5月=皐月(この漢字の方が趣がありますね)となってミシガンにもようやく本格的な春がやって来ました。4月末週には所によって雪がちらつくような寒の戻りがありましたが、4月の雪もミシガンでは珍しい事ではなく、長年住んでいると「ああ、またか」と言った感じです。春爛漫の日本ではゴールデン・ウィーク明けに新入生、新入社員の5月病が顕在化する要注意時期でもありますね。では、スポーツの話題を少々。

日本のプロ野球は開幕一ヶ月を過ぎて今年もかなり予想外の様相を呈しています。セ・パ両リーグとも今年は優勝候補の一角として挙げられている広島東洋カープとオリックス・バッファローズがどちらも最下位に沈んでおります。カープは投手陣が頑張っているのに打てない、点が取れないで僅差の負け試合が多く、大型補強で期待されていたオリックスはシーズン当初から故障者続出。構想通りのレギュラーメンバーが揃わず大苦戦中。一方、セリーグで毎年Bグループだった横浜DeNAベイスターズが4月末時点でヤクルトスワローズと並んで同率2位、一時は首位にもなって話題となりました。MLBでは地元タイガースが開幕ダッシュで好調でしたが、その後はややペースダウン。昨年ワールドシリーズまで進出し、後1勝で世界チャンピオンを逃したカンサスシティー・ロイヤルズが確かな自信を付けて今年もディビジョンの首位を争う手強いチームとなっています。バスケットボールではピストンズがプレイオフ進出ならず、アイスホッケーのプレイオフではレッドウィングスが早々に敗退してしまい、タイガースにはシーズン最後まで是非とも頑張って欲しいですね。

さて、今回のテーマは『自責と他責、自幸と他幸』です。

前者の自責と他責については、結構目にする機会があると思いますが、後者はまたまた聞き慣れない言葉でしょうか?そうでしょうね。私が勝手に考えた言葉で辞書にも(今のところ)出ていません。

自責とは、何か問題または不具合・不都合な事態が起きた時にその原因や対応処理を自分の責任とすること、ですね。逆に他責とはそれを他人の所為にすることです。本来自責であるべき事を他責にする事例や人が多くなったという愚痴や嘆きを時々見聞きしますよね。

「自責の念に駆られる」という表現がありますが、どうも最近では陳腐化して死語となりつつあるようで、巷(ちまた)では自由と権利をかざして、自責の対象を他責だともの言う輩が多い気がします。その最たるものが政界と政治家ですが、他にも投資家を甘い言葉で勧誘する金融投資会社と金融商品を扱うファイナンシャルアドバイザー、社内や組織内で罪をなすり合い、足を引っ張り合う企業や団体の経営幹部と社員達、学校やコミュニティーで自分のミスを他人の所為にする学生・生徒やモンスターペアレンツ、モンスタークレーマー、地域住民・隣人達。家庭内・家族間でもあるかもしれないですね。

基本は他人の所為にする前に、先ず謙虚に自分に落ち度はなかったか、悪い所はなかったか?と自問自答してみることが重要です。それを抜きにして、いきなり他人の所為にしたり、他の要素が原因だと非難や言い訳をするから揉めるのです。

自幸と他幸も似たような性格のものですが、自分自身の利益、満足、喜び、ひいては幸せのために何かをするか、他人のそれのためにするかの違いです。心理学的には、他人の役に立つ喜びに繋がる後者の方が次元が高く究極的な喜びと幸福感が得られると分析されています。「自分さえ良ければ」とか「自分の事だけで精一杯」の考えや状況では、とても実現不可能なレベルですね。電車やバスの中で老人や幼児、妊婦、ハンデキャップのある方に席を譲る、出入り口のドアを後に続く人や反対方向から来る人のために開け支えて待つ、落し物・忘れ物を届ける、災害の被災地や被害者、恵まれない人達に支援ボランティアをしたり募金、義捐金を送るなど日常の些細な事から紛争解決・平和維持運動、貧困・飢餓絶滅運動、地球や自然、動植物、天然資源を守る保護・保全活動など大きな規模の活動まで各種各様です。

小さな親切のつもりが、相手に大きなお世話と取られては折角の好意が台無しとなり元も子もありませんが、相手に喜んでもらえなかった時に「折角何々してあげたの
に・・・」と後悔したり恨んだりするような安易な自己満足の追及に陥らないように
相手が本当に困っている事やして欲しい事で助けの手を差し伸べる気構えが肝要です。同じ行為でも相手とその時の状況により、喜んでもらえたり迷惑がられたりと反応が異なる可能性は十分にあります。この点は決まり切った公式や定理はありませんので、ケース・バイ・ケースで対応するしかありません。

自責の対象を他責とせず、自幸だけでなく他幸を目指して行動すれば、昨今の世知辛い世の中も多少は明るく住みやすいものになると思います。私自身も過去を振り返って「自責の念に駆られながら」大いに反省し、再発防止と共に更に一歩踏み込んで少しでも他幸の実現に貢献出来るように努力して行きたいと思います。

皆さんも会社や職場、学校や家庭などそれぞれの立場、環境で今何が出来るか一度考えられては如何でしょうか?あなたの心の中と周りできっと何かが変わりますよ。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。