8月葉月(はづき)となりました。先日テニス仲間と今年のミシガンは夏らしい本当に暑い日がないねと話していたら、先月末週には連日90度Fを超える日があり、アウトドアテニスの辛さと室内冷房の有り難味を再認識しました。

プロ野球では日米ともオールスターのお祭りが済んで後半戦に突入。地元デトロイト・タイガースはさっぱり元気がありません。攻撃陣の核であるカブレラ選手が不在で破壊力がいま一つですが、ブルペンと呼ばれる救援投手陣が全く不甲斐ないですね。先発投手がそこそこ頑張っても後から出て来る中継ぎ投手陣がボロボロです。先発が早々に崩れたりすると出て来る投手が次から次とボコボコに打たれて歯止めが利きません。僅差で味方打線の奮起を待てば挽回・逆転のチャンスもありますが、救援どころか火に油を注いで大敗することが多過ぎます。シーズン開幕直後の勢いでは今年はワールドシリーズ優勝か?と期待を抱かせましたが、今やプレイオフ進出も極めて危ない状況です。まだかなり残り試合数があるのでミラクルカムバック(長嶋元巨人軍監督の名言では「メイクドラマ」)して欲しいものです。日本では、パリーグはソフトバンク・ホークスが独走中。セリーグではヤクルト・スワローズが後半戦スタート奪首(ダッシュ)。それでも首位から最下位まで団子状態が続き、まだまだ終盤までもつれそうです。先月終わったサッカー女子ワールドカップカナダ大会は残念ながらなででしこジャパンの連覇はなりませんでしたが、前評判は決して高くなかった今回のチームも全力を出し切ったと思います。お疲れ様!ゴルフは月初の女子ブリティッシュオープンを皮切りに、男子のワールドゴルフチャンピオンシップ、PGAチャンピオンシップと続き、月末にはフェデックスカップのプレイオフが始まります。テニスでは昨年錦織選手の大活躍で熱狂したUSオープンが月末からスタートします。日本人選手の活躍を願って応援しましょう!

また前書きが長くなってしまいました。本題の『戦後70年に思う』に移ります。

皆さん既にご承知の如く、この8月15日は太平洋戦争終戦70年目に当たります。70年前のこの日、故昭和天皇が終戦の詔勅(しょうちょく)を録音されたいわゆる『玉音

(ぎょくおん)放送』がラジオから流されました。ほとんど全ての日本国民が生まれて初めて陛下の肉声を耳にした日であります。

戦後生まれの私はまだ生まれておらず(当時南方戦線のマレーシアで従軍していたという亡父が復員してからの末子なので、もし父が戦死していたら生まれていませんでした。「その方が良かった」などと言わないで下さい)、もちろんその時のラジオ放送は聴いておりません。

先月たまたま家内が知人からお借りした『私の八月十五日』という本を「新聞原稿のネタになるかもしれないから」と読ませてもらい、思うところあってこれを書いている次第です。

初版は終戦50周年に当たる1995年(平成7年)に刊行されたもので、終戦当時学童疎開中の小学生や勤労中学生だった人、米軍機による空襲下の東京に居残った家族、日本国内および国外で従軍または移住していた人、新聞・雑誌・報道機関で勤務していた人、作家・漫画家・詩人・俳優・芸人・事業家・政治活動家など50人以上の人達がそれぞれ当時の自分の記憶を辿りながら書いた短文集です。私が読んだ本は、最近日本の某テレビ局で取材放送された絵手紙様式のものとは異なり、文章のみのものでしたが・・・

日本が戦争に負けた事を知って悔し泣きした人、陛下のお声を聞いて只々感激した人、辛く苦しい戦争が終わってとにかくホッとした人、これから陛下や日本、そして自分達はどうなるのか?と不安になった人、進駐軍(占領軍)が来たら酷い仕打ちを受けるのではないかと怯えた人、朝鮮、中国、満州、東南アジアなどの従軍・移住先から生きて本国に帰れるかと思った人など、書いた本人とその周りの人達の当時の言動や家庭・地域社会の様子がそれぞれの筆致で描かれていて、どれも大変興味深い内容でした。

私も小学生の頃に戦争当時の事を余り話したがらない亡母から東京大空襲の話を一、二度だけ聞いた覚えがあります。明かりが漏れないように窓や電灯に暗幕を掛けたり、空襲警報が鳴る度に防空壕に逃げ込んだり、爆弾が近くで着弾破裂する衝撃で眼球が飛び出さないように両目を押さえて身を屈めたりと本当に生きた心地のしない日々を送っていたようです。東京も至る所火の海で火勢から逃れようとした大勢の人達の亡骸が川面を上流から流れて来たなど、想像しただけでも身の毛がよだつ話で母が話したがらないのも無理ないと思いました。公衆浴場経営の東京の実家は荒川を挟んで引越し前と引越し後に空襲で2度焼失し、今あるのは3軒目。焼けていなければもう少し財産が残っていたのにという母の愚痴も聞いた覚えがあります。

ともかく今回改めて強く思った事は、「戦争に勝者はない」ということ。戦勝国も敗戦国も国民は全て被害者です。凄まじい破壊による数多の尊い人命および資産の消失、人心と国土の荒廃、文化・芸術の衰退、悲しみと憎しみの連鎖など悪い事ばかりで良い事など一つもない。それが戦争です。

日本の国会では安保法案が衆議院で強行採決され、現在参議院での審議が進行中ですが、賛成・反対のいずれの立場にあっても、戦後派の皆さんも終戦記念日を機に、当時を知っている方のお話を伝え聞いたり、記録写真・映像を見たり、書き物で読むなどして、戦争の恐ろしさ、悲惨さを再認識し、平和への願いを新たにしては如何でしょうか?(合掌、黙祷)

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。