<!--:en-->Fred Korematsu: A National Civil Rights Hero<!--:--><!--:ja-->市民権擁立に影響を与えた日系アメリカ人コレマツ氏をミシガン知事が表彰<!--:--> 2

アナーバー市のハイスクールで学生を交えて式典開催とプレゼンテーション

 2014年1月30日、ミシガン市民権局(Michigan Department of Civil Rights)とアジア系アメリカ人会(Michigan Asian American Affairs Commission: MAPAAC)の共催企画によるフレッド・コレマツ氏(Fred Korematsu)にまつわるイベントがアナーバー市の公立高校(Huron High School)で催された。

 故コレマツ氏(1919年カルフォルニア生まれ、2005年没)は市民権擁立の歴史におけるキーパーソンである。2011年にカルフォルニア市では、彼の誕生日である1月30日を “Korematsu Day”と定めた。続いてハワイ州、イリノイ州でも公式な日に認定された。ミシガン州では現在“Korematsu Day”の公定を申請中であるが、この日にちなんで、「若者に、過去の悲劇を知ることを通して、市民の権利を守る大切さを知る機会になって欲しい」との願いの元、表彰およびプレゼンテーションが、昨年のTroy市のHigh schoolに続いて、今年はHuron High school(Ann Arbor, MI)で行われた。

 日系アメリカ人であった青年コレマツ氏(Fred Korematsu)は、真珠湾攻撃の直後に通達された申告の命令を拒否して逮捕され有罪判決を受けた。投獄は免れ、11万を超す日系人同様に強制収容所に送られた。その後、自由人権を擁護する団体の支援を受けて上告し、米最高裁まで争った。途中で恩赦を提示されたが、「国から許されるのでなく、詫びがあるべき」と、これを拒否し、断固戦い抜いた。ほぼ40年後の1983年に、「当局は裁判にあたり、スパイや逃亡の虚偽を行なった」との理由でようやく無罪と判決された。それは、個人の裁判の勝利であると同時に、戦中の日系アメリカ人に対する不当な対応を正すものであった。コレマツ氏は1998年にクリントン大統領より自由勲章(Presidential Medal of Freedom)を授与されている。

 ちなみに収容所を離れた後、ミシガン州デトロイトに移って製図工として働いた時期に当地で知り合った女性と結婚しており、ミシガン州はコレマツ氏ゆかりの地である。

 この日のミシガンでのイベントでは、コレマツ氏を「A National Civil Rights Hero」として称えるシュナイダー州知事署名入りの表彰状が読み上げられたほか、コレマツ氏の足跡を伝えるビデオ「Of Civil Wrong and rights: the fred korematsu story」の上映、続いて、ミシガン大学の歴史/法律の教授などがパネリストを務めてコレマツ氏の功績や市民権をはく奪された負の歴史に関する解説などが提供された。

 ビデオには生前のコレマツ氏や家族の肉声も織り込まれており、約20分間の上映中、学生たちは終始高い関心をみせて見入っていた。

 パネリストの一人、ミシガン大学教授アラマキ氏は戦争中は日本に居たそうだが、「私が育ったユタ州には日系人が多かったが、強制収容経験者は当時のことを話したがらない。一方、Korematsuは自身の経験をオープンにして“自由を取り上げることはできない”とのメッセージを出し続けた。」と話し、権利のために主張する必要を説いた。

 人権に関する著書も手掛けている作家Wang氏の娘である同校学生がWang氏によるスピーチ原稿を読み上げた。より身近な‘9.11’同時多発テロ後のアラブ系住人に対する一部の人のリアクションや、人種差別による他の事件を例に挙げて、人種や文化の偏見を持たずにお互いに権利を守る大切さを述べた。

 最後に、アナーバー在住の強制収容所体験者メイ・ワタナベさん(91歳)さんも壇上にあがった。「敵国民の血をもち、姿が似ているからと強制収容された。憲法は平等を謳っているのに全く意味をなさないことが理解できなかった。人間としての価値や尊厳をつぶされたが、私たちは従うしかなかった。」と述懐。コレマツ氏は立ち上がったことで状況を変えた、その意義を語り、小柄な体躯からは思いもよらない程の断固とした明瞭な口調で「私たちには異議を唱える権利がある。行動を起こすチャンスがある」と明言した。

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 校長は、過去の歴史を通して、同じことが起こらないように学生たちに学んで欲しいと願い、同校での開催を喜んで受け入れたという。閉会にあたって「Don’t be afraid to speak up.」と呼びかけた。

ビデオ「Of Civil Wrong and rights: the fred korematsu story」の一部がhttp://www.youtube.com/watch?v=SOGSnx2k7b8http://www.youtube.com/watch?v=ygkboaLM3do で公開されている。

コレマツ氏に関わる裁判やKorematsu Dayについての情報はThe Fred T. Korematsu Institute for Civil Rights and Education のホームページ korematsuinstitute.orgで。

アナーバー市のハイスクールで学生を交えて式典開催とプレゼンテーション

 2014年1月30日、ミシガン市民権局(Michigan Department of Civil Rights)とアジア系アメリカ人会(Michigan Asian American Affairs Commission: MAPAAC)の共催企画によるフレッド・コレマツ氏(Fred Korematsu)にまつわるイベントがアナーバー市の公立高校(Huron High School)で催された。

 故コレマツ氏(1919年カルフォルニア生まれ、2005年没)は市民権擁立の歴史におけるキーパーソンである。2011年にカルフォルニア市では、彼の誕生日である1月30日を “Korematsu Day”と定めた。続いてハワイ州、イリノイ州でも公式な日に認定された。ミシガン州では現在“Korematsu Day”の公定を申請中であるが、この日にちなんで、「若者に、過去の悲劇を知ることを通して、市民の権利を守る大切さを知る機会になって欲しい」との願いの元、表彰およびプレゼンテーションが、昨年のTroy市のHigh schoolに続いて、今年はHuron High school(Ann Arbor, MI)で行われた。

 日系アメリカ人であった青年コレマツ氏(Fred Korematsu)は、真珠湾攻撃の直後に通達された申告の命令を拒否して逮捕され有罪判決を受けた。投獄は免れ、11万を超す日系人同様に強制収容所に送られた。その後、自由人権を擁護する団体の支援を受けて上告し、米最高裁まで争った。途中で恩赦を提示されたが、「国から許されるのでなく、詫びがあるべき」と、これを拒否し、断固戦い抜いた。ほぼ40年後の1983年に、「当局は裁判にあたり、スパイや逃亡の虚偽を行なった」との理由でようやく無罪と判決された。それは、個人の裁判の勝利であると同時に、戦中の日系アメリカ人に対する不当な対応を正すものであった。コレマツ氏は1998年にクリントン大統領より自由勲章(Presidential Medal of Freedom)を授与されている。

 ちなみに収容所を離れた後、ミシガン州デトロイトに移って製図工として働いた時期に当地で知り合った女性と結婚しており、ミシガン州はコレマツ氏ゆかりの地である。

 この日のミシガンでのイベントでは、コレマツ氏を「A National Civil Rights Hero」として称えるシュナイダー州知事署名入りの表彰状が読み上げられたほか、コレマツ氏の足跡を伝えるビデオ「Of Civil Wrong and rights: the fred korematsu story」の上映、続いて、ミシガン大学の歴史/法律の教授などがパネリストを務めてコレマツ氏の功績や市民権をはく奪された負の歴史に関する解説などが提供された。

 ビデオには生前のコレマツ氏や家族の肉声も織り込まれており、約20分間の上映中、学生たちは終始高い関心をみせて見入っていた。

 パネリストの一人、ミシガン大学教授アラマキ氏は戦争中は日本に居たそうだが、「私が育ったユタ州には日系人が多かったが、強制収容経験者は当時のことを話したがらない。一方、Korematsuは自身の経験をオープンにして“自由を取り上げることはできない”とのメッセージを出し続けた。」と話し、権利のために主張する必要を説いた。

 人権に関する著書も手掛けている作家Wang氏の娘である同校学生がWang氏によるスピーチ原稿を読み上げた。より身近な‘9.11’同時多発テロ後のアラブ系住人に対する一部の人のリアクションや、人種差別による他の事件を例に挙げて、人種や文化の偏見を持たずにお互いに権利を守る大切さを述べた。

 最後に、アナーバー在住の強制収容所体験者メイ・ワタナベさん(91歳)さんも壇上にあがった。「敵国民の血をもち、姿が似ているからと強制収容された。憲法は平等を謳っているのに全く意味をなさないことが理解できなかった。人間としての価値や尊厳をつぶされたが、私たちは従うしかなかった。」と述懐。コレマツ氏は立ち上がったことで状況を変えた、その意義を語り、小柄な体躯からは思いもよらない程の断固とした明瞭な口調で「私たちには異議を唱える権利がある。行動を起こすチャンスがある」と明言した。

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 校長は、過去の歴史を通して、同じことが起こらないように学生たちに学んで欲しいと願い、同校での開催を喜んで受け入れたという。閉会にあたって「Don’t be afraid to speak up.」と呼びかけた。

ビデオ「Of Civil Wrong and rights: the fred korematsu story」の一部がhttp://www.youtube.com/watch?v=SOGSnx2k7b8http://www.youtube.com/watch?v=ygkboaLM3do で公開されている。

コレマツ氏に関わる裁判やKorematsu Dayについての情報はThe Fred T. Korematsu Institute for Civil Rights and Education のホームページ korematsuinstitute.orgで。

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