今年の上半期最後の月6月に入りました。デトロイト近辺では4月前半に結構暑い日があったものの春分の日を過ぎてから逆に寒い日が続き、夏どころか本格的な春にもならないかと気を揉んでいましたが、メモリアルデーの連休前にようやく夏到来というか突然30℃を超す真夏日。もう少しで35℃以上の猛暑日で新記録になるところでしたね。まるで生身の人体を使って耐熱試験かヒート・サイクル・テスト(冷熱衝撃試験)をしているような感じでした。夏も涼しい筈のミシガンに居て熱中症にでもなったら笑えない冗談になるので、水分補給は欠かせません。定番のスポーツの話題ではアイスホッケーのデトロイト・レッドウィングスがプレイオフ第2ラウンドでシカゴ・ブラックホークスを後一歩まで追い詰めながら最終第7戦延長で涙を呑みました。ストライキの影響で短縮された今年のレギュラーシーズンではプレイ内容も戦績も悪く、残り数試合になってもプレイオフ進出できないのではないかとハラハラさせられました。第1ラウンドもアナハイム・ダックスを相手に2勝3敗とリードされた後2試合連勝して勝ち上がりましたが、レギュラーシーズン戦績首位で#1シードのシカゴの壁は厚く跳ね返されてしまいました。総じて守備の弱さ、パックへの寄付きとコントロールの甘さ、パスとシュートの精度不足が目立ち、実力で勝るシカゴの軍門に下りました。夏から秋にかけての楽しみはMLBのタイガースに期待しましょう。

 さて、今月号のテーマは『美しい日本語は何処へ?』です。

 もう何年も前から日本語の乱れがしばしば指摘され、出版物やテレビ番組でも時々話題になりますが、私達が愛する美しい日本語は一体何処へ行ってしまう(行ってしまった)のでしょうか?

書き言葉にしても話し言葉にしても特にここ数年目にしたり耳にしたりする日本語の乱れは目を疑い、耳を覆いたくなるような惨状です。

 職場でも家庭でも、公共の場所でも私的な場所でも無礼で粗野な話し方、言い回しが氾濫しています。上下関係や老若の年齢差、公私の別などを無視したような発言や記述が度々見受けられます。

 一つの例が『タメ口』と呼ばれる愛想のないぞんざいな話し方です。本来ならば自分と同等、同格の相手にしか使わない口の利き方であり目上の人、年上の人に対しては大変失礼な事になりますが、半世紀ほど前に不良少年達が使い始めたものがその後不良に憧れる一面のある一般の若者達の間にも徐々に広がり、現在に至ったようです。今では若者だけでなく、いい歳をしたオジサン、オバサン達も使っています。

 一部の歌手、芸能人やタレントがタメ口を使うのを「カッコいい!」と思って真似する人が多いようですが、タメ口を売りにしているタレントもいたりして、その点で公共性のあるテレビ、ラジオ、新聞、出版物など報道・放送・通信メディアの影響は罪深いですね。

それに更に追い討ちをかけているのが、インターネットを介したメール、ブログ、ツイッター、ミキシー、フェースブック、スカイプチャットなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)とユーチューブ、ニコニコ動画、ユーストリームなどの動画放送・配信サービスです。

使い方と目的を間違わなければ、人助け、悩み相談、善意の募金活動など多くの人にとって良い事、役に立つ事、素晴らしい事を瞬時にかつ同時に不特定多数の視聴者に伝えられる強力なツールでありますが、残念ながら良い事よりも悪い事の方が数多く、しかも一早く伝わる傾向があり、日本語の乱れに拍車を掛けています。「朱に交われば赤くなる」、「悪貨は良貨を駆逐する」の類ですね。

もう一つの例が、新聞やネット記事の表現で当事者の発言・記述や関連ニュースを記載した内容を他所から引用する際に文末に(原文ママ)と付記するのを頻繁に見掛けます。「元々の原文を何も変えずにそのまま掲載しています」という意味だと思われますが、初めて目にした時は一瞬???となりました。前後関係からすぐに理解できましたが、これが日本のマスメディア報道の標準的表現手法なのかと驚きました。もっと体裁の良い、気の利いた表現は出来ないのでしょうか?『原文ママ』は分かったけど『原文パパ』は何処にいるの?と皮肉の一つも言いたくなります。

 日本から遠く離れて米国にいる私達は、その分外から客観的にかつ冷静に日本と日本人を観る事が出来ます。日本語についても先達が数千年も掛けて作り上げ、育んで来た美しい日本語を日本国内に居る日本人以上に慈しみ大切にして使わなければならないと思うのは私だけでない事を願います。

皆さん、美しい日本語を大切にしましょう!!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

 今年の上半期最後の月6月に入りました。デトロイト近辺では4月前半に結構暑い日があったものの春分の日を過ぎてから逆に寒い日が続き、夏どころか本格的な春にもならないかと気を揉んでいましたが、メモリアルデーの連休前にようやく夏到来というか突然30℃を超す真夏日。もう少しで35℃以上の猛暑日で新記録になるところでしたね。まるで生身の人体を使って耐熱試験かヒート・サイクル・テスト(冷熱衝撃試験)をしているような感じでした。夏も涼しい筈のミシガンに居て熱中症にでもなったら笑えない冗談になるので、水分補給は欠かせません。定番のスポーツの話題ではアイスホッケーのデトロイト・レッドウィングスがプレイオフ第2ラウンドでシカゴ・ブラックホークスを後一歩まで追い詰めながら最終第7戦延長で涙を呑みました。ストライキの影響で短縮された今年のレギュラーシーズンではプレイ内容も戦績も悪く、残り数試合になってもプレイオフ進出できないのではないかとハラハラさせられました。第1ラウンドもアナハイム・ダックスを相手に2勝3敗とリードされた後2試合連勝して勝ち上がりましたが、レギュラーシーズン戦績首位で#1シードのシカゴの壁は厚く跳ね返されてしまいました。総じて守備の弱さ、パックへの寄付きとコントロールの甘さ、パスとシュートの精度不足が目立ち、実力で勝るシカゴの軍門に下りました。夏から秋にかけての楽しみはMLBのタイガースに期待しましょう。

 さて、今月号のテーマは『美しい日本語は何処へ?』です。

 もう何年も前から日本語の乱れがしばしば指摘され、出版物やテレビ番組でも時々話題になりますが、私達が愛する美しい日本語は一体何処へ行ってしまう(行ってしまった)のでしょうか?

書き言葉にしても話し言葉にしても特にここ数年目にしたり耳にしたりする日本語の乱れは目を疑い、耳を覆いたくなるような惨状です。

 職場でも家庭でも、公共の場所でも私的な場所でも無礼で粗野な話し方、言い回しが氾濫しています。上下関係や老若の年齢差、公私の別などを無視したような発言や記述が度々見受けられます。

 一つの例が『タメ口』と呼ばれる愛想のないぞんざいな話し方です。本来ならば自分と同等、同格の相手にしか使わない口の利き方であり目上の人、年上の人に対しては大変失礼な事になりますが、半世紀ほど前に不良少年達が使い始めたものがその後不良に憧れる一面のある一般の若者達の間にも徐々に広がり、現在に至ったようです。今では若者だけでなく、いい歳をしたオジサン、オバサン達も使っています。

 一部の歌手、芸能人やタレントがタメ口を使うのを「カッコいい!」と思って真似する人が多いようですが、タメ口を売りにしているタレントもいたりして、その点で公共性のあるテレビ、ラジオ、新聞、出版物など報道・放送・通信メディアの影響は罪深いですね。

それに更に追い討ちをかけているのが、インターネットを介したメール、ブログ、ツイッター、ミキシー、フェースブック、スカイプチャットなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)とユーチューブ、ニコニコ動画、ユーストリームなどの動画放送・配信サービスです。

使い方と目的を間違わなければ、人助け、悩み相談、善意の募金活動など多くの人にとって良い事、役に立つ事、素晴らしい事を瞬時にかつ同時に不特定多数の視聴者に伝えられる強力なツールでありますが、残念ながら良い事よりも悪い事の方が数多く、しかも一早く伝わる傾向があり、日本語の乱れに拍車を掛けています。「朱に交われば赤くなる」、「悪貨は良貨を駆逐する」の類ですね。

もう一つの例が、新聞やネット記事の表現で当事者の発言・記述や関連ニュースを記載した内容を他所から引用する際に文末に(原文ママ)と付記するのを頻繁に見掛けます。「元々の原文を何も変えずにそのまま掲載しています」という意味だと思われますが、初めて目にした時は一瞬???となりました。前後関係からすぐに理解できましたが、これが日本のマスメディア報道の標準的表現手法なのかと驚きました。もっと体裁の良い、気の利いた表現は出来ないのでしょうか?『原文ママ』は分かったけど『原文パパ』は何処にいるの?と皮肉の一つも言いたくなります。

 日本から遠く離れて米国にいる私達は、その分外から客観的にかつ冷静に日本と日本人を観る事が出来ます。日本語についても先達が数千年も掛けて作り上げ、育んで来た美しい日本語を日本国内に居る日本人以上に慈しみ大切にして使わなければならないと思うのは私だけでない事を願います。

皆さん、美しい日本語を大切にしましょう!!

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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