
文&写真 by ヤマトノオロチ
今回は、トピックを2つに絞っていこう。
一つ目はホリデーシーズンなので、ファミリーに優しいブリューワリーのイベントの紹介だ。アメリカではこの12月に「サンタ・ブランチ」があちらこちらのレストラン等で行われる。家族みんなで日曜日のブランチを楽しみながら、サンタクロースと一緒に写真を撮るイベントだ。日ごろはテレビのスポーツゲームの大音響や人々の話し声でにぎわうブリューワリーも趣がガラッと変わって、ドレスやスーツで着飾ったかわいらしい姿と笑い声があふれる。
正統派のビールを提供しているRochester Millsの「サンタ・ブランチ」は、広々としたパブレストランのスペースを十分に活かし、2回の完全入替制で行われるので、ゆったりと楽しめる。シェフの手で目の前で切り出されるハム、豊富なサラダや果物、アペタイザーに舌鼓をうつ。
Rochesterダウンタウンでの「Big Bright Light Show」は11月中から既に始まっており、毎日午後5時から1月3日の深夜まで。カラフルなライトが、ミシガンの凍り付くような空気を凛(りん)と照らしてくれ、心地よい。
Rochesterに限らず、各地域のダウンタウンでもライトアップが行われているので、せっかくの機会を楽しみもう。
もう一つの話題は、地元ブリューワリーの缶入りビールの紹介だ。ミシガン州のブリューワリー数の伸びは今年も続いた。気がつくと、スーパーの棚には大手ビール会社のものよりも、各地のブリューワリーが作っているビールのほうがはるかに多い。スーパーで売られているミシガン産のビールの数は実際にブリューワリーで作られている種類の一握りにも満たないから、いかに膨大なセレクションがあることに気づく。
南東ミシガン地域のブリューワリの中で缶入りビール小売りで健闘しているのが、過去にも紹介したことがあるGriffin Claw。Griffin Clawは5種類に加えて季節ビールの”3 Scrooges”を発売した。Dickensの名作”Christmas Carol”の守銭奴の主人公をブランド名にした冬限定のエール。レーベルもクリスマスの雰囲気を盛り上げる。3様の表情のキャラクターは、「ブリューマスターの顔じゃないよ」とバーテンダーの談。オレンジ・ピールとスパイスがきりっ、と効いているすっきりした味。このほかにも前述のRochester Millsも5種類の缶入りをだしている。ミシガンらしい松のイラストのレーベル”Pine Knob Pilsner”はアルコール度も5.3%でほどよい。
ホリデーシーズンは仕事が休みの人も多いだろう。ゆったりとした気分で、地元ミシガンの味と時間を楽しんではいかがだろうか。
*Rochester Mills Beer Co.
Santa Branch 12月20日(日)10:30 & 12:30。
大人$22.95、子供$9.95(6歳以下は無料)。要予約。
www.rochestermillsbeerco.com
*Griffin Claw Brewing Company
www.griffinclawbrewingcompany.com
*その他書ききれないが、クリスマス、ニューイヤーのイベント、ファミリーフレンドリーなブリューワリが数多くある。