
夏も終わりを告げ、木々も色づき始め、美しいミシガンの秋の到来です。今月末のハローウィーンに始まるホリデーシーズンも間近にひかえ、これから楽しいイベントが盛りだくさんな季節となりました。しかし、また一方ではもうすぐまたあの長く厳しい冬がやってくるのかと思うと心重く、また、人恋しくなる季節でもあります。
爽やかな秋晴れを見て、「去年の今頃はxxxだったなぁ~」と涙がこぼれたり、お店にハローウィーン商品が陳列されているのを見て、何とも言えない辛い気持ちが心に押し寄せてきたりなど、最近、別居や離婚を経験された方にはこれからの華やかなホリデーシーズンというのはとてもつらい時期となるのではないでしょうか。
今回は離婚をテーマにお話ししましょう。どのような別れであれ、別れを体験するのはとてもつらいことです。しかし、離婚は他の別れの体験と異なり、社会的レッテルを張られたり、または、張られるかもしれないという不安に襲われるがゆえ、自分が離婚したことさえも人に言えなかったり、どんな顔をしてみんなに会えばよいのかわからないから社交的な場所は避けるということが生じたりと、とても周りの助けが必要な時にサポートを得ることができないまま一人で苦しむということが起こりがちになり、離婚という別れはとても孤独でさみしい経験となることが多いものです。
また、離婚を経験することにより自分のアイデンティティなるものが激しく揺さぶられ、また、社会的レッテルの影響もあり、自尊心がズタズタに傷がついてしまうゆえ、結婚破綻=失格者と感じ取ってしまう方も多くあるでしょう。結婚破綻というものが人間の価値に影響を与えることはないのですが、離婚により、心の中が劣等感や不信感でいっぱいになり、自ら孤立を選択してしまうなどということも起こりうるゆえ、離婚というものがとりわけさみしい別れに感じるものです。
その他、結婚時に一人が二人になるのとは異なり、離婚は二人がまた一人になるわけですから、とても孤独感を感じる調節を体験することになります。ゆえに、数々の調節にあたり、涙が流れ、心がズキズキ痛むこともあるでしょう。たとえ、自分が離婚を決めた場合であれど、また、どのような後ろ向きで破綻した関係であったとしても大切なパートナーを失うというのはとても辛い経験あり、また、誰かと一緒にいるということがすべてに対する答えではないけれど、誰かと一緒にいるということは安心感があり、その連帯感を恋しく思うものです。特にこれからホリデーシーズンなど家族で和気藹々なムードが高まる時期は今一人であることが心の中で強調されてしまい、とてもさみしく感じられるものです。
また、離婚により、今まで築き上げてきたものに一旦終止を打つことになるゆえ、喪失経験をすることになります。そのため、離婚経験=自分の人生が終わってしまった、または、何もかもを失ってしまったかのように感じられ、放心状態に陥ってしまうこともあるでしょう。加えて、もし自分があの時xxxをしていなければ、こんなことにはならなかったのではないか?」と後悔の念が心を過ったり、「今まで自分は彼(彼女)にとって何だったのか?」、または、「彼(彼女)に自分の人生を台無しにされた」など怒りが込み上げてきたり、「どうして自分にだけこんな目に合うのか?」と被害者的気分に襲われたりと様々な思いがとめどなく溢れだしてくるため、つらさも増大してしまいます。
このように様々な思いが心の中を駆け巡り、次々と過去の出来事の記憶がよみがえかえってくるのはとても自然なことです。しかし、もし心がこのような怒り、恨み、後悔の念に囚われたままとなり、彼(彼女)のことが頭から離れず、何をしていても悲しい、涙が止まらない、または、怒りのとりこになってしまっているなどの状況に陥ってしまっている場合、誰かに相談することがとても大切になるでしょう。
あいにく、心の声に蓋をして、あちらこちにある心の傷口にはバンドエードを張り、頑張り続けても心の痛みは消えることはありません。また、どんなに相手を憎んでも心が楽になることはありません。悲鳴をあげている心を放置したままにしておくと、後に鬱や不安症などに悩まされる可能性があり、また、私達の思考というのは私達の現実を作るゆえ、つらさ、悲しみ、怒り、恨みを抱えたままでいると自分の人生の道が後ろ向きな気持ちで敷き詰めてしまい、自分の人生に自分自ら障害・妨害を作ってしまうことにもなりかねません。
もしあなたが今そんな状況に置かれているなら、自分の心の声に蓋をするのではなく、そんな自分の心の声を大きな思いやりを持って受け止めてあげることです。人間の心というのはおかしなもので気づかないふりをすればするほど、そのことで心の中がいっぱいになってしまうものです。勇気を出して、素の自分と向かい合ってみましょう。きっと、そうすることにより、少しづつ元気が自分に戻ってくるはずです。
また、もうひとつ離婚の傷から心を癒してあげる大切なエッセンスとして、自分のことも相手のことも許してあげることです。許すということは負けるということでも相手の非をちゃらにするということでもありません。許すという行為により自分を心の痛みから解放してあげ、もう一度自分の幸せに向って前進する力を高めるということです。
辛い経験をすると心が萎んでしまうものです。そんなときは孤立化を進めるのではなく、勇気を出して誰かに助けを求めてることはとても大切です。花が萎れてきた時にはお水をあげます。心にも水がちゃんと足りているか確認してあげることは大切ではないでしょうか。
Lifescape Counselingでは日本人専門のグループカウンセリングも行っております。次回の小グループは来年の1月からスタートします。テーマはDivorce Recovery~離婚、新たな出発へ~です。グループについての詳細は私共のウエブサイトをご覧ください。
こあきバイヤーズドルフ
Lifescape Counseling LLC のオーナー、メンタルヘルスカウンセラー、クロスカルチャーコンサルタント。日本語にて様々な心のケアサービスを提供。
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