ自由に声が飛び、舞台から聴衆へも絶えず語り掛けられ呼応する全員参加型の楽しい催しとなった。このイベントを初めて訪れたという客の一人は、「シカゴから所用で参りましたが、早くから事前にお知らせ頂いていたのでついでに立ち寄ることが出来ました。素晴らしいイベントでした。来年は妻も連れて必ず参ります。」と語り、興奮気味だった家族連れは「ミシガンに8年住んでいますが初めて来ました。今まで知りませんでした。才能のある方が身近にたくさんいらっしゃることに感激しました。子供がとても良い刺激を受けたようです。心から楽しめました。」とコメントした。普段からJBSD行事に役員として関わっているという方は満面の笑みで「音楽祭は、もはや私の恒例行事です。必ず来てますよ。」と満足のご様子。また前年のこのイベントに、うっかり間違え別の週末に足を運んでしまったという米人ご夫妻は「昨年は駐車場に日本車が少なすぎる、と日にちを間違えたことに気づきました。」と笑い、「ついにJBSD音楽祭を鑑賞することが出来てとても嬉しい。音楽という国際語で皆が触れ合い交流できる、素晴らしい機会ですね。」と、周囲で忙しく後片付けを続ける関係者へ温かく声をかけ、その労をねぎらっていた。

MF2016 TMI -2MF2016 TMI -3現在の募集要項によれば、ユニットにJBSD会員を一人含んでいれば、またはデトロイトりんご会補習授業校の生徒で中学生以上であれば、出場資格を有する。よって、より若い世代や個人・法人会員周辺への門戸も広く開かれている。国籍は問わない。今年は有志の高校生ボランティア等をも含む大勢の音楽祭関係者が、少しでも良いものを残したいと願う熱意から、貴重な経験と多方面からの意見を効果的に取り入れた試行錯誤で、思い入れの深い、確かな足跡を遺した。プログラムの最後まで会場に残った音楽好きの観衆が、総立ちでの手拍子とダンスの応援によるフィナーレとなった今年の音楽祭。JBSD行事がきっかけとなるかけがえのない交流の輪が、多くの人々の情熱や理解、協力、そして日頃から彼等の環境を支える家族、友人知人、職場の同僚やご近所などの、地域の支援をもって温かく広がってきたからこその大成功を収めたといえよう。