
ミシガン大学のJSA(Japan Student Association:日本学生会)主催による日本祭りが3月13日(日)に開催された。当イベントはキャンパス内で行われているが、学生に限らず無料で一般公開。デトロイト日本商工会、ミシガン大学の日本研究センターがスポンサーになっており、内容を変えながら恒例で行われている。
今年は、ここ数年利用してきた会場から移動。さらに、手作りの食べ物の提供を禁止されたため、多くの変更を余儀なくされた。例年は学生が手作りしていた焼きそばやカレーライスなどは止むを得ずレストランから調達。様々な試練を乗り越えて、当日は笑顔ではつらつと運営していた学生たちの姿が頼もしく、印象的だった。
当地在住の日本人女性が中心となっているNPO“雫の会”が昨年に引き続いて同イベントに加わり、東北震災支援を目的としたバザーを実施した。雫の会も、予定していたベークセールを断念せざるを得ず、ホームメイドのスイーツを楽しみにしていた訪問者も多く、落胆を隠せない様子だったが、バザー用の品を急きょ増加したそうで、賑わいをみせていた。尚、収益金は、同イベントの次の週に当地で公演を行なった福島の山木屋太鼓に寄付。JSAも、この日の収益を山木屋太鼓に贈った。
こちらも昨年通り、同大学の日本語教師たちが書道体験ブースで指導にあたるなど学生会を支援していた。折り紙や輪投げなどの日本文化体験コーナーでは高校生のボランティアも入って、フレッシュな姿と対応で場を盛り上げていた。
パフォーマンススペースにあてた部屋では、当地の日系ユースで構成されているミュージックパフォーマンスグループ“Dream Singers”による歌と踊りが披露された。Dream Singersの主宰者である森みゆきさん作詞作曲の『Love Your Life』が手話付きで始まると「かわいい~~」との声があちこちで上がり、元気いっぱいな『南中ソーラン節』のダンスを観る人々の顔も明るい笑顔にあふれた。
続いて、日本語クラスの学生を中心としたメンバー“JLP”が日本のアイドルグループ・AKB48の楽曲『心のプラカード』を、思い思いのメッセージを書き込んだプラカードを掲げて踊った。メイド姿の女子学生も踊り、若いエネルギーを振りまいた。昨年は大勢の観客が加わったが、今回の会場ではスペースが無く、残念との声も聞こえた。
JSAは非営利の学生組織で、日本人会ではなく、日本語や日本文化に関心のある学生であれば人種や文化背景に拘わらず参加できる。多様な学生が交流や学習のために集まっており、日本祭りは同会の集大成的なイベントして行われている。学内の学生のみならず、地元アナーバーを始め、周辺コミュニティーへ日本文化を普及浸透させる働きを果たしてくれている。
JSA会長を務める鈴木道子さんは「天気が悪かったのにも関わらず、大勢の方々に参加、サポートしていただき、日本祭りは大成功に終わりました。来年も一層楽しく充実したイベントになるよう、頑張ります。」とコメントを寄せた。
学生同士が内輪で楽しむ内容でも十分といえる学生イベントだが、年齢の壁を越えて多くの人に日本文化を紹介し、楽しい時を提供しようとする意識が伝わってきた日本祭りであった。
JSAウェブ:www.umich.edu/~nihon/