<!--:en-->2013 JBSD Music Festival<!--:--><!--:ja-->2013年度 JBSD音楽祭<!--:--> 9

JBSD(デトロイト日本商工会)文化部会主催の音楽祭 “JBSD Music Festival”が、12月8日(日)、Novi Middle School Auditoriumにて開催された。この音楽イベントは、過去にデトロイトのベルアイル島で行なわれていたJBSD主催による桜祭り・写生大会の一環のタレントショー部門として2003年に始まり、のちに写生大会の会場がデトロイト動物園に移転したことを機に、音楽祭として独立した。年々変遷し、形式は推移しながらも、これまで脈々と継続されてきた。

今年は、バンド演奏を中心に、男声合唱、ピアノ独奏など、昨年より3組多い10組の出演により、変化に富んだメリハリのあるプログラム構成で繰り広げられた。JBSD会員及びその家族とりんご会補習授業校生徒・卒業生を含む個人又はグループを対象に出場者が募集されるが、年々顔ぶれは入れ替わりながらも充実した内容の参加者が保たれている。会場となった講堂では、エネルギッシュに演奏する出場者たちと、その応援に来場した家族連れや友人、音楽好きの人々が暖かい雰囲気で場を盛り上げた。

幕開けは「音もだち合唱団」による男声合唱クインテット。ホワイトパイン・グリークラブに所属する5人が日本男声合唱の代表作曲家多田武彦の処女作『柳河風俗詩(北原白秋詩)』などを重厚な温かい歌声で届けた。これまでの音楽祭ではヤングパワー全開のバンド演奏で幕開けすることが多かったが、この度は日本の風景や情緒を描いた曲の数々で落ち着いたスタートを切った。

バトンを受け継いだのは、頼もしい成人男性ドラマーと初々しい女子高校生らで構成されているユニークなバンド「メネアの森の人食いらいおん」。バンド名同様にメンバー紹介も個性的に、早口言葉での他己紹介が場を沸かせた。カラフルな服をまとった溌剌とした姿とフレッシュな歌声が光り、観客の手拍子も入り、明るい空気に包まれた。

続く「イアンとエリ」は、43年前の大学時代にアメリカフォークソングの大御所ピーターポールアンドマリーに魅了された同志4名でバンドを結成し、当時はラジオにも出たメンバーだったというご夫妻の、味のあるデュエット。『悲惨な戦争』やゴスペルに続き、1960年代にアメリカ第二の国歌と言われた『500 Miles』では会場の聴衆に呼びかけ共に歌った。表情や曲の解説、語りに、熟練の豊かさが感じられた。

メンバー2人の帰国が決まり、これがラストステージという「iVon6」は、昨年に続いて懐かしのJ-Rockの名曲を届け会場を沸かせた。世代を超えて親しまれる曲を選び、駆けつけた応援団の声援の飛ぶ中で力強く熱演する彼らとの別れが惜しまれた。

「ショパン三世」は過去の音楽祭では大好きなショパンの曲のピアノ演奏を届けてきたが、今回はそれに加えてリストに挑戦。難しい曲を落ち着いて、正確なタッチで弾きこなし、聴衆を魅了した。

出場順が一つ飛ぶが、男子高校生「りょういち」もクラシックのピアノ演奏を披露。ラベル『水の戯れ』を滑らかな動きで華麗に、そして巧みに弾いた。若者や子供たちにクラシックの世界を身近に感じさせたことであろう。

後半。デジタルプログラマーを含む「LOCUS」は2年ぶりの参加で、今回は生ドラムとラップのサポーターを引き連れ、電子音楽とラップによるオリジナル曲を披露した。ミシガンに根を生やし活動している彼等からの「この場所で歌い続けるよ」という歌詞など、熱いメッセージとビートが会場一杯に広がった。

「KCB」は軽めのロックを小気味良いリズムで音量豊かに演奏。4人中3人が赤いトップ、一人はサンタ帽子といういでたちは12月に相応しく、ハートフルな演奏とともにホリデームードに胸躍らせるエネルギーをも感じさせた。

因みに、司会の二人も途中でサンタクロースに衣装替え。会場の子供たち皆にプレゼントを配るというサプライズも飛び出し、息の合ったコンビの元気で楽しい進行が、終始一貫イベントを支え、盛り上げていた。

客席が大いに盛り上がったなかでの登場は本音楽祭のレギュラー的存在である「B4」。「B4」のBはブルースであるが、今回はビートルズの曲で固め、4人で生き生きと演奏。ビートルズの中でも、最初のアルバムの1番初めに入っている曲など、初期の曲を中心に綴った。「音楽はその当時にスリップさせる力がある」と言われるが、その通り、演奏者も(壮年の)聴衆も若返った様子であった。

トリを務めたのは正統派ハードロック集団「K’s」。玄人はだしのパフォーマンスと衣装で難易度の高いハードロックを炸裂させフィナーレを盛り上げた。会場では熱烈なファンが頭を揺すってノリノリの姿も見られ、アンコールの声も掛かり、活力ほとばしる賑やかな音の御祭りは打ち上げ花火の如く最高潮と達して、寒い冬のミシガンの一日に熱気をみなぎらせた。

☆ ☆ ☆

この音楽祭には家族連れや幅広い世代が足を運び、普段は馴染みの薄いジャンルの音楽や一世代前の曲に触れることの出来る良い機会にもなっている。印象的であったのは、ジャンルや年齢の異なる出演者たちが音楽の話に盛り上がったり、一致協力してステージの準備や片づけを進めるなど、歴史と共に絆や組織力が築かれていること。常連の出演者が初出場者に和やかに声をかける姿もあり、音楽を通した輪が広がっていることが窺えた。将来の更なる展開が楽しみである。

JBSD(デトロイト日本商工会)文化部会主催の音楽祭 “JBSD Music Festival”が、12月8日(日)、Novi Middle School Auditoriumにて開催された。この音楽イベントは、過去にデトロイトのベルアイル島で行なわれていたJBSD主催による桜祭り・写生大会の一環のタレントショー部門として2003年に始まり、のちに写生大会の会場がデトロイト動物園に移転したことを機に、音楽祭として独立した。年々変遷し、形式は推移しながらも、これまで脈々と継続されてきた。

今年は、バンド演奏を中心に、男声合唱、ピアノ独奏など、昨年より3組多い10組の出演により、変化に富んだメリハリのあるプログラム構成で繰り広げられた。JBSD会員及びその家族とりんご会補習授業校生徒・卒業生を含む個人又はグループを対象に出場者が募集されるが、年々顔ぶれは入れ替わりながらも充実した内容の参加者が保たれている。会場となった講堂では、エネルギッシュに演奏する出場者たちと、その応援に来場した家族連れや友人、音楽好きの人々が暖かい雰囲気で場を盛り上げた。

幕開けは「音もだち合唱団」による男声合唱クインテット。ホワイトパイン・グリークラブに所属する5人が日本男声合唱の代表作曲家多田武彦の処女作『柳河風俗詩(北原白秋詩)』などを重厚な温かい歌声で届けた。これまでの音楽祭ではヤングパワー全開のバンド演奏で幕開けすることが多かったが、この度は日本の風景や情緒を描いた曲の数々で落ち着いたスタートを切った。

バトンを受け継いだのは、頼もしい成人男性ドラマーと初々しい女子高校生らで構成されているユニークなバンド「メネアの森の人食いらいおん」。バンド名同様にメンバー紹介も個性的に、早口言葉での他己紹介が場を沸かせた。カラフルな服をまとった溌剌とした姿とフレッシュな歌声が光り、観客の手拍子も入り、明るい空気に包まれた。

続く「イアンとエリ」は、43年前の大学時代にアメリカフォークソングの大御所ピーターポールアンドマリーに魅了された同志4名でバンドを結成し、当時はラジオにも出たメンバーだったというご夫妻の、味のあるデュエット。『悲惨な戦争』やゴスペルに続き、1960年代にアメリカ第二の国歌と言われた『500 Miles』では会場の聴衆に呼びかけ共に歌った。表情や曲の解説、語りに、熟練の豊かさが感じられた。

メンバー2人の帰国が決まり、これがラストステージという「iVon6」は、昨年に続いて懐かしのJ-Rockの名曲を届け会場を沸かせた。世代を超えて親しまれる曲を選び、駆けつけた応援団の声援の飛ぶ中で力強く熱演する彼らとの別れが惜しまれた。

「ショパン三世」は過去の音楽祭では大好きなショパンの曲のピアノ演奏を届けてきたが、今回はそれに加えてリストに挑戦。難しい曲を落ち着いて、正確なタッチで弾きこなし、聴衆を魅了した。

出場順が一つ飛ぶが、男子高校生「りょういち」もクラシックのピアノ演奏を披露。ラベル『水の戯れ』を滑らかな動きで華麗に、そして巧みに弾いた。若者や子供たちにクラシックの世界を身近に感じさせたことであろう。

後半。デジタルプログラマーを含む「LOCUS」は2年ぶりの参加で、今回は生ドラムとラップのサポーターを引き連れ、電子音楽とラップによるオリジナル曲を披露した。ミシガンに根を生やし活動している彼等からの「この場所で歌い続けるよ」という歌詞など、熱いメッセージとビートが会場一杯に広がった。

「KCB」は軽めのロックを小気味良いリズムで音量豊かに演奏。4人中3人が赤いトップ、一人はサンタ帽子といういでたちは12月に相応しく、ハートフルな演奏とともにホリデームードに胸躍らせるエネルギーをも感じさせた。

因みに、司会の二人も途中でサンタクロースに衣装替え。会場の子供たち皆にプレゼントを配るというサプライズも飛び出し、息の合ったコンビの元気で楽しい進行が、終始一貫イベントを支え、盛り上げていた。

客席が大いに盛り上がったなかでの登場は本音楽祭のレギュラー的存在である「B4」。「B4」のBはブルースであるが、今回はビートルズの曲で固め、4人で生き生きと演奏。ビートルズの中でも、最初のアルバムの1番初めに入っている曲など、初期の曲を中心に綴った。「音楽はその当時にスリップさせる力がある」と言われるが、その通り、演奏者も(壮年の)聴衆も若返った様子であった。

トリを務めたのは正統派ハードロック集団「K’s」。玄人はだしのパフォーマンスと衣装で難易度の高いハードロックを炸裂させフィナーレを盛り上げた。会場では熱烈なファンが頭を揺すってノリノリの姿も見られ、アンコールの声も掛かり、活力ほとばしる賑やかな音の御祭りは打ち上げ花火の如く最高潮と達して、寒い冬のミシガンの一日に熱気をみなぎらせた。

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この音楽祭には家族連れや幅広い世代が足を運び、普段は馴染みの薄いジャンルの音楽や一世代前の曲に触れることの出来る良い機会にもなっている。印象的であったのは、ジャンルや年齢の異なる出演者たちが音楽の話に盛り上がったり、一致協力してステージの準備や片づけを進めるなど、歴史と共に絆や組織力が築かれていること。常連の出演者が初出場者に和やかに声をかける姿もあり、音楽を通した輪が広がっていることが窺えた。将来の更なる展開が楽しみである。

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