
デトロイトから数時間のドライブで行くことができる世界的な観光地ナイアガラの滝。その圧倒的な迫力は、いつ目にしても感動的だが、日本からの訪問客を案内して何度も足を運ぶうちマンネリになりがち。
ここ数年ますます充実し、定番の滝観光に加えて人気を博しているのが、ワイナリーツアー。日本で“アイスワイン”の知名度があがり、日本人観光客にも脚光を浴びている。ワイン好きな人には実に魅力的なアクティビティである。。
ナイアガラペネンシラ(半島)の北側、オンタリオ湖に沿う地域は古くからワインの生産が行われていたそうだが、本格的に産業としてワイン造りが始まったのはこの50年ほど。にも拘らず、受賞ワインを数多く送り出し世界的に知られるまでになった。また近年、観光客向けに建物や試飲コーナーを凝った造りに整えたり、ワイナリーツアーを提供したりするワイナリーが増え、評判を高くしている。VQA(葡萄酒品質管理連盟)によれば、ナイアガラの滝下流の観光町ナイヤガラ・オンザレイク周辺だけで20件以上点在し、トロントとの途中など周辺地域を合わせると80以上のワイナリーが登記されている。
近代的な大工場もあり、木づくりの小屋もあり、ワイン城かワイン御殿といった風格の建物、白亜の洋館風・・・と、景観や雰囲気の違うワイナリーを見比べるのも一興。日本人観光客が増えたお蔭で日本語の解説案内やパンフレットをあちこちで見かける。やや興ざめではあるが、ありがたい情報源である。
レストランを併設しているワイナリーも数多くあり、相性の良いワインと組み合わせたコースを設定していたり、アイスワインを使ったデザートを供していたり、ワイナリーならではの食事を売りにしているところも多い。広々とした葡萄園を眺めながら、チーズとワインを口にするだけでも贅沢な気分に浸れる。
アイスワイン
この地方のワインとして有名なのがアイスワイン。葡萄の木になったまま凍結した実を摘み取り、すぐにプレスにかけて造るワインで、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴。デザートワインとして好まれている。
オンタリオ湖の影響による温暖な気候は葡萄の生育に適しているが、それに厳しい冬の寒さという条件が加わって造ることができる。
アイスワイン用の葡萄は秋の収穫の後、腐ってしまったり鳥や動物に狙われたり、激しい風雪にさらされるなど収穫が不安定で、また、外気温が一定の凍った状態のときに手で摘みとられるため、生産量が限られていて貴重。そのため価格も高いが、濃厚なために酸化しにくく、一度開封しても、密封して冷やしておけば数週間は保存しておいても大きく風味は損なわれないということ。求めやすいハーフサイズ(375ml)のボトルも多く見かける。
ワイン ルート
ワイナリーへのアクセスは、フリーウェイにも案内標識があり、ワインルートを示す蒲萄マークの看板とワイナリーの名称が適所適所に親切に設置されているので、場所探しは非常に楽。
とはいえ、ドライバーも試飲を心置きなく楽しみたい場合は、タクシーを利用したり、ツアーに入るのがお勧め。ナイアガラ・オンザレイク基点やホテル出迎えのワイナリーめぐり少人数ツアーを利用することができる。
ワインをめぐる季節
夏はイベントが多く、楽しみが倍増する一方、世界各国からの観光客で混雑する時期でもある。秋の収穫期には、紅葉も鑑賞できる時期となり、日本からのワインツアーもあるほど、足を延ばす価値がある。夏、秋の観光シーズンには周辺やワイナリー自体で音楽会など各種のイベントが催されているので要チェック。
オフシーズンといえる冬季でもツアーを行なっているところもあり、タイミングがよければアイスワイン用の蒲萄摘みを目にすることができるそうだ。クリスマス時期には、ホリデーイベントやレストランでの特別メニューを設けているワイナリーもある。
1年を通してそれぞれの景観や趣向を味わえる場所といえる。
1991年に、ここのアイスワインがボルドーの世界的ワイン品評会でグランプリを獲得し、ナイアガラ・ワインを一躍有名にした老舗ワイナリー。ナイアガラの滝とオンザレイクスをつなぐParkway沿いに位置することもあり、とてもポピュラーなワイナリー。日本語ツアーが申し込める。
大邸宅か重厚なホテルのような外観。建物の中に入ると落ち着いた空間が広がり、テイスティングルームは造りが整っていて、贅沢な雰囲気が味わえる。併設するレストランでは地元の素材を活かした料理を提供している。
Strewn Winery
アイスワインをはじめ、数々の受賞獲得ワインを生産している世界的に名高いワイナリー。ヨーロピアンスタイルの丁寧なワイン作りが自慢。併設の眺めの良いレストランがある。ナイアガラ・オンザレイクの町並みから車で数分。
Sunnybrook Farm
上記Strewnに近い小さな所で、ここは蒲萄ではなく他のフルーツワインのみ生産している。100%オンタリオ産の果物を使用。季節によって、梨、チェリー、ピーチ、プラム、アプリコットなどの試飲ができる。
Jackson Triggs
伝統あるワイナリーだが、最新の施設を備えている。テイスティングギャラリーでは、ワインとともに、隣接の畑で取れた野菜を使ったサラダやスープなどを味わえる。内部見学ツアーは1時間ごとに行われており、日本語でのツアーも予約可能。
ナイアガラの滝やオンザレイクスの観光ルートからはやや離れるが、シャトーの名が相応しい風格ある外観と整然とした広大な葡萄園を持つ。1978年から5世代続くフランス系ボスク家のワイナリー。4か所の畑で14種類のブドウを栽培し、20種類を超えるワインを製造しているという。
Coyote’s Run
上記Chateau des Charmesの近くで、対照的に小さな家庭的なワイナリー。のんびり店員とおしゃべりしたり、葡萄園を眺めながらワインとチーズを楽しむ姿がのどか。ツアーは要予約。
オンライン情報源
wineriesofniagaraonthelake.comのサイトで、ナイアガラ・オンザレイクス地区のワイナリー情報(英語)や地図が入手できる。
カナダ観光局の公式ウェブに、日本サイトがある。jp-keepexploring.canada.travel
デトロイトから数時間のドライブで行くことができる世界的な観光地ナイアガラの滝。その圧倒的な迫力は、いつ目にしても感動的だが、日本からの訪問客を案内して何度も足を運ぶうちマンネリになりがち。
ここ数年ますます充実し、定番の滝観光に加えて人気を博しているのが、ワイナリーツアー。日本で“アイスワイン”の知名度があがり、日本人観光客にも脚光を浴びている。ワイン好きな人には実に魅力的なアクティビティである。。
ナイアガラペネンシラ(半島)の北側、オンタリオ湖に沿う地域は古くからワインの生産が行われていたそうだが、本格的に産業としてワイン造りが始まったのはこの50年ほど。にも拘らず、受賞ワインを数多く送り出し世界的に知られるまでになった。また近年、観光客向けに建物や試飲コーナーを凝った造りに整えたり、ワイナリーツアーを提供したりするワイナリーが増え、評判を高くしている。VQA(葡萄酒品質管理連盟)によれば、ナイアガラの滝下流の観光町ナイヤガラ・オンザレイク周辺だけで20件以上点在し、トロントとの途中など周辺地域を合わせると80以上のワイナリーが登記されている。
近代的な大工場もあり、木づくりの小屋もあり、ワイン城かワイン御殿といった風格の建物、白亜の洋館風・・・と、景観や雰囲気の違うワイナリーを見比べるのも一興。日本人観光客が増えたお蔭で日本語の解説案内やパンフレットをあちこちで見かける。やや興ざめではあるが、ありがたい情報源である。
レストランを併設しているワイナリーも数多くあり、相性の良いワインと組み合わせたコースを設定していたり、アイスワインを使ったデザートを供していたり、ワイナリーならではの食事を売りにしているところも多い。広々とした葡萄園を眺めながら、チーズとワインを口にするだけでも贅沢な気分に浸れる。
アイスワイン
この地方のワインとして有名なのがアイスワイン。葡萄の木になったまま凍結した実を摘み取り、すぐにプレスにかけて造るワインで、濃厚な甘みと芳醇な香りが特徴。デザートワインとして好まれている。
オンタリオ湖の影響による温暖な気候は葡萄の生育に適しているが、それに厳しい冬の寒さという条件が加わって造ることができる。
アイスワイン用の葡萄は秋の収穫の後、腐ってしまったり鳥や動物に狙われたり、激しい風雪にさらされるなど収穫が不安定で、また、外気温が一定の凍った状態のときに手で摘みとられるため、生産量が限られていて貴重。そのため価格も高いが、濃厚なために酸化しにくく、一度開封しても、密封して冷やしておけば数週間は保存しておいても大きく風味は損なわれないということ。求めやすいハーフサイズ(375ml)のボトルも多く見かける。
ワイン ルート
ワイナリーへのアクセスは、フリーウェイにも案内標識があり、ワインルートを示す蒲萄マークの看板とワイナリーの名称が適所適所に親切に設置されているので、場所探しは非常に楽。
とはいえ、ドライバーも試飲を心置きなく楽しみたい場合は、タクシーを利用したり、ツアーに入るのがお勧め。ナイアガラ・オンザレイク基点やホテル出迎えのワイナリーめぐり少人数ツアーを利用することができる。
ワインをめぐる季節
夏はイベントが多く、楽しみが倍増する一方、世界各国からの観光客で混雑する時期でもある。秋の収穫期には、紅葉も鑑賞できる時期となり、日本からのワインツアーもあるほど、足を延ばす価値がある。夏、秋の観光シーズンには周辺やワイナリー自体で音楽会など各種のイベントが催されているので要チェック。
オフシーズンといえる冬季でもツアーを行なっているところもあり、タイミングがよければアイスワイン用の蒲萄摘みを目にすることができるそうだ。クリスマス時期には、ホリデーイベントやレストランでの特別メニューを設けているワイナリーもある。
1年を通してそれぞれの景観や趣向を味わえる場所といえる。
1991年に、ここのアイスワインがボルドーの世界的ワイン品評会でグランプリを獲得し、ナイアガラ・ワインを一躍有名にした老舗ワイナリー。ナイアガラの滝とオンザレイクスをつなぐParkway沿いに位置することもあり、とてもポピュラーなワイナリー。日本語ツアーが申し込める。
大邸宅か重厚なホテルのような外観。建物の中に入ると落ち着いた空間が広がり、テイスティングルームは造りが整っていて、贅沢な雰囲気が味わえる。併設するレストランでは地元の素材を活かした料理を提供している。
Strewn Winery
アイスワインをはじめ、数々の受賞獲得ワインを生産している世界的に名高いワイナリー。ヨーロピアンスタイルの丁寧なワイン作りが自慢。併設の眺めの良いレストランがある。ナイアガラ・オンザレイクの町並みから車で数分。
Sunnybrook Farm
上記Strewnに近い小さな所で、ここは蒲萄ではなく他のフルーツワインのみ生産している。100%オンタリオ産の果物を使用。季節によって、梨、チェリー、ピーチ、プラム、アプリコットなどの試飲ができる。
Jackson Triggs
伝統あるワイナリーだが、最新の施設を備えている。テイスティングギャラリーでは、ワインとともに、隣接の畑で取れた野菜を使ったサラダやスープなどを味わえる。内部見学ツアーは1時間ごとに行われており、日本語でのツアーも予約可能。
ナイアガラの滝やオンザレイクスの観光ルートからはやや離れるが、シャトーの名が相応しい風格ある外観と整然とした広大な葡萄園を持つ。1978年から5世代続くフランス系ボスク家のワイナリー。4か所の畑で14種類のブドウを栽培し、20種類を超えるワインを製造しているという。
Coyote’s Run
上記Chateau des Charmesの近くで、対照的に小さな家庭的なワイナリー。のんびり店員とおしゃべりしたり、葡萄園を眺めながらワインとチーズを楽しむ姿がのどか。ツアーは要予約。
オンライン情報源
wineriesofniagaraonthelake.comのサイトで、ナイアガラ・オンザレイクス地区のワイナリー情報(英語)や地図が入手できる。
カナダ観光局の公式ウェブに、日本サイトがある。jp-keepexploring.canada.travel