初めに先月号の本欄拙稿中に誤記がありましたので、訂正とお詫びを致します。該当箇所は、フェデラー選手の年齢に関する「40歳にならんとする今も・・」の一文で、本来は「33歳になった今も・・」が正しい内容でした。読者の皆様、本紙関係者の皆様、当のフェデラー選手に心よりお詫び致します。

毎回記載内容の正確性については十分注意を払い、記憶上かなり自信のある事柄であっても裏付け、確認作業を怠らないようにして来たつもりですが、先回は同選手の生年月日を含む信頼性の高い関連記事を閲覧したにも拘らず、誤記を生じてしまいました。別スポーツのベテラン選手と何故か混同してしまったようです。複数回にわたる脱稿前の読み直し、印刷入稿前の最終確認作業でも迂闊にも見逃してしまい、大いに反省しております。以後再発防止に努めますので、平にご容赦願います。今月は前書きを短く、お詫びの言葉で埋めてしまった形です。

さて、今回の本題は「2014年『午年』を顧みて」です。

今年の十大(重大)ニュースではありませんが、午年の一年を振り返ってみますと、1月には国際テログループのアルカイーダ武装勢力がイラク中部まで侵攻・占拠と年明け早々不穏なニュースで始まり、中旬にはタイで大規模な反政府デモが続きました。1月末には理化学研究所から新たな万能細胞としてSTAP細胞生成に成功との発表があり、主担当であった女性が女性の能力活用、地位向上の具体例としてメディアに持てはやされ、連日のように紙面と画面を賑わしましたが、その後開発経過の記録・サンプル保管、再現性などの信憑性が疑われ、一転してメディアの集中砲火を受けて炎上し、正式にはSTAP細胞の生成成功の事実ならびにその存在すら否定されてしまいました。読者、視聴者の人気取りに走るマスメディアのいい加減な部分と、手のひらを返したように袋叩きにする冷たい仕打ちに走る恐ろしさの両方を垣間見た次第です。本紙は大丈夫です。(笑)

スポーツでは、日米間で新たに合意したポスティング制度の下で1月にニューヨーク・ヤンキースと契約、移籍した田中投手が、4月のシーズン開幕から前半戦は一部の不安の声を封じる見事な活躍で新人王、MVP候補かと騒がれましたが、オールスター直前に右肘の故障が見つかり、その後は治療に専念したためシーズン終了間際2度のテスト登板だけで終わりました。他の日本人選手と共に、来期は是非シーズンを通しての活躍に期待しましょう。

2月にはロシアのソチで冬季オリンピック開催。中でも記憶に残ったのは、スキー・ジャンプ競技の男子ラージヒル団体で日本チームが銅メダル、同個人で葛西選手が銀メダルを獲得し、長野冬季五輪以来の強い『日の丸飛行隊』復活、当時41歳(確認済みです)のレジェンド誕生となりました。また、男子フィギュアスケートでは当時弱冠19歳の羽生選手が堂々の金メダル。女子フィギュアスケートの浅田選手は、初日ショートプログラムのつまづきで惜しくもメダル獲得ならずでしたが、失意を乗り越えて望んだ2日目のフリーで完璧な演技を披露し、スケート界のレジェンド、ライバル、後輩、観客、テレビ視聴者など多くの人達に金メダル以上の感動を与えてくれました。お疲れ様。感動をありがとう!

今夏の話題は、何と言っても世界中を巻き込んで6月中旬から1ヶ月間ブラジルで開催されたサッカー・ワールドカップ。期待が大きかった日本代表はグループ・リーグ敗退で、大変残念でした。その後の決勝トーナメントでベスト8、ベスト4に残ったのはやはり伝統と実力のあるチームで、まだまだ世界の壁、世界との差を感じたものです。日本チームが以前より進歩・成長しても、その間に他のチームも同じかそれ以上に進歩・成長しているため、他より早く、大きく進歩・成長しないと追いつく事さえ出来ません。それを改めて認識させられた大会でした。ネバー・ギブアップ!来年1月のアジア大会に向けて、頑張れサムライブルー、ファイト!!

今年後半も日米国内、海外ともデング熱、エボラ出血熱、御嶽山噴火、広島の豪雨・洪水、ISISの勢力拡大・反対派住民・人質の連続殺傷、スペース試験飛行機の爆発・墜落、ミズーリ州での警官による黒人青年射殺事件を発端とした人種差別問題再燃と全米における抗議行動、またまた起きた数件の学校内銃乱射事件、更に先月、今月と米国中間選挙での民主党大敗と共和党の上下院過半数獲得、それに続く議会を無視したオバマ大統領の不法移民取締りに関する大統領命令、日本で突然の衆議院解散、師走選挙など色々な事件・事故、話題があり、現在進行中のものもあります。前ブッシュ政権同様にレイム・ダック(死に体)状態となったオバマ政権の残り2年を切った執務期間中、国家としての米国の国際的威厳の維持および内政における価値ある政策の実施がますます困難になりそうです。日本もアベノミクス3本の矢、黒田日銀総裁による金融緩和策バズーカ第2弾後円安・株高が続いていますが、平均給与は上がらず、消費税率アップ、輸入品価格上昇、国民生産高・国内消費・輸出伸び悩みの多重苦で一般庶民の生活は一向に楽にならず、有効な次の一手を模索中です。

そのような中で年初から一年を通して明るい話題、感動と夢を提供してくれたのはやはり、テニスの錦織選手。先月ロンドンであったATPワールド・ツアー最終戦で初出場ながらベスト4に残ったのは立派の一言。準決勝でもそれまで予選リーグ3試合で1セットも落としていなかった世界ランク#1のジョコビッチ選手から1セットを奪い、一瞬でも「ひょっとして」と期待を抱かせてくれました。ファイナルセットこそ経験と実力の差を見せ付けられてしまいましたが、錦織選手は試合後のコメントで「改善点が見つかった。また練習する」と極めて前向き。日本で先月大好物のノドグロを食べて一休みし、今月からはまた米国に戻って練習開始とのこと。

これからは自分より上位ランクのプレーヤーにはより警戒され、下位ランクのプレーヤーからはボーナスポイント獲得のターゲットとして狙われる立場になるので、上下からの板ばさみで今までのように上だけ見ていれば良い状況ではなくなりますが、彼らしく常にポジティブな考えと上昇志向を続けて更なる飛躍を遂げて欲しいものです。新年早々1月のオーストラリアオープンでの活躍にも期待をしない訳にはいきません。皆さんも是非応援してやって下さい。

Go, Kei! You can do it!!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。