ミシガンにもついに夏がやって来ました! 先月末のメモリアル・デー3連休は連日好天に恵まれて本当に気持ち良かったですね。散歩やアウトドア・スポーツを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか?待ちかねたように家族・友人と早速BBQという人もいました。一度に咲いた草花、木花は一度にまた散ってしまって少し寂しいですが、その後すぐに若葉が見る見る内に伸びて明るい緑色から日々色濃くなって、芝生の緑と鮮やかにマッチングしています。雨さえ降らなければ、芝刈りの音も毎日のように聞こえます。秋と並んで一年中で一番気持ちの良い時節ですね。皆さん、外に出て青空と緑を楽しみましょう!
日本のプロ野球では、開幕後2ヶ月経過した今もセ・リーグでは広島東洋カープ、パ・リーグはオリックス・バッファローズが首位を堅持。本命のジャイアンツとソフトバンク・ホークスがそれぞれ2位という状況で面白いシーズンが続きそうです。当地デトロイト・タイガースは4月末から5月中旬までアウェーで11連勝と絶好調。特に昨年ワールドチャンピオンのボストン・レッドソックスに4タテを食らわせたのは圧巻でした。しかしながら、「好事魔多し」とはよく言ったもので、その最終戦終了後クリーブランドへの移動便が不具合で遅れに遅れてやっとのことで目的地に着いたのは翌日早朝4時半。遠征疲れが溜まったその夜のインディアンズ戦は接戦で延長にもつれ込んだ末惜しくもサヨナラ負け。これがケチの付き始めとなり、そこから7試合は1勝6敗と絶不調。先発、中継ぎ、抑えと投手陣が崩壊し、強力打線も湿りがちで一時7割近くあった勝率も6割近くに急降下。幸い大きな貯金のお蔭で今もオークランドとア・リーグのベストレコードを争っていますが、再度の上昇を期待してます。テニスではフレンチ・オープンが始まりましたが、今期好調で期待されていた錦織選手がケガから回復し切れず初戦敗退してしまい、興味半減。時差と米国選手の活躍も余り期待できないクレー・コートのためTV放送枠の不便さもあって限定した試合観戦になりそうです。お楽しみは今月末のウィンブルドンまで待つことにしましょう。
さて、今回のテーマは先回に続く『決意と責任 PART2』です。
先月号で韓国船の転覆・沈没事故時の船長他乗組員の無責任な行動について述べましたが、こちら米国でもまたまたいい加減な事態が続いて発生しているので書き足したいと思います。
GMのイグニッション・スイッチ部品不良が原因で始まったリコールの荒波は当該不良対象車だけに留まらず、その他の不良原因によるリコールも続出してなんと同社が破産更生状態から抜け出して新生GMとして再出発後に生産・販売した車の総台数よりもリコール対象台数の方が上回るという一大暴風雨状態になっているのは皆さんもご存知の通りです。引き金となった部品不良の対策・対応処理が全く酷いもので、それが原因と疑われる死亡事故が10年以上も前から発生していたにも拘らず、関係当局に通知もリコールの届出もせず隠し続けていたというのも極めて悪質で開いた口が塞がりません。当局から課された懲罰金の支払いには取りあえず合意したものの、今後リコールの対応処理費用、関連訴訟費用、事故死亡者の家族への補償、追加懲罰金、販売の落ち込みによる生産・売り上げ・利益減などで先行きが不安視され、直接・間接的に同社と取引関係のあるディーラー、材料・部品・機械・金型メーカーは大いに気になるところです。
それとは別にこのところ連日ニュースで取り上げられ、徐々に騒がしさを増しているのが全米最大の医療機関である退役軍人病院のスキャンダルです。これも皆さん既にご存知と思いますが、ケガ・病気持ちや具合の悪い退役軍人が病院に予約を申し込んだにも拘らず、治療どころかすぐに診察も受けられず、自宅で待たされ続けている間に分かっているだけで40人以上の方が亡くなられているというこれまた悲惨な話です。中には1年以上も待たされていたケースがあって、その後の緊急調査だけでも今現在1,700名ほどの人達が待機状態とのこと。国のために軍役に就いて命がけで献身的に奉仕して来た英雄達に対して全く無責任でいい加減な扱いとしか言いようのない事態です。これでは国への忠誠心も薄れ、軍役志願者も減るばかりと懸念されます。
当初のニュース報道では極小さな扱いでしたが、皮肉にも退役軍人の栄誉を讃え謝意を表するメモリアル・デーを境にして日毎に大きな扱いとなり、改善対応の動きが遅い退役軍人省のトップや上級幹部、更に民主党政権への批判と風当たりがいよいよ強まって来ました。退役軍人に対する待遇については、従来から傷病者だけでなく退役後の住居・職業の斡旋、確保、社会復帰支援、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患治療支援などの基金・募金・寄付金にまつわる予算縮小や私腹を肥やす着服・横領などの詐取、不正会計も過去に何度も表面化し問題になっていますが、軍事関連産業が巨大なビジネスとなっている米国では既得権を死守したいグループとそれを打破したい反グループの対立・利権抗争が根底にあり、政治絡みで余計に複雑になっています。
それぞれ立場と考えは違っても、罪のない人達や国のために尽くした人達に対して無責任で冷たい仕打ちは許されません。個人的には軍隊そのものを賞賛するものではありませんが、GMや退役軍人省の関係者だけに留まらず、私達も利己的な考えを一旦封印してそういう人達や弱い立場の人達に対して自分は何をすべきか、何が出来るかを真剣に考え、日頃から真摯に取り組み実践する決意と責任ある行動が必要ですね。
ということで、先回および今回と続けて『決意と責任』について書いてみました。
執筆者紹介:小久保陽三
Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。
ミシガンにもついに夏がやって来ました! 先月末のメモリアル・デー3連休は連日好天に恵まれて本当に気持ち良かったですね。散歩やアウトドア・スポーツを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか?待ちかねたように家族・友人と早速BBQという人もいました。一度に咲いた草花、木花は一度にまた散ってしまって少し寂しいですが、その後すぐに若葉が見る見る内に伸びて明るい緑色から日々色濃くなって、芝生の緑と鮮やかにマッチングしています。雨さえ降らなければ、芝刈りの音も毎日のように聞こえます。秋と並んで一年中で一番気持ちの良い時節ですね。皆さん、外に出て青空と緑を楽しみましょう!
日本のプロ野球では、開幕後2ヶ月経過した今もセ・リーグでは広島東洋カープ、パ・リーグはオリックス・バッファローズが首位を堅持。本命のジャイアンツとソフトバンク・ホークスがそれぞれ2位という状況で面白いシーズンが続きそうです。当地デトロイト・タイガースは4月末から5月中旬までアウェーで11連勝と絶好調。特に昨年ワールドチャンピオンのボストン・レッドソックスに4タテを食らわせたのは圧巻でした。しかしながら、「好事魔多し」とはよく言ったもので、その最終戦終了後クリーブランドへの移動便が不具合で遅れに遅れてやっとのことで目的地に着いたのは翌日早朝4時半。遠征疲れが溜まったその夜のインディアンズ戦は接戦で延長にもつれ込んだ末惜しくもサヨナラ負け。これがケチの付き始めとなり、そこから7試合は1勝6敗と絶不調。先発、中継ぎ、抑えと投手陣が崩壊し、強力打線も湿りがちで一時7割近くあった勝率も6割近くに急降下。幸い大きな貯金のお蔭で今もオークランドとア・リーグのベストレコードを争っていますが、再度の上昇を期待してます。テニスではフレンチ・オープンが始まりましたが、今期好調で期待されていた錦織選手がケガから回復し切れず初戦敗退してしまい、興味半減。時差と米国選手の活躍も余り期待できないクレー・コートのためTV放送枠の不便さもあって限定した試合観戦になりそうです。お楽しみは今月末のウィンブルドンまで待つことにしましょう。
さて、今回のテーマは先回に続く『決意と責任 PART2』です。
先月号で韓国船の転覆・沈没事故時の船長他乗組員の無責任な行動について述べましたが、こちら米国でもまたまたいい加減な事態が続いて発生しているので書き足したいと思います。
GMのイグニッション・スイッチ部品不良が原因で始まったリコールの荒波は当該不良対象車だけに留まらず、その他の不良原因によるリコールも続出してなんと同社が破産更生状態から抜け出して新生GMとして再出発後に生産・販売した車の総台数よりもリコール対象台数の方が上回るという一大暴風雨状態になっているのは皆さんもご存知の通りです。引き金となった部品不良の対策・対応処理が全く酷いもので、それが原因と疑われる死亡事故が10年以上も前から発生していたにも拘らず、関係当局に通知もリコールの届出もせず隠し続けていたというのも極めて悪質で開いた口が塞がりません。当局から課された懲罰金の支払いには取りあえず合意したものの、今後リコールの対応処理費用、関連訴訟費用、事故死亡者の家族への補償、追加懲罰金、販売の落ち込みによる生産・売り上げ・利益減などで先行きが不安視され、直接・間接的に同社と取引関係のあるディーラー、材料・部品・機械・金型メーカーは大いに気になるところです。
それとは別にこのところ連日ニュースで取り上げられ、徐々に騒がしさを増しているのが全米最大の医療機関である退役軍人病院のスキャンダルです。これも皆さん既にご存知と思いますが、ケガ・病気持ちや具合の悪い退役軍人が病院に予約を申し込んだにも拘らず、治療どころかすぐに診察も受けられず、自宅で待たされ続けている間に分かっているだけで40人以上の方が亡くなられているというこれまた悲惨な話です。中には1年以上も待たされていたケースがあって、その後の緊急調査だけでも今現在1,700名ほどの人達が待機状態とのこと。国のために軍役に就いて命がけで献身的に奉仕して来た英雄達に対して全く無責任でいい加減な扱いとしか言いようのない事態です。これでは国への忠誠心も薄れ、軍役志願者も減るばかりと懸念されます。
当初のニュース報道では極小さな扱いでしたが、皮肉にも退役軍人の栄誉を讃え謝意を表するメモリアル・デーを境にして日毎に大きな扱いとなり、改善対応の動きが遅い退役軍人省のトップや上級幹部、更に民主党政権への批判と風当たりがいよいよ強まって来ました。退役軍人に対する待遇については、従来から傷病者だけでなく退役後の住居・職業の斡旋、確保、社会復帰支援、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患治療支援などの基金・募金・寄付金にまつわる予算縮小や私腹を肥やす着服・横領などの詐取、不正会計も過去に何度も表面化し問題になっていますが、軍事関連産業が巨大なビジネスとなっている米国では既得権を死守したいグループとそれを打破したい反グループの対立・利権抗争が根底にあり、政治絡みで余計に複雑になっています。
それぞれ立場と考えは違っても、罪のない人達や国のために尽くした人達に対して無責任で冷たい仕打ちは許されません。個人的には軍隊そのものを賞賛するものではありませんが、GMや退役軍人省の関係者だけに留まらず、私達も利己的な考えを一旦封印してそういう人達や弱い立場の人達に対して自分は何をすべきか、何が出来るかを真剣に考え、日頃から真摯に取り組み実践する決意と責任ある行動が必要ですね。
ということで、先回および今回と続けて『決意と責任』について書いてみました。
執筆者紹介:小久保陽三
Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。