デトロイト補習授業校高等部では2012年度よりコース制(Aコース「アメリカ大学進学コース」とKコース「帰国受験コース」)を導入し、進路に合わせた科目を選択履修できるようにしています。Aコースに所属する生徒には米国生まれや幼少時に来米した、滞米年数が長く、日本に帰国予定のない生徒が目立ちます。Aコースの必修科目の「実践国語」では、2014年度よりEastern Michigan University (EMU)の日本語学科との共同プロジェクトにてカリキュラム開発を行い、大学進学・就職後にも生かすことのできる実践的な日本語力の向上を目指しています。これは、本校の教育目標である「国際人財育成」を象徴している授業です。2014年度は高1~3までの7名が履修し、ゲストスピーカーのレクチャーを聞き、それをもとにディスカッションをし、各単元の最後には、CM作り、創作文、口頭発表、説明文、などの課題(成果物)を仕上げました。

  3月7日に行われた2014年度の最後の授業では、1年間の学習の集大成となる小論文を作成し、それを披露する「学習発表会」が行われました。発表会には、保護者、教職員、EMU関係者、理事運営委員の他、当日訪問されていた玉川大学教育学部の小林教授も参観され大盛況でした。生徒の作成した小論文は、テーマもユニークな視点で選定され、バラエティに富み、調査や取材によるデータやインタビューなどの具体的な裏付けも盛り込まれており、日本語の文章表現も海外生活の長さを感じさせないほど素晴らしい作品として仕上がっていました。また、生徒の作品はドラフト、英文版とともにパネルに掲示され、それを読んだ参観者に対して、生徒たちが堂々と説明していたのも印象的でした。生徒にとってもこの授業は難しく大変だったものの、将来役に立つと実感できたようです。

  「実践国語」受講者には、日本語能力検定試験1級に合格した生徒もいますし、AP Japanese Test に合格し、大学入学後すぐに語学(または一般教養)の単位として認定された生徒もいます。また、受講者には高校在学中に大学の単位を取得できる「Dual Enrollment」の受講もできるという特典もあります。

  以下に、先述の学習発表会で披露した小論文の内、5人の生徒の作品をご紹介します。 (文責 中高等部教務主任)

*学年の後に掲示してある括弧内の年数は在外生活通算年数

 

アメリカの高校スポーツ

大平 泰暉  高2 (在外生活14年)

  皆さんは、アメリカの高校のスポーツを体験したことがあるだろうか。きっと日本にいる大半の人は「どうせ、こっちと一緒でしょう。」と思っていることだろう。これは日本にいる人が良く勘違いする点でもあり、大きな間違いである。実際にこちらの高校に通い、こちらの高校スポーツを体験した僕から見ても、日本の高校とアメリカの高校のスポーツとでは大きな違いがあると思う。これはスポーツだけでは無く、アメリカと日本の文化の違いにも直結するのではないか。すなわちそれは、シーズン制のことなのだが、このシーズン制は選手を育てるのに理想的なシステムと思われる。

  先ず、アメリカの高校は日本の高校とは違って、新学年が秋にスタートする。そして一年を秋、冬、春に分け、それぞれの季節のスポーツが決まっている。これがシーズン制だ。つまり、日本の高校の様に年間に一種類のスポーツに時間を費やすシステムとは対極で、アメリカの高校は一年を通して様々なスポーツを体験できるシステムになっている。

  では、なぜアメリカはこのようなシーズン制を取り入れているのだろうか。研究によると、これには二つ大きな理由があると考えられる。先ず一つは、「体の骨、関節、筋肉の成長・発達途上の年齢に応じて各種のスポーツをすることにより、体の色々な部分に刺激を与え、体全体に均等な成長を促すこと。そして、様々な運動能力を開発すること。それが、総合的な体力・運動能力となって、将来、ある特定のスポーツに卓越していく基礎になるという考え方である」。そして、二つ目はベースボールマガジン社によると「一種類のみのスポーツ活動に伴う身体発達の不均等、また、幼少時より同じ筋肉ばかりを休みなしに使うことから起こる障害を防ぐことである。野球選手の肘の故障、サッカー選手の膝の故障(使いすぎ症候群)など、特に成長過程にある年齢では、避けなければならない重要な点である」ということである。このように科学的分析を行い、何より選手一人一人の安全を保障した、より効果的なプログラムがアメリカの特徴であり長所だと言える。

アメリカのスポーツにおける文化はシーズン制だけではない。もう一つ、日本と違うところは楽しむことの大切さだ。アメリカでは、試合前にコーチが良く言う言葉は「enjoy and have fun」。これは、そのままの意味で勝敗よりもチーム一丸となって全力を尽くしてゲームを楽しむことが重要だということなのだ。そして、こういうことで選手一人一人に掛かる負担を少しでも和らげているのだ。こういった、勝敗よりもその試合一つ一つを楽しんでチームで勝つというところがアメリカの特徴であり、文化なのではないかと僕は思う。

  多くの資料からも、やはり日本の高校はアメリカの高校と対極的といえる。そして、その大きな違いは二つある。一つ目は、「厳しさ」だ。もちろんアメリカの高校にも厳しい面はあるが、やはり日本の高校の方が断然に厳しい。特に部活に力を入れている学校の練習量は、アメリカの2倍だ。そして、練習の時も常に全力でプレーをする。練習が本番(試合)だと思って皆練習に励んでいる。こうすることで、試合の時でもエラーが少なく、より実戦に近い練習ができると考えられているからだ。学校やその監督、コーチにもよるが、大体の人は試合前に選手にかける言葉は「勝つぞ」や「勝て」などが多い。これも、アメリカと違うところだ。アメリカの場合「試合を楽しむぞ」だったが、日本はそんな甘い言葉は一切かけない。選手一人一人が高い志を持って、常に勝利を狙うことが大事なのだ。二つ目の違いは「個人技」だ。日本はアメリカみたいに、選手全員を育てるのでは無く、能力の高い選手をより伸ばしていくというやり方をしている。例に、サッカーでは日本はあまりチームとしては世界と比べると完成度が低い方だが、個人技は世界からも評価されている。次のワールドカップで優勝するためには、今まで以上のチーム力の強化はもちろんだが、日本の得意な個人技で攻めて行かなければいつまで経っても世界のてっぺんには立てない。しかし、一人の選手に頼りっぱなしが原因でその選手が重傷を負うケースは稀ではない。日本の高校野球では、試合や練習の時でもエースに何球も投げさせる場面が多い。それが原因でプロ入りした後、肩や肘の怪我なので自分本来の実力を発揮できずに終わってしまう選手も少なくはない。日本のスポーツ方針としては、選手一人一人の実力を存分に発揮しつつ、それをチームの力にしていくのが日本の本当の強さである。

  日本の高校とは違って、アメリカの高校では様々なスポーツを体験することで、様々な筋肉やパワーを向上させることが可能になる。それと同時に、その選手の未来を守ることができる。それに対して日本の高校野球では、エースに何球も投げさせて育てるのが日本の伝統である。そして、今でもこのやり方を行っているところも多い。だが、このやり方ではその投手に掛かる負担が大きいため、反動で肩や肘を壊すことが多い。現に、甲子園で活躍した投手がプロ入り後、数か月で故障したケースも良く聞く。いくら甲子園で活躍できたとしても、故障してしまったら元も子もない。大事なのは、自分の好きなスポーツをこれからも続けられる体を維持すること。だから、一つの筋肉だけを使い、その反動で故障してしまうかもしれない日本の方針とは対極のアメリカのシーズン制が理想的な方針だと僕は思う。

海外から見た日本の文化 

川口 璃沙  高1 (在外生活7年)

日本に住んでいると日本が海外にどう映っているのかはわからない。日本は小さな島国だが、数多くの文化が存在する。海外に受け入れられる文化もあれば、どうしても浸透していかないものもある。日本の代表的な文化の一つである和食は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された。全世界に日本のアニメファンがいることについてや、日本で大人気であるアイドルたちが海外でなぜ支持されないのかなど疑問に思ったことはないだろうか。現地に住んでいるとどうしても見落としてしまうものがある。

日本のゲームやアニメは海外でも高く評価されている。ゲームでは「ポケットモンスター」や「マリオブラザーズ」、アニメでは「ドラゴンボール」や「デスノート」などである。

「ポケモン」こと「ポケットモンスター」は10年以上前に発売されたものの、2014年末に新作ゲームを発売したので、今も多くのファンが存在する。「ポケットモンスター」は

なぜ世界中で愛されているのか気になったことはないだろうか。その魅力として挙げられるのがキャラクターの魅力、ピカチュウの存在と「チーム作り」、「助け合い精神」だ。今現在、ポケモンは700匹以上いる。日本のポケモンデザイナーたちは始めの151匹の「ポケモン」をただデザインしたのではなく、グローバルな印象をつけるために育てたという思いがあるのだ。「ポケモン=日本」という印象がないのはそのためであろう。「ポケモン」の映画を見てみるとわかることだが、ピカチュウはいくつもの概念を乗り越えている。つまりは「可愛い」というイメージから「弱い」や「無能」というイメージは連想されない。普通アニメなどではシーズンが終わると主人公も含め、キャラクター全員が変わる。しかし、ポケモンアニメではシーズンが変わっても主人公であるサトシとピカチュウは変わることはない。ポケモンの日本的な要素も海外では高く評価されている。それは「チーム作り」や「助け合い精神」だ。ポケモンのゲームを一度でもプレイしたことのある人ならわかるが、強いパーティー(ポケモンで対戦するときのチーム)作りには弱点を補い合う編成でないと強くはならない。モンスターの交換も相手がいて成立するものだ。その特定のソフトにしか出ない「ポケモン」がいたり、通信交換をすることによって進化する「ポケモン」も数匹いたりするため、ポケモンユーザーは助け合う必要があるのだ。ポケモン映画製作総監督の久保雅一さんはインタビューで「どこへ行っても子どもや親に変わりないんです。外国だからといって、そんなに差があるわけじゃない。子どもたちの好きなものがそこにあり、親たちの安心するものがある。だからワールドワイドでヒットしたんじゃないでしょうか。」と言う。これが日本人には気づかない、世界で受けいれられる「ポケモン」の魅力なのではないだろうか。

  ところで、日本の伝統的な食べ物の一つであるお寿司も、アメリカでも人気がある。日本人にお寿司と言ったら、最初に思い浮かべるのは「握りずし」や「軍艦巻き」だろう。しかし、アメリカ人にお寿司と言ったら彼らが最初に思い浮かべるのはアメリカ流にアレンジされたカリフォルニアロールなどではないだろうか。日本料理にはお寿司の他にも天ぷらやすき焼きなどもある。しかし海外からみた代表的な日本の料理はお寿司なのだ。それには次のような理由があると思われる。1970年代にカリフォルニアに日本料理店をオープンした板前の真下一郎がアメリカ人にも受け入れられるよう、カリフォルニアロールを発明したのだ。アメリカには生魚を食べる習慣がないので、トロに食感が似ているアボカドを使ったり、食感、色、味とともに受け入れにくかった海苔を内側に巻いて目立たなくしたりした。このように寿司はアメリカ流にアレンジすることで成功している。今ではゴジラロールやドラゴンロールなど日本では見たことも聞いたこともないお寿司がアメリカではよく食べられている。

  さて、日本で人気だからと言って海外で人気になるという訳ではない。「どうして日本ではこんなに人気を誇っているAKB48などのアイドル文化がアメリカではウケないのだろう。」と一度は思ったことがあるのではないだろうか。お寿司やアニメのように海外で受け入れらている日本の文化が数々あるなかで、アイドル文化は海外に浸透していかない。日本の音楽が受け入れられないわけではない。原宿系のアイコンとしてよく紹介されるきゃりーぱみゅぱみゅは世界各国で人気の日本人アーティストである。紅白歌合戦に出場したり、世界ツアーを成功させている。一方アイドルがアメリカや他の国々に受け入れられないのはその文化が元々存在しないからではないたろうか。アメリカ人がいうには「アニメは受け入れられるけど、アイドルは強烈過ぎて理解できない」らしいのだ。YouTubeで人気のTeens ReactというシリーズでJ-popのミュージックビデオをアメリカのティーンエイジャーに見せたところ、「AKB48やEXILEのミュージックビデオは変わっている。」「変だ。」という声が多く上がった。宗教的に未成年の性を真剣にとらえるアメリカからすると、未成年が奇妙な衣装を纏い、体を一部露出している姿はポルノのように見えてしまうのだ。そのため、いいイメージが持たれにくい。川島麻央(2014) によると、日本には昔からお座敷遊びという少女の時から女の子の成長を応援する文化が根付いているらしい。アメリカではプロフェッショナルによるエンターテインメントを重要視するためアイドル文化は存在しないということだ。しかし、きゃりーぱみゅぱみゅや初音ミクなどの異質であるが理解を超えた面白いエンタメコンテンツは受け入れやすいのも興味深い。

日本の文化がそのまま世界に受け入れられることは難しいことかもしれない。ただクリエイターたちの思いやその国風にアレンジすることによって世界的にヒットしているものもある。宗教や昔ながらの文化があるため受け入れられないこともあるが、全ての日本文化を世界に認めてもらう必要はない。日本の文化がさらに発展していくところを日本人として興味深く見ていきたいものだ。

留学生の増加について

丹羽 芽唯  高3 (在外生活16年)

  私は去年の9月からミシガン州立大学で大学生活を始めた。高校で思っていたより全然違って、驚いたこともたくさんあった。例えば、学ぶことの姿勢が一つである。高校では先生に与えられた課題をやり、それだけ勉強すればテストでいい成績をとることができた。大学でも先生に与えられた課題もやるが、それ以外の勉強もたくさんしないといけない。自分で学んだり、自分で積極的に授業に取り組んだりしないといけない。二つ目は、時間の自由さ。高校では、1日7時間週5日という決まりがあるが、大学では自分に合う時間帯に授業を受けることができるので、時間に余裕がある。また、大学でもっとも気付いたことは、留学生の数である。なぜ彼らはわざわざアメリカまで留学するのであろうか。

  留学の受け入れ先として、アメリカが20年間トップの位置に座している。また、留学生数を各国ごとに比べると年々変動していることがわかる。ミシガン州立大学の学生数の15パーセントは留学生である。この1年間で留学生は8.5パーセント増加し、7000人を超えた。キャンパス内を歩くと、周りにはさまざまな国々からの人を見かける。ビジネスなど、英語と関係ない授業にもたくさんの外国人がいるので、英語を習う目的で留学していないようだ。このように、多くの留学生は私たちのように正規の学生である。外国留学生のほとんどは中国人やアラビア系である。しかし、日本人留学生はキャンパス内や教室内であまり見当たらない。それは多くの日本人留学生は短期間しかアメリカに留学しないので、出会う機会があまりないからである。ミシガン州立大学に留学する日本人のほとんどは英語に関連する専攻である。ビジネス系や理系の専攻の生徒は数少ない。

  日本の留学生数は2005年から2012年にかけて、4パーセントも減少した。日本は2005年を境に留学生数は年々減少しているが、経済成長の著しい中国やインドの

留学生数は明らかに増加している。中国の留学生数の増加の背景としては、経済成長から中流家庭の家庭が増えていて、教育に力を注ぐ親が増えてきたことが考えられる。多くの中国人の家庭は子供をアメリカに移住させ、アメリカで教育を受けさせている。しかし、日本の場合を見てみると、減少傾向にある。理由としては、日本の教育機関の留学の体制が整っていないことなどがある。最近日本の政府は高等教育をグローバル化しようとしており、海外から留学生を受けいれる動きも見せている。

  ミシガン州立大学で、ある中国人留学生にインタービューをしてみた。アメリカでの経験を重ねて、今はどう思うか聞いてみた。彼はワング・ケビンという広告専攻の大学3年生である。彼は16歳のときに親から離れて、中国からアメリカに来た。大切な時間を有効に使いたいので、アメリカの高校と大学に通い始めた。ワングさんによると、中国での高校や大学では机に向かって勉強するだけなのでつまらないが、アメリカでは授業に取り組みながら勉強できるので中国より楽しいそうだ。アメリカにきたはじめの数週間は楽しかったそうだ。しかし、数か月が経ち、ピザやハンバーグばかり食べてることが多くなってからホームシックになり始めたそうだ。人生で初めての一人暮らしだったので不安が多かったそうだが、親や友達に頻繁にテレビ電話で連絡を取り

始めたので、安心し始めた。今は、アメリカの方が住みやすくなったそうだ。アメリカ以外の国に留学しないことが正解だったということだ。アメリカに来ることはアメリカの文化だけではなく、世界各国の文化も知ることができるので素晴らしい国だと言っていた。卒業後はアメリカで就職すると決めている。自分自身があのまま中国に居続けていたらできなかったであろうことに挑戦した。それは他の文化を理解したり、英語を習ったりすることによって他の国々の人と意見を話し合うことができることにつながる。アメリカで仕事をしてここで教わったことを生かしながら、こちらの人々と働きたい。それを達成するまでアメリカに残ろうと思っているそうだ。しかし、最終的には中国に帰国して、アメリカでの経験を活かしながら家族を支えたいとのことだ。

  他の留学生も同じような意見を持っていた。最初はアメリカに留学するのが不安だったが、母国にいる家族や友達、アメリカで知り合った人の支えによって安心して勉強することができた。一人ひとり違う環境からアメリカまで留学しにきたが、目的は同じであった。それは、留学することによってさまざまな価値観にふれ、自分の視野を広げることである。苦労はするが、将来いい仕事ができるようにアメリカまできて勉強しているのではないか。母国にいる同級生よりいい仕事に就くことができることもあるだろう。それによって、中国やインドの親は子供の教育に力を注いで、留学させようとしている。しかし、自分の意思でアメリカまで留学する人も多い。彼らは自分の将来をみるだけではなく、これからの世界のグローバル社会の動向をみながら母国から離れて留学しているのである。

音楽業界の新しい時代到来 

古山 真琳   高1 (在外生活 9年)

私は毎日音楽をインターネットやダウンロードで楽しんでいる。一方で、1997年から

2011年の間に世界中のCDの売り上げは3分の1に減少した。その原因と思われているのは、新しいテクノロジーだ。音楽を聴く方法はCD以外にも沢山できるようになった。そのテクノロジーの使用に賛成しているアーティストもいるが、反対しているアーティストもいる。なぜ賛成しているか、なぜ反対しているか、の理由を知るために調べることにした。

  一番初めに人気になった、音楽をダウンロードできるサイトはNapsterだった。Napsterはファイル共有ソフトで、他の人のハードドライブの中のmp3音楽を聞くことができる。違法なサイトにもかかわらず、Napsterがリリースされた初めの年には2千万人の利用者を集めた。この急な人気の高まりを恐れたアメリカレコード協会は著作権侵害を理由に訴えた。また、Napsterが始まった年からレコードの売り上げは減少し、それを見たアメリカレコード協会はNapsterの利用者を訴え始めた。そして、2001年に、裁判は著作権違反でNapsterを48時間以内に停止するように命令した。数年後サイトの制作者はまた新しい音楽ソフトをリリースする予定だったが、そのころには合法のサイトが人気になり始めていた。

  その合法のサイトとはiTunesやSpotifyやYoutubeなどである。iTunesは2003年の

4月28日にリリースされた。iTunesとiPodのコンビネーションによって利用者は簡単に楽曲を買って、場所に関係なく音楽を聞けるようになった。また、店とは違って、有名な歌手も有名ではない歌手も同じだけサイトの場所を使えた。ただ、一曲ずつ安く売るようになったためアルバムではなく好きな曲だけを買うようになり、聞く人は増えても音楽業界の売り上げは伸びなかった。けれど、便利なものを作ったため、違法なダウンロードの数は減った。Spotifyは最近とても人気がでている音楽のストリーム配信サイトである。今は58か国の人々が使えて、5千万人の利用者のうち、1250万人は会費を払っている。このサイトでは利用者が選ぶ音楽から有名ではない歌手を見つけることができる。他のデジタル音楽サイトと同じように、収益の支払い方法は議論が分かれている。Youtubeはビデオのストリーム配信サイトである。このサイトではビデオを見るだけではなく自分がビデオをサイトに載せることもでき、利用者はミュージックビデオを無制限に見ることができるのだ。Youtubeの収益はほとんど広告から得られるので、莫大な収益を得るためには今よりもさらに多くの利用者が必要である。

  Spotify、Youtube、iTunesの問題はアーティストへの支払い方法である。この問題は最近主要なアーティストがSpotifyの印税の支払い方法に苦情を言うことによって改めて注目を浴びた。この負の注目のため、Spotifyは支払い方法をインターネットに載せた。それには、アーティストに20億ドル以上印税として払い、2013年には5億ドル支払ったと書いてある。Spotifyの利益の70%は音楽の権利者に、人気の度合いに応じて分配される。権利者というのはレコード会社の場合が多いが、アーティストが時々権利者のこともある。お金は直接権利者に渡されるため、アーティストに渡されるまでにはかなりの額が差し引かれている。また、Spotifyには100万回歌が聞かれた時の印税をビデオ音楽のストリームサイト(Youtube)やラジオのストリームサイト(Pandora)と比べている表もある。Spotifyには5,000万人の利用者、Youtubeは10億人、Pandoraは5億7,500万人の利用者がいる。Spotifyは他のストリームサイトより使用者は少ないが、印税を2倍以上払っているらしい。今からSpotifyの利用者がもっと増えると、アーティストに払われる印税も増えることが期待できる。

  Spotifyのやり方に反対しているアーティストのうち、もっとも有名なのがテイラー・スイフトだ。テイラー・スイフトはビルボードで人気アーティスト4位だが、そのスイフトが、「アルバム売り上げの減少の大きな原因はストリームサイト、特にSpotifyだ。」とウォールストリートジャーナルに書いた。利用者は会員料金を払わなくても音楽を聞けるため、Spotifyはアーティストの作品に値をつけていないと主張した。しかしSpotifyは多額の印税を払っているのである。Spotifyはスイフトの音楽の権利者ユニバーサルに200万ドルを払っているが、スイフトのレコード会社であるビッグマシーンに渡す前にいくらか差し引かれ、またレコード会社がスイフトに渡す前にさらにいくらか差し引かれる。そのためアーティスト本人の手元には少ししか渡されていない。他のアーティスト、Justin Moore, Brantely Gilbert, Jason Aldean, Garth Brooks, AC/DC, Led Zeppelin,やBob SegerなどはSpotifyに反対しているため、音楽をサイトから外したり、はじめから載せなかったりした。

  Spotifyを反対するアーティストもいるけれど、SpotifyやiTunesなどのデジタルダウンロードやストリームのサイトを支持するアーティストもいる。その一人は、テイラー・スイフトの親友、そしてグラミー賞の最優秀アルバム賞に指名された、歌手・作詞家のエド・シーランである。シーランは世界中に自分の名前が広まった理由をSpotifyやiTunesなどのおかげだと言っている。シーランの歌を大勢の人々にストリームすると、その聞き手がコンサートのチケットを買う可能性が高まる。シーランはライブをするのが一番の楽しみだから、チケットの売り上げ枚数を増やしたいと言っている。エド・シーランなどのSpotifyの支持者はテイラー・スイフトと違ってCDの時代には有名ではなかった。そのCDの時代を経験していたら、かれも意見が変わっていたかもしれない。

  SpotifyやiTunesやYoutubeなどについては色々な意見がある。ただ、音楽には確かに新しい時代が来ている。他のテクノロジー同様によい面と悪い面があるが、それを受け入れて行かなければならない時代が来ているのだと私は思う。

ごみ問題

渡邊 桃子  高3 (在外生活15年)

  最近の一般人はあまりごみについては詳しくない。イメージとしては、ごみは収集トラックにより運ばれ、長時間積み重なり、やがて子供たちが遊べる公園になる印象。ごみが新しい土地作りにつながるのであれば、真剣に考える必要はないと思っているのではないだろうか。これは実は、人間が都合よく作り上げた妄想である。表面からみるとただの新しくてきれいな土地や空港かもしれないが、その段階までにどれほど地球を汚染してきたかを人はよく把握していないままごみを捨てているのだ。大量の廃棄物の問題は確実に今、解決しなければならない問題だ。しかし、ほかの環境問題のように、ごみ問題も簡単に解決する方法はない。世界の人口が増えつつあるなか、どう排出量を減らせばいいのか。日本やアメリカのような先進国が大量のごみをだしていることはどうにかしなくてはならない。アメリカと日本はごみ問題をどうみてきて、どう対策をしてきたかをみていく必要があるのではないか。本論では、ごみ問題の解決に向かうには、どのような手段をとらなくてはいけないのかをみていくことにする。

  まず、ごみのどこが問題なのかを考えたい。世界の中で、一人当たりのごみの燃却量は日本がダントツの一位。二位、三位、の180キロと100キロと比べ、日本はそのほぼ二倍の320キロ。アメリカは一人当たりの焼却量は日本ほど多くないが、ごみの排出量は世界一の22億トンで、その半分近くが埋められている。

  いずれにしても環境に害を与えることになる。現在、廃棄物の量の中で、焼却灰が全体のなかでも一番を占めている。塩素系の成分をふくむ物質や製品を燃やすときに、ダイオキシンという化学物質が発生する。以前、ダイオキシンがふくまれている枯葉剤がまかられたことで奇形児が生まれることもあった。ダイオキシンは体内では分解しないので、魚や肉を食べるときにたまってしまうと体に危害を与えることになる。その焼却灰を埋めるときにも、土地が汚染される。体に有害なものが地下水や井戸水などに入ると、その地域の住民ががんになる可能性もある。ごみを大量に排出することは環境だけではなく健康にも害を与えるため、いま解決しなくてはいけない問題なのだ。

  また、アメリカの「もの」に対しての見方が日本などの国とは根本的に違うため、ごみ問題は解決に向かうことができないのではないか。その違いはアメリカの現状や歴史によって生じるものだ。アメリカは比較的に新しい国であり、最初の100年以上は大西洋側から太平洋側に拡大するとともに発展してきた。世界大戦後も影響力を広めるために努力していき、いまも国際社会で相当な力を振り回している。広い土地を持つアメリカは、資源がとても豊富で、企業も充実していて、その商品を売ることにも困っていない。不足な部分があるときは、軍事力を使うなどをし、どんな手段を使ってでも突き進んできた。それに比べ、日本は2千年以上を越える歴史の間ほぼ日本列島の中で満足してきた。明治維新がおこり、第二次世界大戦で唯一他国を占領したときはアメリカなどの列強に止められた。日本は始めから限られた資源の中で生きてきたが、そのため、日本では節約をとくに意識してきた。衝動買いや大量買いはなるべくさけて、ご飯は一粒でも残すと神様の逆鱗にふれると子供は教わってきた。

  では、アメリカと日本はこれまでどのような対策を行ってきたか。アメリカでは各教室にリサイクル箱置き、毎週、ごみの収集とともにリサイクルの箱をドライブウェイに置く。「Reuse, Reduce, Recycle」と唱えて再使用、削減、リサイクルの大切さを子供たちに教える。しかし、このような活動は実際、どこまで効果的なのか。いくらリサイクルしても大量買いを続けていけば効果は最小限に過ぎない。アメリカではリサイクルや節約や消費削減はただの選択肢としかみられていない。いまアメリカにある、「地球を愛する人達のためのリサイクル」という考え方を変えなくてはいけないのではないか。節約や消費削減は日本では習慣になっている。ごみを分別することは法律で定められており、していない人を見ると、逮捕までにはいかなくても常識から外れていると人は思う。牛乳パックを飲み尽くした後は洗って切って干してリサイクルすることは消費者の義務だと承知している。買い物袋を買わなくてはいけないことも多少文句があっても、これもごみを減らすためには負わなくてはいけない責任だと意識している。アメリカも、「やろうか」「やらなくてもいいか」の以前に「やらなくてはいけない」と把握しなければごみ問題は解決できないだろう。

  裕福な生活をおくっているわたしたちは削減や再利用の習慣をつくれないのは、余裕があるからではないのか。資本主義社会に住むわたしたちに責任を持たせたいのであれば、消費者にとっての「利益」を作らなければならない。アメリカはこのコンセプトをよく使っている。例えば、アメリカではデポジット制が活用されている。カンやペットボトルなどリサイクルできる商品を買うとき一定のデポジットを払い、その空き缶を店に返すとデポジットが戻ってくるという仕組みだ。少し面倒だと思うかもしれないが、しないと損になるとわかると人は真剣に動き始める。冷蔵庫なども処理場に持っていくとデポジットの分が戻ってくる。日本では逆に、処理代として4千円をとられるため、不法投棄が増えてしまっている。日本では意識があるとしても、経済的には人をどう行動させられるのかをさらに考える必要がある。

  人がより活発に、自主的にごみ対策に取り組むには、政府や企業の助けによりリサイクルや分別を習慣とする社会を築かなくてはならない。環境問題を考えるときによくあることは「実際に影響を及ぼすのはまだ遠い未来だから・・・」「わたし一人がごみを減らしても効果は限られている・・・」と信じ込むことだ。しかし、それは「だるさ」の言い訳でしかないのではないか。本当に環境汚染はこのまま続いていくことに危機感を持っているのであれば、いま、自分ができる範囲で行動するべきではないだろうか。

  • 参考文献(掲載順)
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  • “きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲はなぜ海外でもウケる? 音階と歌詞に込められたテクニックとは.” ライブドアニュース. Ed. リアルサウンド. ライブドアニュース, 30 Dec. 2013. Web. 18 Jan. 2015. http://news.livedoor.com/article/detail/8392792/
  • 「留学生の増加について」 – 丹羽 芽唯
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