<!--:en-->中島和子トロント大学名誉教授による講演会「グローバル人材育成と バイリンガル教育」<!--:--><!--:ja-->中島和子トロント大学名誉教授による講演会「グローバル人材育成と バイリンガル教育」<!--:-->

  去る10月4日(土)、デトロイトりんご会補習授業校にて、表題の特別講演会が催された。

  講演者である中島和子先生は、言語教育分野での多岐にわたる研究で知られ、特に日本のバイリンガル教育研究の権威である。現在トロント補習授業校の高等部校長を務めている。

  今回の講演会は、りんご会補習授業校が昨年度新たに加えた設置目的である“将来、日本と国際社会をリードできる人材を育成する教育を提供すること”の実現に向けて、保護者にできること・すべきこと、また補習校としてやれることについて学ぶ機会となった。中島先生御自身が北京の日本人学校で学校教育をスタートし、御子息を日本国外で育て補習校に通わせていたとの自己紹介があり、長年の研究と経験に基いた講話に、保護者は真剣な面持ちで聞き入っていた。

  講演の前半は、在外教育施設のひとつである補習校の歴史的経緯と現状、また、グローバル人材の定義と国の施策、グローバル型学習のポイントなどを多数のデータを示して解説。後半は、バイリンガル教育の留意点について、実例を挙げて教示した。

  以下、講話の一部を紹介させていただく。

  補習校は1958年に米国ワシントンDCに初めて設立され、帰国後の同化という面が重視されてきたが、1980年代後半になってようやく「国際人の卵」として帰国生が認識されるようになり、2000年代に「グローバル人材」として注目され始めた。とはいえ、「日本語の支援が要る子」として、1990年代以降に増加した日本滞在外国人の子どもと同様に対処されてきた感があり、また、近年文科省が進める事業として、海外からの留学生の獲得(2020年を目処に30万人)や国際バカロレア資格取得可能なプログラムの拡充などが推進されているが、海外で育つ子供はその視野に入っていないことに言及した。ある識者が「これからの日本に必要なグローバル人材の芽は海外でたくましく育っている」と声を発した一方で、文科省の見解は、グローバル人材とは、語学力、コミュニケーション能力、協調性など掲げつつ“日本人としてのアイデンティティ”を欠かせないものに挙げていることなど、現状が伝えられた。

  グローバル型学習では、探究的、協働的、(教科別ではなく)総合的・横断的であり、発表力が重視される。複数言語や言語交差の使用の利点を示した上で、“両言語のリソースをフルに活用することで力をつけよう”というのが最近のバイリンガル教育の新しい考え方であり、複数言語話者は、一つの言語を使用していても瞬時に別の言語を活用できるので、シフトしたりミックスしたりしても、言語の力が弱いからそうするわけでなないと述べた。

  バイリンガル教育に関する話の中、一つの言語レベルが高ければ弱い方はいずれ時間が経てば伸びるので問題無いが、両方共に低いのは憂慮すべきであると指摘があった。トロント補習校での調査結果を踏まえて、幼児期が大切であり、未熟な母語はすぐに後退しやすく、母語が弱いと英語も伸び悩むことが示された。具体的な留意点やサポートの仕方など、貴重な情報が届けられた。

◇2言語育成の留意点より抜粋

  • 親が自信のある言語を使う。(絵)本の読み聞かせが必要。
  • バイリテラシー(2つの言語で学習することのできる人)の育成は時間がかかる。
  • 社会的に劣位な(そこでの必要性や評価が低い)言語には価値の吊り上げが必要。親の励ましが大事。
  • 6年生ぐらいまでに母語を継続的に伸ばさないと学力が伸び悩む。
  • 日本語を強めると英語も強まる。思考力と関係が深いところは共有される。

◇家庭でできる支援のポイント

  • 家と学校の言葉の切り替えで言語発達が遅れることはない。
  • 家の会話の中で、意図的に漢熟語や抽象語彙を使用。
  • 既存知識を活性化し背景知識を与える。
  • 足場掛けをして内容理解を助ける。
  • アイデンティティを肯定する。
  • 親も言葉を一生懸命に使うことで、子どもの言語を伸ばす。

  補習校などでの学習仲間との助けあいや学び合いを通して「二言語ができる子」としてのアイデンティティが育つとの中島先生の言葉が印象的であった。

  バイリンガル教育に関する詳細は、中島先生による著書『言葉と教育-海外で子どもを育てる保護者のみなさまへ』などで入手されたし。

  去る10月4日(土)、デトロイトりんご会補習授業校にて、表題の特別講演会が催された。

  講演者である中島和子先生は、言語教育分野での多岐にわたる研究で知られ、特に日本のバイリンガル教育研究の権威である。現在トロント補習授業校の高等部校長を務めている。

  今回の講演会は、りんご会補習授業校が昨年度新たに加えた設置目的である“将来、日本と国際社会をリードできる人材を育成する教育を提供すること”の実現に向けて、保護者にできること・すべきこと、また補習校としてやれることについて学ぶ機会となった。中島先生御自身が北京の日本人学校で学校教育をスタートし、御子息を日本国外で育て補習校に通わせていたとの自己紹介があり、長年の研究と経験に基いた講話に、保護者は真剣な面持ちで聞き入っていた。

  講演の前半は、在外教育施設のひとつである補習校の歴史的経緯と現状、また、グローバル人材の定義と国の施策、グローバル型学習のポイントなどを多数のデータを示して解説。後半は、バイリンガル教育の留意点について、実例を挙げて教示した。

  以下、講話の一部を紹介させていただく。

  補習校は1958年に米国ワシントンDCに初めて設立され、帰国後の同化という面が重視されてきたが、1980年代後半になってようやく「国際人の卵」として帰国生が認識されるようになり、2000年代に「グローバル人材」として注目され始めた。とはいえ、「日本語の支援が要る子」として、1990年代以降に増加した日本滞在外国人の子どもと同様に対処されてきた感があり、また、近年文科省が進める事業として、海外からの留学生の獲得(2020年を目処に30万人)や国際バカロレア資格取得可能なプログラムの拡充などが推進されているが、海外で育つ子供はその視野に入っていないことに言及した。ある識者が「これからの日本に必要なグローバル人材の芽は海外でたくましく育っている」と声を発した一方で、文科省の見解は、グローバル人材とは、語学力、コミュニケーション能力、協調性など掲げつつ“日本人としてのアイデンティティ”を欠かせないものに挙げていることなど、現状が伝えられた。

  グローバル型学習では、探究的、協働的、(教科別ではなく)総合的・横断的であり、発表力が重視される。複数言語や言語交差の使用の利点を示した上で、“両言語のリソースをフルに活用することで力をつけよう”というのが最近のバイリンガル教育の新しい考え方であり、複数言語話者は、一つの言語を使用していても瞬時に別の言語を活用できるので、シフトしたりミックスしたりしても、言語の力が弱いからそうするわけでなないと述べた。

  バイリンガル教育に関する話の中、一つの言語レベルが高ければ弱い方はいずれ時間が経てば伸びるので問題無いが、両方共に低いのは憂慮すべきであると指摘があった。トロント補習校での調査結果を踏まえて、幼児期が大切であり、未熟な母語はすぐに後退しやすく、母語が弱いと英語も伸び悩むことが示された。具体的な留意点やサポートの仕方など、貴重な情報が届けられた。

◇2言語育成の留意点より抜粋

  • 親が自信のある言語を使う。(絵)本の読み聞かせが必要。
  • バイリテラシー(2つの言語で学習することのできる人)の育成は時間がかかる。
  • 社会的に劣位な(そこでの必要性や評価が低い)言語には価値の吊り上げが必要。親の励ましが大事。
  • 6年生ぐらいまでに母語を継続的に伸ばさないと学力が伸び悩む。
  • 日本語を強めると英語も強まる。思考力と関係が深いところは共有される。

◇家庭でできる支援のポイント

  • 家と学校の言葉の切り替えで言語発達が遅れることはない。
  • 家の会話の中で、意図的に漢熟語や抽象語彙を使用。
  • 既存知識を活性化し背景知識を与える。
  • 足場掛けをして内容理解を助ける。
  • アイデンティティを肯定する。
  • 親も言葉を一生懸命に使うことで、子どもの言語を伸ばす。

  補習校などでの学習仲間との助けあいや学び合いを通して「二言語ができる子」としてのアイデンティティが育つとの中島先生の言葉が印象的であった。

  バイリンガル教育に関する詳細は、中島先生による著書『言葉と教育-海外で子どもを育てる保護者のみなさまへ』などで入手されたし。

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