在デトロイト日本国総領事館主催 JETプログラム帰任者 / 語学教育関係者 交流レセプション 3

IMG_7584 去る9月25日、在デトロイト総領事公邸に於いて、JETプログラム帰任者の歓迎ならびに語学教育関係の分野で活躍している教師/教授等の交流のための場が設けられた。

JETプログラムはThe Japan Exchange and Teaching Programme(語学指導等を行う外国青年招致事業)の略称で、海外の若者が日本各地で英語教師のアシスタントなどとして働くプログラムであり、例年、当地から多数参加しており、この夏には当管轄地域(ミシガン州とオハイオ州)より約50名が日本へ渡った。

この日、JETプログラム経験者の有志の集まりであるJET同窓会:JETAA USA (JET Alumni Association of the United States of America) のナショナルコンファレンスが当地の支部(JETAA Great Lakes)の主催でデトロイトにて開催中とあり、今回のレセプションにはJETAA USAの代表ならびに全米各地の支部の代表らも多数出席した。遠くはハワイやアラスカなど、各地からの18名がコンファレンス(9月24日~27日)の為に当地に滞在し、この日も交流や情報交換に力を注いでいた。コンファレンスに合わせて、日本大使館の公使がワシントンDCより足を運び、JETプログラムに関して外務省と自治体の仲介を務めているCLAIR(自治体国際化協会)の代表は日本からの列席となった。

また、ミシガン州とオハイオ州の学校(K-12)や大学で日本語の指導や研究に携わっている教師に加え、米国JET記念高校生招聘事業(JET-MIP)やYFU(Youth For Understanding)の短期留学制度によって今年日本を訪問したハイスクールの生徒も数人出席した。

IMG_7592_brightJET-MIPは、JETプログラムを通して英語指導に努め東日本大震災の犠牲になったアンダーソンさんとディクソンさんの功績を称えて創設された特別プログラムで、厳しい審査を通ったハイスクール生徒が2週間の訪日を贈られ、東北の学校や被災地の視察、そして京都観光やホームステイなど貴重な経験を得た。

在デトロイト日本国総領事館に8月末に就任された和田充広総領事は、歓迎の挨拶のなか、領事としての長年の経験から学んだこととして、「異文化理解は個人の教養のみならず、世の中で生き残るために非常に重要である」と述べ、「JET参加者は日本の文化を知ったのみでなく(米国の文化を)伝えてきた」と評した。また、この日の会が全ての参加者にとって、ネットワークに役立ち、考えを交換する場になることを期する言葉を寄せた。

東京から渡米したCLAIRの代表からは、米国JETアルミニと日本は強固な繋がりを保持している旨が伝えられ、「若い内に外国に渡り異文化経験をすることは非常に大切で、国々の相互理解に重要」と語った。

当地のJETアルミニ(JETAA Great Lakes)会長からは、参加経験者同士の繋がりを持ち続けるためだけではなく、日本の関係者、当地の領事館、米国JETアルミニや他の支部との関係を保ち、活動を続けていきたい旨が伝えられた。

IMG_7599_brightJET帰還者によるスピーチでは、それぞれが得た印象や強い感動が明瞭に伝えられた。「東京マラソンに参加したお蔭でそれまでに無い多くの人のサポートや応援があった」との話があり、行動を起こすことで人脈もより広がり豊かな体験ができることが示唆された。他国からのJET参加者と知り合えたことも貴重であったとのこと。国際的なプログラムならではの収穫であろう。単なる観光ではなく、語学指導助手として学校という社会に入り込んで子供から大人までに触れあい、異文化を体験した若者たちの活躍に期待したい。

英語指導に携わったJET帰還者たちに日本の生徒についての印象を伺ったところ、「日本の生徒の多くはスピーチなど声に出すのが苦手。それは恥ずかしかったりミスを怖がるせいのようだ」との共通した指摘があがった。「会話やスピーキングをもっと楽しんだら良い」「日本の子はもっと外国に出たら、状況が変わるだろう」との意見が寄せられた。また、日本に短期留学をした大半のハイスクール生徒は友人を作って楽しい日々を過ごし、日本語力は格段にレベルアップしたというが、中には留学先のクラスメートと会話がなかなか成り立たずに嫌煙され気味だったという悲しい話も耳にした。日本の若者たちの会話力アップが早く確実に進むことを願うばかりである。

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