<!--:en-->ミシガン州のビール産業とブリューワリ<!--:--><!--:ja-->ミシガン州のビール産業とブリューワリ<!--:--> 4

by ヤマトノオロチ

夏本番に入るミシガンでは、気温が華氏90度(摂氏32度強)になり、乾いた空気のもと暑い日差しが降り注いだ一日の終りにはビールがいいと思う人も多いでしょう。あまり知られてはいませんが、ミシガン州とビールには思わぬ縁があったのです。

 日本のマイクロ ブリューワリの起こり

  日本では1990年代に経済政策の一環として規制緩和が進みました。1994年(平成4年)に「酒税法」が改正され、各地で地ビールが誕生しました。一年間の最低製造量が60KLの製造会社や醸造場を一般的に指します。この日本で言う「地ビール」とはアメリカでは「クラフト ビール」(craft beer)、「マイクロ ブリューワリ」(micro brewery)と呼んでいます。

意外なミシガンとビールの歴史

  アメリカの1900年代半ばの禁酒法についてを知る人は多いと思います。密造酒、密輸、それを操るマフィア、アル・カポネなどはよく映画や小説にも描かれました。禁酒法(合衆国憲法修正法第18条)を破棄する「同憲法修正法21条」を、1933年12月真っ先に可決したのがミシガン州でした。

  ミシガン州に長く在住している人は良くご存知だと思いますが、ミシガン州には全米規模のビール会社がかつてありました。デトロイト出身の名門の一家、Stroh家がその興亡を見つめています。現在「Stroh」のブランドネームはビール業界にはなく、1999年に「Pabst Brewing Company」と「Miller Brewing Company」に事業を譲り渡すことで149年間のビール事業の歴史の幕を下ろしましたが、アイスクリームでその名を見かけることがあります。ビール会社として1970年代に全米8位まで上りつめたこのデトロイトの一族の興亡は、今年7月21日号の「Forbes」に「アメリカの名門一家」として紹介されています。

ミシガンはマイクロ ブリュワリが盛ん

  ミシガン州は「マイクロ・ブリューワリ」の多さでは現在全米で五本の指に入る盛んな州です。ミシガン州によると現在140余のマイクロ・ブリューワリが免許を取得しています。驚くことに、失業率が改善されていなかった2012年でも、マイクロ・ブリューワリの成長は盛んだったということです。

そもそも「ブリューワリ」と「マイクロ ブリューワリ」との違いは何でしょうか。「ブリューワリ」はビールの年間製造量を無制限に行え、「卸売り業者」(Whole sale)に対して販売はできますが「小売業者」(retailers)にはできません。「小売業者」とはいわゆる消費者の私達が直接お店に行って商品を買うことができるところ、と考えていいでしょう。そして、「マイクロ・ブリューワリ」の免許を持っているかいないかで、製造場所でのビールの販売ができるかどうかが決められています。

「マイクロ ブリューワリ」は年間3万バレル(約357.7万L)しかビールを製造できず、こちらも小売業者には直接販売できず、卸売業者を通してのみの販売となります。

自宅でのビール作り用の道具を扱う

   これらとは別に「ブリュー パブ」という言葉を耳にした人もいるかもしれません。これが私達が一般的にレストランが独自のビールを造醸しているところ、と考えることができるところでしょう。詳しく言うと、年間に5000バレル(約59.6万L)のビールを製造できますが、レストランでのアルコール以外の収益が25%以上でなければいけない、ということになっています。私たちになじみが深いのは「ブリュー パブ」です。

 1993年にミシガン州には4つのブリューワリしかありませんでした。「マイクロ ブリューワリ」と「ブリュー パブ」の数は現在は140以上にもなったことは前述の通りです。そして、今年の3月にシュナイダー州知事はさらに規制を緩和することを認める州法に署名し、マイクロ ブリューワリ産業は躍進していく見通しです。現在の経済効果は年間$133万ドル、総賃金は$23万ドルとされています。知事が言うように消費者の選択の幅は広がると同時に、雇用の創出とツアーリズムの増加につながり、ミシガン州の経済に与える影響は大きいといえます。

  このように、ミシガン州はビールとユニークな関係にあります。夏を問わず、州内のブリューワリ、ブリューパブやさまざまなビールについての話題を数回にわたってお伝えしていく予定です。