デトロイトりんご会補習授業校 卒園・卒業証書授与式 5

IMG_91183月19日 (土) 、デトロイトりんご会補習授業校で第18回卒園式・第43回卒業証書授与式が挙行された。今年度の卒園・卒業生は、幼稚園部108人、小学部56人、中学部32人、高等部6人となった。

午前中の卒園式では、日頃は元気いっぱいの園児たちが、この時ばかりは緊張感をはらんだ大人びた面持ちで式に臨んだ。村井校長は、卒園を寿ぐとともに、小学校生活へ向けてのはなむけの言葉を伝えた。

午後に行われた小・中・高、合同の卒業証書授与式は、本年度より中・高等部が借用しているノバイ高校のオーディトリアムを会場としての初めての儀式となり、小学部在校生はスクールバスで移動するなど、昨年度とはかなりの変更があったが、昨年以上に厳粛な雰囲気のなかで滞りなく挙行された。来賓として在デトロイト日本国総領事館の和田総領事、デトロイト日本商工会植田事務局長、JSDウィメンズクラブ柴田会長、さらにノバイ学校区の教育関係者として学校区教育長、教育委員会委員長と副委員長ならびにコミュニティーエデュケーションのディレクター、また、カリキュラム作り等に関わっているイースタンミシガン大学の桶谷教授と客員研究員である近田氏も臨席。りんご会理事と運営委員長、多数の在校生・保護者・教職員が出席し、盛大に実施された。

IMG_9120開会の辞に続いて、列席者一同による日本国歌の斉唱、アメリカ合衆国の国歌演奏、そして児童生徒による校歌の斉唱が行なわれた。卒業生一人ひとりが学校長の手渡す卒業証書を恭しく受け取り、その間、在校生による生演奏のBGMが流れ、厳粛ながらも穏やかな雰囲気に包まれた。演奏や指揮を担当した生徒たちは卒業生を温かく送り出すために昼休みや放課後の打ち合わせとリハーサル、さらに自宅練習を重ねてきたとのこと。

村井学校長の式辞では、現地校と補習授業校二つの学校で学ぶことの厳しさと楽しさを通して、日本に居れば出来ない貴重な経験をしたことであろうと、両立させて卒業を迎えた児童生徒たちを称えた。チベット山脈にあるチベット僧の学校の厳しさに触れ、勉強環境が整わない苦しみを乗り越えて学ぶ尊さに言及し、苦労が多かったであろう卒業生たちの今後の活躍を祈念する言葉を贈った。

和田総領事による祝辞では、保護者、理事・運営委員、教職員、関係者に対する謝辞を伝えたあと、「一生忘れない思い出をここミシガンのノバイ市で作ったことでしょう。多くの素晴らしい友人に巡り合えたことと思います。」と述べ、「日本の良いところと外国の良さを知る存在は貴重」と卒業生にエールを贈った。

IMG_9127マシューズ教育長からのスピーチ(英語)では、かつて日本の学校を視察訪問した折に目にした生徒の姿から「日本でもここミシガンでも、生徒は生徒。共通である」との認識を得たことを語った。卒業というステップに到達した児童生徒たちに向けてはなむけの言葉を届けると同時に、大人たちは子どもたちの道を整える存在であり、ノバイ市もその役を務めたいといった内容を寄せた。

りんご会の吉田理事長は児童生徒の苦労をねぎらい、「将来絶対に役立つ」「出会った友達を大切に」と強く訴えたほか、同窓会を組織したい旨を伝えた。最後に、先生方に向けて「日頃の献身的な取り組みのお蔭」と感謝を伝えた。

在校生の「送ることば(中高等部では送辞)」では、上級生との思い出や上級生を見習って励み続けたいといった抱負などが語られた。それに応じた卒業生による「お礼のことば(中高等部では答辞)」では、保護者や先生方へのお礼や後輩への激励のメッセージとともに、当地での苦労と喜び、友や先生との思い出などが紹介された。

IMG_9193小学部のお礼のことばの中、補習校に通うのが辛かったが、5年生で本当の友達を得て、補習校の真の良さは多くの友達と出会い、交流ができる場だということを見出したと話した。日本的な行事や活動は補習校に行かないとできないことに気づき、補習校はますます大切になったと加えた。中学部の答辞では、「学問のみならず、アメリカにいては本来体験できなかったであろう日本の学校行事を体験することができ、多くのことを学びました」と表現し、さらに「人は一人で生きてはいけない」ということを教えられたと語った。最高学年である高等部の答辞では、両立が難しくて補習校をやめようかと思ったことが何度もあったと吐露したうえで、頑張って突き進んでいくにつれて変化が起き、日本人というアイデンティティや愛国心が芽生え、補習校は日本への架け橋となり、どんどんかけがえのない場所になったと述べた。「ここで習ったことが将来の糧となり、僕の力、自信へと繋がっていくと確信しています。」との力強い言葉が会場に響いた。

児童生徒たちの並々ではなかった苦労や心痛を乗り越えて卒業にこぎつけた達成感や自覚が表れていた。

最後に、卒業生と在校生が全員で「旅立ちの日に」を合唱し、感動のうちに閉式となった。

IMG_9203小学生とその保護者が退席した後、補習校生活が最後になる高等部卒業生6名を送る会へに移り、各自がスピーチに立ち、忘れがたい思い出や補習校の存在意義、そして前途への抱負を語った。学年が上がるにつれて両立が難しくなる中で仲間との交流が支えになったばかりでなく、同校で得た学びや人との繋がりが今後の財産になるであろうことが窺われた。厳かで輝かしい旅立ちの日であった。