巳年の今年も折り返し点を過ぎて7月に入りました。ミシガンでもいつの間にか周りは何処も緑が濃くなり夏至を境に蒸し暑い日が続いて夏らしくなって来ました。今年のミシガンは巨大都市のニューヨークやまだ梅雨が明けない日本の東京、名古屋よりも気温が高い日が多いような気がします。正確な記録を見ている訳ではありませんが、例年よりミシガンの気温が高いと言うよりも他の都市の気温が例年よりやや低い感じです。一方米国南西部では華氏100度を超える猛暑日が一気に増えて、先般連日ニュースで報道されたハリケーン被害に代わってこのところ各地で集中豪雨と突発性洪水のニュースが頻繁に聞かれます。プロスポーツの世界ではアイスホッケープレイオフファイナルでシカゴ・ブラックホークスがボストン・ブルーインズとの激戦を制して優勝しスタンレーカップを手にしました。またバスケットボールではマイアミ・ヒートがサンアントニオ・スパーズとの最終第7戦までもつれ込んだ正に死闘を紙一重で制して2連覇。プロ野球では地元デトロイト・タイガースが前評判通りアリーグ中地区の首位をキープ。西地区のテキサス・レンジャースも首位にいるものの2位のオークランド・アスレチックスが急接近。ダルビッシュ投手が7勝目を上げた後登板7試合勝ちがないのが気掛かりです。そして目下進行中のウィンブルドンテニス。今年はシード選手、有力選手が次々と棄権したり番狂わせで敗れたりと全く予想外の事態で最後までどうなるか予断を許しません。
さて、今月号のテーマは『働くことの意味』です。

 何を今更!?と思われる方も多いかもしれませんが、米国内の失業率がまだまだ高く、日本や中国で大学・高校新卒者の就職率が伸び悩んでいたり、非正規社員と呼ばれる契約・派遣社員、パートやアルバイトなどの臨時雇用、一時雇用が増加する一方で働きたくても働けない人達、ニートやパラサイトと呼ばれる働く気のない人達も沢山いるこの時代に「働く」ことの意味を私達一人ひとりがもう一度考えてみるのも無駄ではないと思います。

 生活費を稼ぐため、家族・子供を養うためなど極めて一般的で直接的なものから、日本国民として働く義務と納税の義務を果たすという真面目でお堅いもの、自分の夢や希望の実現、自己顕示、自分の能力・才能の表現など自分個人の存在を明示したり誇示する自己表現・実現的もの、社会貢献・人助けなど自分以外の人達のためなど他を利する他利貢献的ものなど色々と考えられます。音楽や絵画などの芸術、映画や舞台などの演技・演奏で自分の能力・才能を発揮しながら自分自身の喜び、達成感とともに収入を得たり、病院や介護施設で患者さんや施設利用者の治療、看護、介護を通して社会貢献・人助けして充実感を味わいながら収入を得るなど、これらの幾つかの要素が混在するケースも多いと思います。

 ここでは少し切り口を変えて、最近たまたまネットで目にした「働く」の別表記で傍(はた)楽(らく)に触れたいと思います。

 そのネット記事(正確にはブログの投稿コメント)にはその表記について特に詳しい説明はありませんでしたが、『傍(はた)楽(らく)』という文字を見た私の脳は新鮮な刺激を受けて一気に覚醒し、あれこれと考えが浮かびクルクルと回り始めた次第です。

 皆さんも同じ様な事をすぐに思い浮かべるでしょうから大した脳の働きでもないですが、傍(はた)は自分以外の他人、周りの人達、第三者ですね。もっと想像を広げると自分が属していない他の会社・組織・団体、国や地方、都市、人種や年齢、性別も傍(はた)と言えます。

 また、楽(らく)は「楽をする」、「楽をさせる」の(らく)の他に楽(たの)しむと読む事も出来ます。つまり、傍(はた)楽(らく)とは自分以外の他の人達、周りの人達を楽にさせたり、楽しませる事なのです。こういう意味の「働く」がもっと沢山あってもいいですね。

 自分が働き頑張ってやった事で他の人が楽になり、楽しくなる。当然喜ばれて感謝もされる。達成感、充実感、満足感が得られる。それこそ毎日働くのが楽しくなりそうな感じです。

 一般の会社勤めの仕事もそうですし、病気や怪我、ハンディキャップで苦しんでいる人達を助けて楽にしてあげる。歌を歌ったり、楽器を演奏したり、絵を描いたり、映画や舞台、テレビ、ビデオで演技をしたり、スポーツの試合でプレイしたりして観客や視聴者を楽しませる。新鮮で安全な食材、食料品を提供して後の作業を安心して楽してもらったり、美味しい料理やデザートを作って楽しんでもらう。これら全てが傍(はた)楽(らく)そのものですね。

 会社でも家庭でもいつも眉間にしわを寄せて肩をいからせ怖い顔していやいや「働く」ばかりでなく、傍(はた)楽(らく)の心構えで仕事に向き合えば、毎日の仕事が少しだけ違って見えるかもしれません。いつやるの?今でしょ!(笑)

 傍(はた)楽(らく)皆さん、今日も一日頑張りましょう!!

たが、これが日本のマスメディア報道の標準的表現手法なのかと驚きました。もっと体裁の良い、気の利いた表現は出来ないのでしょうか?『原文ママ』は分かったけど『原文パパ』は何処にいるの?と皮肉の一つも言いたくなります。

 日本から遠く離れて米国にいる私達は、その分外から客観的にかつ冷静に日本と日本人を観る事が出来ます。日本語についても先達が数千年も掛けて作り上げ、育んで来た美しい日本語を日本国内に居る日本人以上に慈しみ大切にして使わなければならないと思うのは私だけでない事を願います。

皆さん、美しい日本語を大切にしましょう!!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

 巳年の今年も折り返し点を過ぎて7月に入りました。ミシガンでもいつの間にか周りは何処も緑が濃くなり夏至を境に蒸し暑い日が続いて夏らしくなって来ました。今年のミシガンは巨大都市のニューヨークやまだ梅雨が明けない日本の東京、名古屋よりも気温が高い日が多いような気がします。正確な記録を見ている訳ではありませんが、例年よりミシガンの気温が高いと言うよりも他の都市の気温が例年よりやや低い感じです。一方米国南西部では華氏100度を超える猛暑日が一気に増えて、先般連日ニュースで報道されたハリケーン被害に代わってこのところ各地で集中豪雨と突発性洪水のニュースが頻繁に聞かれます。プロスポーツの世界ではアイスホッケープレイオフファイナルでシカゴ・ブラックホークスがボストン・ブルーインズとの激戦を制して優勝しスタンレーカップを手にしました。またバスケットボールではマイアミ・ヒートがサンアントニオ・スパーズとの最終第7戦までもつれ込んだ正に死闘を紙一重で制して2連覇。プロ野球では地元デトロイト・タイガースが前評判通りアリーグ中地区の首位をキープ。西地区のテキサス・レンジャースも首位にいるものの2位のオークランド・アスレチックスが急接近。ダルビッシュ投手が7勝目を上げた後登板7試合勝ちがないのが気掛かりです。そして目下進行中のウィンブルドンテニス。今年はシード選手、有力選手が次々と棄権したり番狂わせで敗れたりと全く予想外の事態で最後までどうなるか予断を許しません。
さて、今月号のテーマは『働くことの意味』です。

 何を今更!?と思われる方も多いかもしれませんが、米国内の失業率がまだまだ高く、日本や中国で大学・高校新卒者の就職率が伸び悩んでいたり、非正規社員と呼ばれる契約・派遣社員、パートやアルバイトなどの臨時雇用、一時雇用が増加する一方で働きたくても働けない人達、ニートやパラサイトと呼ばれる働く気のない人達も沢山いるこの時代に「働く」ことの意味を私達一人ひとりがもう一度考えてみるのも無駄ではないと思います。

 生活費を稼ぐため、家族・子供を養うためなど極めて一般的で直接的なものから、日本国民として働く義務と納税の義務を果たすという真面目でお堅いもの、自分の夢や希望の実現、自己顕示、自分の能力・才能の表現など自分個人の存在を明示したり誇示する自己表現・実現的もの、社会貢献・人助けなど自分以外の人達のためなど他を利する他利貢献的ものなど色々と考えられます。音楽や絵画などの芸術、映画や舞台などの演技・演奏で自分の能力・才能を発揮しながら自分自身の喜び、達成感とともに収入を得たり、病院や介護施設で患者さんや施設利用者の治療、看護、介護を通して社会貢献・人助けして充実感を味わいながら収入を得るなど、これらの幾つかの要素が混在するケースも多いと思います。

 ここでは少し切り口を変えて、最近たまたまネットで目にした「働く」の別表記で傍(はた)楽(らく)に触れたいと思います。

 そのネット記事(正確にはブログの投稿コメント)にはその表記について特に詳しい説明はありませんでしたが、『傍(はた)楽(らく)』という文字を見た私の脳は新鮮な刺激を受けて一気に覚醒し、あれこれと考えが浮かびクルクルと回り始めた次第です。

 皆さんも同じ様な事をすぐに思い浮かべるでしょうから大した脳の働きでもないですが、傍(はた)は自分以外の他人、周りの人達、第三者ですね。もっと想像を広げると自分が属していない他の会社・組織・団体、国や地方、都市、人種や年齢、性別も傍(はた)と言えます。

 また、楽(らく)は「楽をする」、「楽をさせる」の(らく)の他に楽(たの)しむと読む事も出来ます。つまり、傍(はた)楽(らく)とは自分以外の他の人達、周りの人達を楽にさせたり、楽しませる事なのです。こういう意味の「働く」がもっと沢山あってもいいですね。

 自分が働き頑張ってやった事で他の人が楽になり、楽しくなる。当然喜ばれて感謝もされる。達成感、充実感、満足感が得られる。それこそ毎日働くのが楽しくなりそうな感じです。

 一般の会社勤めの仕事もそうですし、病気や怪我、ハンディキャップで苦しんでいる人達を助けて楽にしてあげる。歌を歌ったり、楽器を演奏したり、絵を描いたり、映画や舞台、テレビ、ビデオで演技をしたり、スポーツの試合でプレイしたりして観客や視聴者を楽しませる。新鮮で安全な食材、食料品を提供して後の作業を安心して楽してもらったり、美味しい料理やデザートを作って楽しんでもらう。これら全てが傍(はた)楽(らく)そのものですね。

 会社でも家庭でもいつも眉間にしわを寄せて肩をいからせ怖い顔していやいや「働く」ばかりでなく、傍(はた)楽(らく)の心構えで仕事に向き合えば、毎日の仕事が少しだけ違って見えるかもしれません。いつやるの?今でしょ!(笑)

 傍(はた)楽(らく)皆さん、今日も一日頑張りましょう!!

たが、これが日本のマスメディア報道の標準的表現手法なのかと驚きました。もっと体裁の良い、気の利いた表現は出来ないのでしょうか?『原文ママ』は分かったけど『原文パパ』は何処にいるの?と皮肉の一つも言いたくなります。

 日本から遠く離れて米国にいる私達は、その分外から客観的にかつ冷静に日本と日本人を観る事が出来ます。日本語についても先達が数千年も掛けて作り上げ、育んで来た美しい日本語を日本国内に居る日本人以上に慈しみ大切にして使わなければならないと思うのは私だけでない事を願います。

皆さん、美しい日本語を大切にしましょう!!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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