『 Back-to-School … for Parents! 』学校生活についてのセミナー 1

IMG_3778ギャラリーで日本の陶芸の特別展

グランドラピッズ市にあるフレデリックマイヤーガーデンズ&彫刻公園(以下マイヤーガーデンズと略称)に、今年6月開園した日本庭園 『The Richard & Helen DeVos Japanese Garden』については、弊紙7月号で紹介したが、去る9月20日、その庭園内の茶室『晧月庵』にて茶の湯の実演が催された。この実演はマイヤーガーデンズ会員を対象にした特別企画で、日本庭園の着工以前より強い繋がりを保ってきた在デトロイト総領事館の手配により、JSDウィメンズグラブの茶道熟練者が点前を披露し、総領事館の文化担当職員が解説を務めて行われた。

DSC_5737 茶室『晧月庵』は日本庭園の池に臨み、広い窓からの見事な景色に恵まれた立地に凛と佇んでいる。天井の“網代張り”という編みや、木肌を残した柱などが古来から日本人が愛してきた自然美を伝えている。内装外装ともに日本の職人が造り上げた本格的なもので、千利休の作として伝えられる国宝『待庵』と同じ二畳台目小間という造り。素人からすると、小ぶり=大したことがないと判断しがちであるが、四畳半の間取りやさらに大きな広間より格が高く、茶人にとって理想とする究極の茶室であるとのこと。

IMG_3765 前述の造りに関する知識を教授くださった香羅師範は「このように立派な茶室が造られ、また、お点前で、優れた作品(茶碗)に手で触り美を感じることができ、すばらしいことです。」と話す。この日、実演の点前に使われただけでなく、参加者に振る舞う際にも使われた10数個の茶碗はマイヤーズガーデンズ所有のもので、ミシガン州と姉妹県州を結んでいる滋賀県を代表する信楽焼きの銘品が揃っており、“美術館に展示されるレベルのもの”との話。

DSC_5785 実演では、茶の湯は単なるティーパーティーではなく、人生を通して自らを極める‘道’であること、この1回の茶会のために客人や季節に相応しいテーマを決め、茶碗などの道具や掛け軸、花、菓子を厳選しており、それらに関する知識も茶人には必要であることなど、形式や動きの解説に留まらない説明が届けられた。「既に洗ってある茶碗や茶器を布(袱紗)で拭くのは、細心の扱いをしていると示すため」「亭主は茶碗の最も美しい正面を客に向け、客は正面に口をつけない」など、一つ一つの所作に配慮があることも伝えられた。

IMG_3766 参加者は「大変興味深かった」「香りが良い」「動作が優雅で美しい」「心が落ち着く時間をもつ良さを感じた」など感想を寄せた。

残念ながら、この茶室、通常は外観を見ることしかできず、内部見学の機会は(現時点では)月1回のペースで設定している“Inside the Japanese Teahouse”イベント日に限られる(2015年秋現在)。冬場は閉鎖するため、年内は10月25日(1時から5時)を残すのみ。追加料金はかからず、予約不要の先着順とのこと。

IMG_3764マイヤーガーデンズ Frederik Meijer Gardens & Sculpture Park

年間に55万人が訪れるというミシガン州屈指の観光施設でもあるマイヤーガーデンズは132エーカーというイメージし難いほどの広さと規模を誇る。広大な敷地内には、イングリッシュガーデン、チルドレンガーデン、樹林地、そして熱帯植物の温室もある。最もユニークなのは、彫刻公園エリアを中心に著名なアーティストによる彫刻が点在していること。

8.5エーカー(約1万坪)を占める日本庭園にも10以上の彫刻が、景観に融合して、あるいは日本庭園に独特のインパクトを与えて鎮座している。同園では、ガーデニングや植物、芸術に関する講演やワークショップ、野外ステージを利用したイベントなど、多彩な催しを提供している。

IMG_3771 メインビルティングにはギャラリーがあり、作品を入れ替えて展示をしている。  現在(9月中旬から2016年1月3日まで)『Japanese Ceramics Now-Tradition and Innovation:日本陶芸の今-伝統と革新』と題する特別展が『滋賀県立陶芸の森』との共同企画により開催されている。日本人による285点の応募から、日米の審査員が選考した25点を展示。これらの作品はGrand Rapids市の恒例イベントとなったアートコンテスト‟ArtPrize”のエントリーもしており、『日本陶芸の今』展(公募コンテスト)とは違った評価がでることが期待される。

茶の湯実演の日、『日本陶芸の今』展のオープニング式典に合わせて渡米中の作家、久保田厚子氏に遭遇し、話を伺う機会を得た。陶芸家であり岡山県立大学教授である久保田氏は、最も活動的な陶芸家の一人。今回の出展作品は『幾何学文様の青白磁大皿:Pale-blue Glazed Geometric Patterned Platter』で、その文様はは正方形を二つ回転させて重ねたパターンが連続する構造。青白磁は、白い石を原料とした磁器土から作られ、素焼した器に、焼くと青味のでる鉄分をふくんだ釉薬をかけて焼いた作品のことだが、絵柄のように見えるブルーの濃淡は、彩色ではなく凹凸によるもので、削りの深い部分に釉薬(液)がより多く溜まるために濃くなるのだそうだ。考えだしたデザインを紙にデッサンすることは容易だが、青白磁に燃成するのは非常に困難だという。デザイン発想に関して、「日本の学生は自分のアイデアやデザインを開発することが困難。そういう教育を受けてきていない」「観察が創造力の重要なステップ」と話す。

KUBOTA_140718_C-S 久保田教授は渡米中に、西ミシガン大学(Kalamazoo)そしてミシガン大学(Ann Arbor)日本研究センター主催のアートセミナーで講師を務め、「あるがままにものを見る」「創造力の扉を開ける」ことについて教示した。デザインを創造するための指南であるが、そっくり描くことによって右脳が刺激されるそうで、絵画に限らずクリエイティブな発想に繋がるとのこと。試す価値がありそうである。