6月に入り今年も既に半分近く過ぎようとしています。短い春が終わり、日々初夏の訪れが強く感じられる時期になりました。プロスポーツの世界でも冬のスポーツであるバスケットボールとアイスホッケーはいよいよ優勝決定戦を残すのみですが、皆さんの上半期の経過はいかがでしょうか?今年の抱負を年始にしっかり決めた人、何となくぼんやりとだけ考えた人、ほとんどあるいは全然考えなかった人、それぞれ立場は違っても皆さん公私共に順調である事を願います。前半は余り良くなかった人も本格的な夏の訪れと共に後半は良くなる事を祈ります。

日本のプロ野球では、先月号でも触れた横浜DeNAベイスターズの快進撃が4月だけの線香花火で終わらず、5月終了時点でも首位を堅持。その勝ち方も逆転勝ちが多く、今年は何か違う本物の匂いがしています。特に横浜ファンと言う訳ではありませんが、いわゆる判官贔屓(ほうがんびいき)で毎年Bクラスが定位置だった弱小球団を応援したくなって来ました。まだまだ先が長いペナントレースなので、6月のセ・パ交流戦、過酷な夏場の連戦や長距離遠征を乗り越えて秋風が吹く頃に順位がどうなっているかですが、たとえリーグ優勝は無理としても、今年はプレイオフのクライマックス・シリーズに出れるといいなと思います。米国のMLBでは、開幕ダッシュを見せた地元タイガースがこのところ自慢の重量打線が湿りがちでパッとしませんが、故障者リストに入っていたエース、バーランダー投手のレギュラー復帰のタイミングに合わせて勢いを盛り返し、再ダッシュして欲しいものです。ついでにテニスのフレンチ・オープン男子シングルスで唯一人勝ち残っている錦織選手も最終日までいけるように応援しています。

さて、今回のテーマは『結果重視かプロセス重視か?』です。

ビジネスやプロスポーツの世界で良く聞かれる言葉に『結果重視』と『プロセス重視』があります。

ビジネスやプロスポーツにおいては、もちろん結果が会社や社員の業績、チームや選手個人の成績であり、評価の対象として極めて大きな要素です。結果が良ければプラスの評価をもらい、報奨や昇給・昇進のチャンスもありますが、結果が悪ければマイナス評価となりチャンスを逃してしまいます。「プロなら結果が全て」などと言われ、往々にして『結果重視』に偏ることがあります。しかしながら、その結果に至るプロセスも極めて重要です。

たとえ良い結果が出たとしても、それが偶然の産物とかたまたま運が良かったのでは多大な評価に値しません。当初定めた目標に対してそれを達成もしくはそれ以上の結果を出すために何をどうするか?そのプロセスが同じく大事な要素です。場合によっては、「プロセスをきちんと企画・設定・実行すれば結果は自ずとついて来る」という理論で『プロセス重視』を唱える人もいます。

卑近な例としては、製造業における生産性アップや不良率低減などがあります。

工場長や製造部長が「もっと生産性を上げろ!」、「不良を減らせ!」といくら声高に叫んでも思い通りに行くものではありません。生産性を上げ、不良率を下げるためにプロセス、即ち製造工程を見直して使用する原材料や構成部品の購入品質を高め、成形性改良や成形・組み付け時間の短縮を実現したり、その投入方法や投入量を最適化したり、製造機械設備・組み付けラインの能力改善、同期化、生産に寄与しない作業者の無駄な動きや待機時間の削減、ロボットや冶工具を使った作業効率化、工程内または定数・定時の抜き取り検査など誰がいつ、何処で何をどうするのか具体的に考え、段取りした上で実行しないと結果は出ません。

スポーツの世界でも、たとえば野球のイチロー選手。シーズン前のキャンプ中やレギュラーシーズン中の球場入り(彼が結構ひどい方向音痴であり、自宅からの運転で

迷って凄く時間が掛かったこともあるのを知って笑えました)から試合前の練習に入るタイミング、練習メニューに従ったウォームアップと実際の練習の段取りなど試合の先発メンバーになるか途中出場になるかの別なく、予め自分で決めた手順=プロセス通りに進めて万全の準備をして常に試合に出れる状態にしておくそうです。そのプロセスが毎年、毎試合の結果に表れ、彼の今日までの数々の偉大な成績、記録に繋がっている訳です。プロセスが大事な理由です。

かといって、プロセスに拘り過ぎる余り肝心の目標を忘れたり、なおざりにして自分の興味本位や自己満足的なプロセス(改善もどき)いじりになっては本末転倒です。

あくまで目標を達成するため、結果を出すためのプロセスでなければなりません。結局のところ、『結果重視かプロセス重視か?』の二者択一ではなく、結果に繋がるプロセス、結果を出せるプロセスという事で両方大事という訳です。

これは学校や家での勉強の仕方や家事の進め方にも言えると思います。学校での授業の聞き方、ノートの取り方、家での予習・復習、宿題の仕方、つまりプロセス次第で授業の理解度・応用力、テストの成績、通信簿や進級・進学のレベルも違って来ます。親が自分の子供に「勉強しなさい!」、「成績を上げなさい!」と叫ぶだけでは結果は出ません。家事も段取りが悪ければ、家に中がいつも散らかって汚い、洗濯物や台所の洗い物がたまって片付かない、綺麗にならないし、料理も数種類同時進行で段取り良くこなして、しかも美味しい出来栄えとはいかなくなります。連携・バランス良く『結果もプロセスも重視』で行きましょう!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。