『師走』に入り、サンクスギビングのショッピング狂想曲もややペースダウンして今年もいよいよ余すところひと月を切りました。先月鳴り物入りの前評判で世間を騒がせたアイソン彗星は、思ったほどの華々しさはなく正に「大山鳴動してねずみ一匹」の結果に終わりました。期待が大きい程、失望・落胆も大きいのは世の常で各地で早朝あるいは深夜に観測した人達にはちょっと気の毒でした。

 そう言えば、先月号の前書きで触れた小さな願い事が叶い、ワールドシリーズで ボストン・レッドソックスが、日本シリーズでは楽天ゴールデン・イーグルスが 見事優勝。前者は上原投手が、後者は田中投手がそれぞれ胴上げ投手となりまし た。おめでとうございます!!ワールドシリーズも過去に前例の無いプレーがい くつかありましたが、やはり日本シリーズの筋書きがあってないような展開と結 末が印象的でした。特に仙台での第6戦。投手ローテーションがピッタリはまっ て楽天が敵地の第5戦を終えて3勝2敗と王手を掛け、地元に戻って今シーズン 無敗のエース田中投手の登板、とこれ以上ない理想的な展開でそのまますんなり 優勝かと思われた場面で、敵役に回った感のある巨人軍新人の菅野投手がこちら は今シーズン連敗なしの看板を引っさげて登場。「野球は筋書きの無いドラマ」 と言いますが、まるで日本の何処かのテレビ局でやらせが発覚し継続中止になっ た番組ではありませんが、『矛と盾』の対決。結果はご承知のように菅野投手に 凱歌が上がり、最終第7戦。前日165球投げた田中投手が9回表クローザーと して連投して雪辱、初の日本一。まるで映画か小説のストーリーのような結末で しびれました。現在日米間でもめている新ポスティングシステムが合意に至り、 来シーズンからMLBで田中投手がプレイするのを是非観たいですね。

 ついつい前書きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは『矛と盾とオバマ・ ケア』です。

 『矛盾』という熟語として使われ、元々中国の故事に由来する言葉であります が、最近何故か日本でも米国でも矛盾を感じさせる出来事がちょくちょくニュー スになっていますね。

 日本では、説明責任を問われて借入金と言い訳している猪瀬東京都知事と医療法人徳州会間の選挙・政治資金贈収賄疑惑。その少し前から全国に飛び火している有名ホテル・レストランの食品偽装、不正表示問題。

 米国では、先日合意・締結した米国(他先進5カ国)・イラン間の原子力平和利用限定化と法的制裁措置の一部緩和契約。それに日替わりのように話題に事欠かない米国健康保険改革法、いわゆる『オバマ・ケア』関連の混乱があります。日本国内の問題は割愛し米国での問題に焦点を絞りますと、先ずイランの原子力問題では、ジュネーブにて難航しながらもイランと米国を含めた6カ国間で契約合意・締結に至り万々歳と速報されましたが、その後ホワイトハウスのステートメントとして発表され、ウェブサイトにも掲示された米国側の内容説明に対し、イラン側は「事実と異なる」とクレームし、また中近東での米国の友好国であるイスラエル、サウジアラビア両国は当該契約締結は『とんでもない過ち』であると直ちに批判声明を出して露骨に不評を買っております。

 一体全体何が事実で本当なのか?具体的に合意された(という)内容はどうだったのか?契約そのものは米国政府のウェブサイトにも掲示され誰でも閲覧出来るとの事ですが、仮にそれを見ても政治・原子力関連の専門用語など正確に理解出来るかどうか確たる自信はありません。無用な核の脅威は避けたいものです。

 もう一つは、所期の思惑と異なり今や「悪名高き」に近いオバマ・ケアです。

 過去何十年にわたって何度も米国議会の議案に上りながら共和党の根強い反対に会い否決、廃案、見送りになり続けて来た理想の『国民皆保険』の立法化を史上初めて現民主党・オバマ政権が実現した最大の目玉であり、米国の歴史に残る画期的な改革である筈の法律が10月1日実効開始直後から政府運営管理のウェブサイトにアクセス出来ない、アクセスが途中で切れる、個人情報が漏洩するリスクがある、入力した個人情報が正しく記録・保存されないなどの不備・不具合が発見され、担当責任者が議会証言に召還され、大混乱を来たしているのはご存知の如くです。丁度この原稿作成日が約束されたウェブサイト修正作業完了の期日ですが、果たしてどうなりますか?

 また、オバマ大統領自身が立法化以前から議会や国民向けの演説で繰り返していた「立法化後も今現在加入している健保をそのまま続けたければ、続けられる」との(今となっては不用意な)説明・発言が各保険会社の法令に沿った付保内容変更、料金見直しの結果、今までと同じ保険商品が継続出来ず打ち切りになったり、通常でも毎年上がる支払い保険料が極端に値上がりするため維持継続出来ないケースが出て来て「話が違う」と中間所得層を中心に不信感を煽っており、オバマ大統領の支持率(就任後最低レベル)、民主党の支持率を圧迫する事態となっています。

 このままでは『オバマ・ケア』ではなく「オバマ・ダズント・ケア」=(オバマ大統領はきちんと面倒を見てくれない)などと皮肉な声も聞こえて来そうです。巳年の今年も残りわずか、午年の来年こそ何事もウマく行って欲しいものです。お後がよろしいようで。

 では皆さん、少し早いですが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

 『師走』に入り、サンクスギビングのショッピング狂想曲もややペースダウンして今年もいよいよ余すところひと月を切りました。先月鳴り物入りの前評判で世間を騒がせたアイソン彗星は、思ったほどの華々しさはなく正に「大山鳴動してねずみ一匹」の結果に終わりました。期待が大きい程、失望・落胆も大きいのは世の常で各地で早朝あるいは深夜に観測した人達にはちょっと気の毒でした。

 そう言えば、先月号の前書きで触れた小さな願い事が叶い、ワールドシリーズで ボストン・レッドソックスが、日本シリーズでは楽天ゴールデン・イーグルスが 見事優勝。前者は上原投手が、後者は田中投手がそれぞれ胴上げ投手となりまし た。おめでとうございます!!ワールドシリーズも過去に前例の無いプレーがい くつかありましたが、やはり日本シリーズの筋書きがあってないような展開と結 末が印象的でした。特に仙台での第6戦。投手ローテーションがピッタリはまっ て楽天が敵地の第5戦を終えて3勝2敗と王手を掛け、地元に戻って今シーズン 無敗のエース田中投手の登板、とこれ以上ない理想的な展開でそのまますんなり 優勝かと思われた場面で、敵役に回った感のある巨人軍新人の菅野投手がこちら は今シーズン連敗なしの看板を引っさげて登場。「野球は筋書きの無いドラマ」 と言いますが、まるで日本の何処かのテレビ局でやらせが発覚し継続中止になっ た番組ではありませんが、『矛と盾』の対決。結果はご承知のように菅野投手に 凱歌が上がり、最終第7戦。前日165球投げた田中投手が9回表クローザーと して連投して雪辱、初の日本一。まるで映画か小説のストーリーのような結末で しびれました。現在日米間でもめている新ポスティングシステムが合意に至り、 来シーズンからMLBで田中投手がプレイするのを是非観たいですね。

 ついつい前書きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは『矛と盾とオバマ・ ケア』です。

 『矛盾』という熟語として使われ、元々中国の故事に由来する言葉であります が、最近何故か日本でも米国でも矛盾を感じさせる出来事がちょくちょくニュー スになっていますね。

 日本では、説明責任を問われて借入金と言い訳している猪瀬東京都知事と医療法人徳州会間の選挙・政治資金贈収賄疑惑。その少し前から全国に飛び火している有名ホテル・レストランの食品偽装、不正表示問題。

 米国では、先日合意・締結した米国(他先進5カ国)・イラン間の原子力平和利用限定化と法的制裁措置の一部緩和契約。それに日替わりのように話題に事欠かない米国健康保険改革法、いわゆる『オバマ・ケア』関連の混乱があります。日本国内の問題は割愛し米国での問題に焦点を絞りますと、先ずイランの原子力問題では、ジュネーブにて難航しながらもイランと米国を含めた6カ国間で契約合意・締結に至り万々歳と速報されましたが、その後ホワイトハウスのステートメントとして発表され、ウェブサイトにも掲示された米国側の内容説明に対し、イラン側は「事実と異なる」とクレームし、また中近東での米国の友好国であるイスラエル、サウジアラビア両国は当該契約締結は『とんでもない過ち』であると直ちに批判声明を出して露骨に不評を買っております。

 一体全体何が事実で本当なのか?具体的に合意された(という)内容はどうだったのか?契約そのものは米国政府のウェブサイトにも掲示され誰でも閲覧出来るとの事ですが、仮にそれを見ても政治・原子力関連の専門用語など正確に理解出来るかどうか確たる自信はありません。無用な核の脅威は避けたいものです。

 もう一つは、所期の思惑と異なり今や「悪名高き」に近いオバマ・ケアです。

 過去何十年にわたって何度も米国議会の議案に上りながら共和党の根強い反対に会い否決、廃案、見送りになり続けて来た理想の『国民皆保険』の立法化を史上初めて現民主党・オバマ政権が実現した最大の目玉であり、米国の歴史に残る画期的な改革である筈の法律が10月1日実効開始直後から政府運営管理のウェブサイトにアクセス出来ない、アクセスが途中で切れる、個人情報が漏洩するリスクがある、入力した個人情報が正しく記録・保存されないなどの不備・不具合が発見され、担当責任者が議会証言に召還され、大混乱を来たしているのはご存知の如くです。丁度この原稿作成日が約束されたウェブサイト修正作業完了の期日ですが、果たしてどうなりますか?

 また、オバマ大統領自身が立法化以前から議会や国民向けの演説で繰り返していた「立法化後も今現在加入している健保をそのまま続けたければ、続けられる」との(今となっては不用意な)説明・発言が各保険会社の法令に沿った付保内容変更、料金見直しの結果、今までと同じ保険商品が継続出来ず打ち切りになったり、通常でも毎年上がる支払い保険料が極端に値上がりするため維持継続出来ないケースが出て来て「話が違う」と中間所得層を中心に不信感を煽っており、オバマ大統領の支持率(就任後最低レベル)、民主党の支持率を圧迫する事態となっています。

 このままでは『オバマ・ケア』ではなく「オバマ・ダズント・ケア」=(オバマ大統領はきちんと面倒を見てくれない)などと皮肉な声も聞こえて来そうです。巳年の今年も残りわずか、午年の来年こそ何事もウマく行って欲しいものです。お後がよろしいようで。

 では皆さん、少し早いですが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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