<!--:en-->20周年を迎えるベルアイル(Belle Isle)の桜<!--:--><!--:ja-->20周年を迎えるベルアイル(Belle Isle)の桜<!--:--> 2

 デトロイト川にあるベル・アイル島に桜と記念碑がある。これは豊田市とデトロイト日本商工会がデトロイト市と豊田市の姉妹都市30周年を記念して1994 年に寄贈して植樹したもの。100本の桜の木が植樹されたが、当時植えた木は育たず、デトロイト市が植え直したものに代わっていると聞いている。ラグーンの周りでは無く、条件の良い位置に並んで植えられている。木が育たなかったことは残念だが、デトロイト市がこの友好のシンボルを維持しようとしていることが喜ばしい。

 橋を渡って島に入って南側のスコット噴水近くに回ると、立ち並ぶ桜の木が見えてくる。ルネッサンスセンターや対岸のカナダを臨む景色の良い場所に位置している。開花時期は例年4月の下旬から5月上旬。日本の桜と比べれば、小規模で取るに足りないものだが、日本を懐かしみつつ、そして日米の絆に思いを馳せて鑑賞しては?

 記念の石碑には‘ラグーンの周りの桜の木は、デトロイト日本商工会と、デトロイト市の姉妹都市である豊田市の協力によって、日本との交流・親善の証としてデトロイト市に寄贈されたもの’と1994 年の日付で刻まれている。それ以前にも豊田市が桜を寄贈したが根付かず、そのことを残念に感じていた人々が動き出し、豊田市が基金を出し、デトロイト日本商工会が寄付金を調達、100本もの植樹が実現したという話だ。当時のデトロイト市長臨席のもと、桜苗木贈呈式が催された。人の背丈にも満たない苗だった。

ベルアイルの桜にまつわる話を付け加えれば、翌年‘お花見’が企画されたが、有志の日本人たちがゴミの目立つ周囲のそうじをまずやってから、数えるほどの桜の花を見ながら慰労のランチ祝宴を楽しんだ。そして、デトロイト日本商工会とりんご会補習授業校が共催で開催している写生大会は、桜の時期に、ここを会場にして始まった。その次の年、‘桜祭り・写生大会’が盛大に開催され、徳島の人たちが、姉妹都市Saginawを訪問中にこのイベントに参加して阿波踊りを実演した。やがて、写生大会は、肌寒いことも多い5月の上旬から日をずらして行なわれるようになり、‘ 桜’とは切り離された。追記すると、ベルアイルの動物園が閉鎖されて以降には写生大会の会場はデトロイト動物園に移された。

ベル・アイルへ桜のためだけに足を運ぶのはもったいない。同島は昨年(2013年)に ‘Belle Isle State Park’として認定された。島全体が公園になっていて、ダウンタウンからすぐ近くとは思えない自然がある。

 

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