4月、日本では国や学校、多くの企業で新年度の始まりです。米国に長く住んでいると今ひとつピンと来ませんが、日系企業にお勤めの方は日本本社の前年度決算および新年度の予算・事業計画のスタート、人事異動、新入社員入社などが続いて一つの大きな節目になるのではないでしょうか。先月末の週末には日本で一足早くプロ野球がセ・パ両リーグ同時に開幕しました。その1週前の春分の日には中部地方で桜の開花宣言がありましたが、当地米国では三つの異なる宇宙・天体関連事象が同時に発生した特異日でありました。一つ目はもちろん春分の日で、米国東部時間では3/20(金)午後6時45分に公式に春となりました。(当日ボストン、ニューヨークなどでは何と3インチ以上も雪が降り、冬の始まりの如き日でしたが)二つ目は月が公転軌道上地球に最も近付き普段より大きく見えるスーパームーンであったこと。残念ながら当日は満月とは真逆の新月であったため、綺麗なまん丸のお月さんは拝めませんでした。三つ目は限られた場所で皆既日食や部分日食が見られたこと。普段より月が大きかった分だけ太陽も隠れやすかったようです。ニュースでは余り大々的に取り上げていませんでしたが、滅多にない出来事でした。本号が発行される頃には通称マーチ・マッドネスと呼ばれるカレッジ・バスケットボール全米選手権の覇者が決まり、続けてMLBの開幕を迎えていることでしょう。地元タイガースの今年の成績はどうなるでしょうか?アイスホッケーでプレイオフ進出が確実なレッドウィングスと合わせてデトロイトが元気になるように応援しましょう。

さて、今回のテーマは『夏時間と睡眠時間、あれこれ』です。

米国では先月第2週の週末土曜日の深夜2時過ぎから夏時間が始まりましたが、皆さんは機械的な時計の針や表示変更・調整だけでなく、体内時計という生物学的、生理学的調整もスムーズに行きましたでしょうか?わずか1時間の差ですが、自分自身の経験では調整がすんなり上手く行く時となかなか上手く出来ない時があります。日本からの駐在・出向者の方で初めて夏時間を経験される方は余計に戸惑う事もあるのではないでしょうか?特に出張中に時差変更があったりすると飛行機の発着時間や客先との面談アポ時刻で混乱したり、慌てたりすることもあり得ますね。

米国内でも夏時間の善悪および要否については政界、エネルギー関連業界、一般国民の間で様々な議論があり、現にミシガン州では議会で夏時間廃止の法案を審議出来る様に署名集めの動きがあるとのニュースが先日ラジオで流れていました。

元々エネルギー節減の狙いがあったのに、実績的にほとんど節約になっていないとか、夏時間移行直後の数週間は朝早く暗い内から登校やスクールバス待ちする学生達の安全と健康が憂慮されるとか、時間の切り替えで人々のストレスが増え、交通事故や脳卒中、心臓発作の比率も上がる傾向があるとの事で、テキサス州他でも同様の動きがあるようです。もし廃止される場合は、全米で同時に実施となればいいですが、ニュースでは州単位どころか郡単位の選択・決定になる可能性があるとのこと。もしそんな事になったら、同じ州内でも郡ごとに時間がバラバラなどという別の混乱で大変な事態になってしまうので、絶対にやめて欲しいですね。

州や地方の自治権、自由裁量権を尊重する米国の文化と国民性は良い面もありますが、悪い面が出過ぎるとUnitedではなくDivided States of Americaになって、国家としてのまとまりがなくなってしまいますね。

就寝時刻と起床時間が変わるため睡眠の時間と質にも影響し、肉体的ならびに精神的ストレスを与える夏時間システムと多少なりとも関連があるかもしれませんが、最近公表された別の研究調査レポートによると、成人で1日に8時間以上眠る人は脳卒中になる確率が最も高くなるそうです。6~7時間が最も確率が低く、6時間未満の寝不足でも確率がやや高くなるそうです。私自身は睡眠時間が8時間以上になる事はほとんど全くと言う程ないので、確率的には低いですが、逆に6時間未満の睡眠時間の方が問題ですね。

20代前半の頃は休日に特に予定がなければ昼過ぎまで寝ていて、日が短い冬の時期には起きて朝昼兼用の食事をした後ちょっと洗濯してたら、早日が傾いて辺りが薄暗くなり始めており、「もうそろそろ寝る時間か。何と短い一日なんだ」と思う事が時々ありましたが、今では夢のまた夢の贅沢です。

良質で適正な時間の睡眠はその日の出来事を整理・整頓して脳に記憶し、免疫力を高め、体の各部位の組織細胞の再生・置換を促し、翌日を元気に迎えるためのエネルギーを再生・蓄積する毎日の健康な生活を支える基本中の基本であります。仕事で残業や出張、休日出勤続きとか、試験勉強または単に遊び過ぎ、あるいは家族や家庭、はたまた恋の悩みなど理由はともあれ、これを疎かにすると公私の別なく日々の生活(所謂QOL=生活の質)に支障が生じます。

皆さん、眠れぬ夜を過ごすよりも明日のために良い睡眠を!

おっと、そう言う私は時計の針が午前3時半になろうとしています。

では皆さん、お休みなさい。

 

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。