四月。日本では政府、公共機関や多くの会社で新年度、公立学校法人では新学期のスタート。日本の桜開花宣言を遠目に春分の日が過ぎてもまだ寒い日が続くミシガンですが、「冬が長い程春は近い」という言葉を信じて今しばらくの辛抱です。春分の日と言えば、時差の関係で米国では3/20(木)、日本では翌3/21(金)でした。しかも今年はミシガンで当日昼過ぎ12時59分が冬と春の分かれ目で一日の前半が冬、後半が春という形で文字通り『春分の日』となりました。

 定番のスポーツの話題では日米共にプロ野球開幕。今年はどの球団が栄冠を勝ち取るでしょうか?地元タイガースではミゲル・カブレラ選手の超大型契約延長が話題。複数年大型契約では過去に失敗例もありリスク大と否定的な評論家コメントもありますが、怪我・病気をせずにずっと活躍を続けて欲しいですね。MLB所属の日本人選手達も若手、ベテラン皆それぞれの奮闘と成功を期待しましょう。バスケットボールNCAA大学選手権はマーチ・マッドネスのフィナーレ。原稿作成時点ではビッグ10のライバルであるミシガン、ミシガンステート両校が共にエリート8進出。それぞれ後

 2試合勝つと決勝戦は夢のようなミシガン同士の同郷対決。夢が現実となるか、夢のままで終わるか、さて結果は如何に?NHLアイスホッケーでは地元レッド・ウィングスがスター選手の怪我欠場、世代交代などもあって大苦戦しており、プレーオフ連続出場が途切れるか否かの瀬戸際。何とか踏ん張ってプレーオフで少しでも先に勝ち進んで欲しいものです。

さて、今回は 『内憂外患』 というテーマを取り上げます。

 『内憂外患』、今の米国とオバマ政権が置かれている状況そのものではないでしょうか?国内では景気が幾分回復し、経済がやや上向いて来たものの、毎月の新規雇用者数は力強さに欠け、失業者数、失業率も下がり切らずまだまだ十分と言えません。また、穏やかなインフレが続いている一方で中間・低所得層の実質賃金および可処分所得はほとんど増加していないか、やや目減りしており、最低賃金の引上げや中間・低所得層への財政支援、優遇税制の見直し、ウォールストリート金融業界への規制強化・新税導入、富裕層への増税案。二大政党政治のマンネリ・脆弱化と国民軽視の非効率的、非生産的なねじれ国会、健康保険改革法(オバマケア)実施に伴う雇用者、被雇用者、個人加入者、保険業者、医師・医療従事者、病院・医療機関それぞれの立場での疑問と混乱。銃規制、移民法見直し、人種差別・同性婚問題、国内安全保障・盗聴問題、テロ対策、エネルギー改革、自然災害対策など問題は山積み。

 海外に目を転じると、バルカン半島に取って代わり常にきな臭い中東の火薬庫と呼ばれるイスラエル・パレスチナ問題、リビア、エジプトに端を発し旧パレスチナ周辺国や北アフリカ諸国を巻き込んでいるアラブの春、シリア内戦、イラン核兵器開発、イラク宗教対立、イスラエルおよびサウジアラビアとの友好信頼関係後退・悪化からつい最近のウクライナ問題。アジアでは北朝鮮の核兵器・弾道ミサイル開発、中国の人権・環境汚染問題、中国と周辺国との領土・領海抗争、国際安全保障・テロ対策、海外駐留派遣軍の段階的撤退または削減、国家機密漏洩問題などこれまた頭の痛い問題が盛り沢山。

 一つの問題が片付かない内に次から次と新たな問題が発生し、後手後手(洒落でゴテゴテとも言えそうですが)の対応の感は否めません。

 前ブッシュ政権時代に政治・経済・軍事を中心に官民共に米国の価値観、考え方、流儀をベストとして世界中の地域と国々に現地の実情を無視または軽視して無理矢理押し付けたグローバリズムは反発を招き、その失敗と反動で中進国、発展途上国だけでなく同盟国、友好国に対しても米国の国家権威の失墜、国際信用の下落は火を見るより明らかです。

 特に2008年に米国発のバブル崩壊、金融破綻、経済恐慌で世界中に迷惑を掛けた事がその後も尾を引き、GMやクライスラーまで破産宣告から消滅の一歩手前まで追い込まれた国内経済の建て直しを最優先せねばならず、その間海外各地で起こった紛争や地域問題に関して迅速かつ十分な対応が出来なかったため反米グループ、テロ組織、覇権的野望を持つ某国に蜂起・拡大の絶好の機会を与えてしまったと言えます。

 オバマ大統領も初期就任前後および再選直後の演説は見事で一般大衆を引き付けるものがありましたが、信頼度、人気度の下落とともに最近は演説にも魅力が薄れ、気のせいか見た目の元気もなくなって来たように感じるのは私だけでしょうか?取り巻きスタッフの実力や共和党の妨害、民主党としての党を上げての支援が十分でない事も原因ですが、スピーチ上手なだけでなく有言実行で一つひとつの問題を確実に解決し、米国民の信頼と自信、更に国際舞台での米国の信用と権威の回復を実現して欲しいものです。

 これは米国のみならず他の諸国や会社・企業、団体・組織、引いては家庭や個人にも言えることですが、国内、社内、身内、家庭内、自分自身に何か悩みや問題があるとそれが国外、社外、組織・家庭外の隣人や世間・一般社会にも悪影響して負の連鎖を招くことになります。逆もまた真で、外で何か問題があると内にも問題が波及しがちですね。

『内憂外患』のリスクを未然に防止または回避出来ればベストですが、出来ずに悲哀を憂う人の側に寄り添い(憂に人偏をつけて優となるように)共感し、支えて優れた結果に導き、外の人も幸せにして歓ばす『内優外歓』と行きたいですね。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。