<!--:en-->MICHIGAN 2013 JAPANESE LANGUAGE SPEECH CONTEST<!--:--><!--:ja-->ミシガン 2013 日本語スピーチコンテスト<!--:-->

 ミシガン州内の高校と大学の日本語学習者を対象にした日本語スピーチコンテストが在デトロイト総領事館の主催で2月9日(土)に行なわれた。事前選考を経て、高校部門16名と大学部門8名が本大会に出場した。

 恒例となったこのコンテストでは、語彙の豊富さや言葉遣いの正しさなどの日本語の能力に加えて、興味を惹く題材選びや話題の展開が上手く、感心させられる。今年は語りかけが生き生きした発表が多く、また例年、大学生の内容は自身の専門や書物などから学んだ知識を生かしたアカデミックなものが見られる傾向が強かったが、今年は経験談や大衆的な話題を選んだ人が多く、観客から「楽しかった」との感想が多く聞かれた。

 応募資格は日本に長期滞在していないことが条件。つまり短期滞在を経験しただけか、若しくは全く日本に行った経験のない若者たちであるにも拘らず、日本語話者に近い、アクセントのない話し方をする参加者が年々増えている。また、文章としてはシンプルでも会場の笑いや共感を誘ったスピーチもあり、「伝えよう。聴いてもらいたい」という意欲が感じられた。大学生はいずれも、かなり難解な言葉や言い回しを駆使できるレベル。スピーチ後の審査員からの質問にも大方淀みがなく、楽しんで受け答えをする姿が見られた。最後の発表者となった男子大学生ブラックウェルさんは「美空ひばりと私」のタイトルで、美空ひばりさんの魅力を語りつつ、自身は演歌歌手になる夢を持っていることを述べたが、発表と質問応答の後、「歌って!」とのリクエストに応えて堂々と一曲披露。大いに盛り上げ、コンテスト会場の緊張感を一掃した。

身につけた言葉を使って聞き手に伝えようとする気持ち、そして対話を楽しむことが、コミュニケーションを豊かにする大切な要素であることを再認識させられる大会であった。審査結果にもこれらがプラスの影響となったことが伺えた。

 高校生部門第1位に輝いたブレンナンさんのスピーチは語彙も文法も難しいものではないが、彼女の言葉で分かりやすく気持ちを表現していた。題材にした大阪弁については、友人宅に交換留学生として渡米してきた大阪の子と友達になり交流を続けて大阪弁が大好きになったということ。大阪弁の勢いも借りて、表情も豊かに生き生きとしたスピーチを披露した。ブレンナンさんの通う学校には日本語クラスは無く、好きなアニメから身に付けた日本語に、日本語塾で磨きをかけてきた。指導者である大原氏は「個性や興味を生かすようにしている」「本人が話せる言葉で伝えるのが大切だと考えている」と話す。意欲的に学び続け、彼女の夢である「大阪で英語の先生になること」をぜひ実現して欲しい。

 大学生の第1位となったチェンさんは中国の北京大学を19歳で卒業し、現在ミシガン大学の大学院4年目で宇宙科学が専門。日本語はミシガン大学に入ってからスタートし、3年間日本語クラスを履修した後、独学で学び続けている。就職活動中だが、日本語力を駆使する職業は考えていない。「今後も日本語を勉強し続けたい」という彼にとって外国語習得のメリットは何なのか。「言葉が分かると、ニュースが伝える一部の内容だけではなく、日本語インターネットを読んで大勢の人の考えを知ることができる」と語る。日本語を学んで日本の印象が変わったとも話してくれた。いずれは中国に戻る予定だということだが、トップレベルの技術開発や研究に携わってゆくであろう若者が日本語と日本人の理解に努めてくれることは心強い。

 二人とも日本に行った経験はないがスピーチの緩急や強弱の付け方が上手く、表現力が高いことに多くの聴衆の称賛が寄せられた。

 受賞者の発表の折、在デトロイト日本国総領事館より竹内首席領事が挨拶に立ち、日本語や日本について熱心に学んでくれていることは喜びであり、コンテストの審査は大変難しかったと伝えた。今回は出場者に笑顔が多く、また、聞いていて楽しくなるものが多く、日本の文化についてよく理解した上での内容や、より良い世界について考察した内容がいくつもあり、感銘を受けたと加えた。

 多くのスピーチ内容が、日本に行った時に感じたことや、日本の生活・文化について、あるいはを日本語学習を通して得た考えや思いを題材にしている。日本の習慣や価値観も学んでいる当地の若者たちの視点や考えを垣間見ることができる。全参加者のスピーチ内容の要約と大学部門の入賞者の原稿を紹介したい。

日本語スピーチ原稿要約

プログラム順に氏名、学校名、題名、
*「 」内は原文引用。一部、原文の平仮名を漢字に置き換えてあります。

Highscool(ハイスクール)部門

*H.S. : High School 略

ANNA LATOS Detroit Country Day School
私に大切な人
「私に大切な人は父です。」父は高校生の時によく勉強し、MITに行けた。父の勉強好きは私を感化した。父にピアノを教えてあげている。「父によく感謝をしています。」

MATT WINKLER Clarkston H.S.
からて習う 
4歳から空手を始め、12年間練習。母は、私が父に似て背が低くなるといじめられると思い、空手クラスに入れた。初めは簡単なパンチとキックだけだと思っていた。「真意がありませんでした。」「空手はしんぼうを教えて、やめるのはだめです。」空手から多くを習った。

CHRISTIAN JUNCAJ Stevenson H.S.
せかいのごみ
みんなごみを作る。「私は考えがあります。ごみをつくらないでください」「何ができますか?」
人間と世界と一緒になってきれいにしようとのメッセージ。

KATY ROSS Pioneer H.S.
私の中の日本人 3位
私は四世日系アメリカ人。家で日本語はあまり話さないが、小さい時から日本の文化を知りたいと思っていた。本をたくさん読み、中学3年では祖父をインタビューしてレポートを書いた。祖父は第二次世界大戦のキャンプに入れられ、戦後復興のために日本に行き、広島の様子を見て牧師になった。中学3年の時、日本に旅行。「私の人生で一番よかった」半分日本人だが、日本と繋がっている。

NANI WOLF PioneerH.S.
日本の首都
去年日本語のクラスの人と行った東京と京都、奈良について。東京は忙しくて人工的で人がたくさん。木より自動販売機の方が多かった。鉄道がとても発達していて駅が紛らわしい。京都は山と草がもっとあり、忙しい町だが寺や神社があった。奈良は古くて木がたくさんあり自然が多くて一番きれい。「私は京都が一番好きでした」「日本に行ったことに感謝しています。」

MAGGIE LUNDQUIST Clarkston H.S.
日本のしゅうがくりょこう
日本語のクラスの人と日本に行き、京都、奈良、大阪、広島に行った。千葉県でホームステイをして、高校に通った。教室はとても清潔、学生は静かでノートをたくさん書く。「アメリカの生徒はうるさくてきたないです。」日本の学校はもっときびしい。

BEN FREEDMAN Pioneer H.S.
広島の平和
昨年初めて日本へ行った。広島は一番特別な場所。「特にアメリカ人としてそう思います。」授業で習っていたが、記念館で実際どうだったかを見てびっくり。立ち直って今平和で美しいことに感動した。「広島に行って戦争のひどさ、人の苦しみが分かるようになった」

TIM ARVAN Huron H.S.
まぐろがあたえたえいきょう
5才の頃からおさしみが好き。友だちがくれたいろいろな魚のボスターを面白いと思い、食べてみたくなった。マグロが一番。マグロの絵を描き、部屋にも飾るようになった。4年生で日本語の授業が始まり、とても興味が持てた。「私の日本語学習はマグロに始まったといってもいいほど」 日本に行った時の回転寿司は一生の思い出になる経験。

STUART BRABBS Huron H.S.
アジア人?僕が?どうして?
高校9年生だが10年生の数学を取っている。クラスには7年が1人と8年生が5人いる。6人中5人はアジア人。7年生の時、オーケストラのテストで初めて百点を取ったら、友人が僕に「今日からステュワートはアジア人だ」と言った。「アジア人?どうして?」その時初めてアジア人の一番の気持ちが分かった。「95点はだめです。99点も全然良くないです。百点でなくてはいけないんです。」

KRITHIKA SWAMINATHAN Novi H.S.
音楽の贈り物
2年前、デトロイト交響楽団の青年アンサンブルのメンバーに選ばれ、最近、有名な音楽家・後藤みどり先生に会うことが出来た。指揮をしてくれ教え方に感動。「先生のおかげで、今まで以上にもっと深いレベルで音楽を鑑賞することが出来るようになりました。」

YASHA SCHULTZ Community H.S.
茶道の体験  特別賞
日本語の授業で茶道の歴史や考え方・作法を習った。茶道の教え「和敬清寂」と「一期一会」について説明。建築家になりたくて、茶室のデザインを考えている。茶室は美しい。「建築家が一期一会のことを考え、客がその茶室を一生に一回しか見られないかも知れないので美しくしたいと思ったのでしょう。」「私も人に心の平和を与えるようなものをデザインしてみたいです。」

CALEB NUSBAUM Green hills H.S.
日本人と自然 2位
日本人は自然をとても大切にしている。建築、庭園、神社・寺にも自然の役割は大事。自然を敬うのは、日本人の宗教観からきている。神道の考え方では自然に色々な神様がいて、自然から必要な分だけ取り、それを全部使う。仏教も命を全部尊敬し大切にする、自然に優しい教え。文化でも自然は大事。「最も自然をうまく使った芸術は日本庭園だと思います。」きれいなだけでなく、禅の瞑想も奨励し、自然と一体になれる。「銀閣寺で平和な気持ちになって自然の気を体に感じました。」

ALEC GREENE Saline H.S.
侍的な日本人の美
 小さい時から日本の文化に興味があった。侍の文化が大好き。「侍の名誉とか忠義という考え方はおもしろい」弁慶が主人に仕える姿に感動。また、恥という日本的な考えがあり、四十七士は家族の名誉を守り主人の仇を討った。「僕は、自分を犠牲にし、何か大切なものを守る、この日本時の侍的な考えは美しく、好きです。」「その生き方から学び、行動できるようになりたい」

ALAHNA BRENNAN Saline H.S.
めっちゃめっちゃすきやねん 1位 *全文を次頁に掲載。
日本が好き。まだ行ったことがないがインターネットでみている。AKB48もきゃりーぱみゅぱみゅもネットで聴き、アニメも好き。一番は日本語のダジャレ。おおさかべんがすき。「めっちゃ日本がすきやねん。おおさかにいきたいんやねん。」

OLGA SOKOLOVA Pioneer H.S.
私の中の日本人
日本の文化がいつも大好き。「禅の庭はとてもきれいだし、日本の伝統としきたりはとてもすごいと思います。」宗教や生活も素晴らしい。去年、日本旅行の時に行った神社で、どれほど日本の宗教にひかれているか感じた。アメリカに帰って神道のことを知りたくて居合道クラスに。居合道は刀の戦いに見えるが、本当の狙いは、集中し瞑想し、心の平和を得ること。居合道を経験して、外人として日本を外から見るのではなく、初めて日本人の中に入れそうな気がしている。

MIRANDA CHAMBERS Community H.S.
私のうまさがし
2011年末に馬の買い物を始めた。簡単ではなかった。8歳の時に乗馬を始め、先生の馬に乗っていた。先生は何頭か持っているがどれも似ている。探し始めると「十人十色」という諺があるが、それぞれちがう。この経験から人の違いを認め、受け入れるようになった。諦めないで探し続けて自分に合った馬に会えた。諦めない大切さを知った。

University(大学)部門

DILLON JAGHORY Michigan State University
存在しない色
16才の時に出た陸上競技大会の前夜、負けて全国大会に行く夢を叶えられなければ人生は台無しになると思いこみ、プレッシャーで寝られなかった。レース中に倒れて負け、その後の2年、悲しみ以外感じない気分変調性障害になった。大会翌日に友人が言った励ましの言葉を、3年後に症状が良くなってやっと思い出せ、走る情熱が掻き立てられ今また走ることが出来る。「今度は僕が立ち上がれない人を助けたい」新たに得た世界観のお蔭で、喜びも感じられるようになり、時々心が存在しない色を通して世界を見ている気がするほど興奮する。

VAGEESHA LIYANA GUNAWARDANA Kalamazoo College
ながれこむ
2004年、11歳の時にスリランカのゴールという町に住む親戚の家に泊まっていた折、近くの町に海水が流れ込んだ。津波という言葉も聞いたことがなく、状況は分かり辛かった。停電の中、ラジオでゴールの海もおかしいと聞いたが、家は海から遠く高いところにあったので避難はせず朝を待った。朝、電気が戻りテレビで被害の大きさを知った。「壊滅的な状況は想像を絶するものでした。」ゴールの町に行き様子を見た。「幼かった私でさえ、その町の深い悲しみと苦しみはよく感じました」今、被害はほとんど直ったが人の心の傷は消えていない。

ANDREW KAUFFMAN Wayne State University
偶然性について
ある女の子がメッセージ付きの風船を空に放ったところ、同姓同名、同年齢、目と髪も同じ色の女の子に届いた。この話と、硬貨をはじいて裏が連続7度出る確率の話を合わせ、数多い出来事のうち不思議なことは起きるものであることを指摘。不思議な話とは、思考力によって他の詳細を省いて面白くしている。また、思考力を使って不思議な話を楽しむこともできる。「出来事を楽しみそれを生かすようにすれば、人生を楽しめる確率は百パーセントになる」

PAVAN POLICHERLA Kalamazoo College
人の気持ちは複雑
他の国どこでも行ける世界になり人々の世界は広がったが、昔のことを忘れるのは難しいようだ。アジアで中国と韓国と日本の中に憎みあう人がいる。去年、中国に留学する前に中国からの留学生に日中間の近代史における残念な過去について聞き、中国人皆、日本人が好きでないと思ったが、留学してみて、もっと複雑だと分かった。「私があった若い学生の気持ちはアメリカの学生の気持ちとよく似ていました。」アニメなど日本のポップカルチャーが好きで、日本の格闘技も人気がある。首相の靖国神社参拝などを中国メティアが悪く言っていても、日本をよく思う中国人がいる。その人たちは時が心の痛みを癒してくれると信じている。自分自身、インド人なのにテロリスト扱いされて罵られ、驚き、その時の悲しみは心にある。「複雑ですが、時が心の痛みを癒してくれると信じて頑張っていこうと思います。」
  
MISTI NESBITT Michigan State University
夢を実現するために    特別賞
大切な夢がある人にとって、多分一番大変なことは、困った時でも頑張り続けること。何をすればいいか。私の夢は日本で英語を教えること。日本語を勉強する学生として普通だが、自分は27歳で、アルバイトで生活をするシングル・マザー。多くの困難があるが、夢のために、娘のために、一歩一歩頑張っている。諦めたいと思ったときには泣いていい。次の日もう一回頑張ってください。道に迷っても心配しないで。「良い日がもうすぐきますから!」「明日はあなたの味方です。自分のことを信じていれば、大丈夫!きっと出来ます!」

YI HANG CHIEW University of Michigan
日本の声優が教えてくれたこと 3位
日本のアニメが大好き。一番印象に残っているのがドラゴンボール。仲間と一緒に地球を守る主人公の情熱と根性に感動。日本語で観ていたが、英語版を見てがっかり。キャラクターが変わっていた。元々のキャラクターをうまく表現している日本人の声優の力に感心した。違いは声優が本当にキャラクターの個性や心を理解しているかどうかではないか。現実世界にもあてはまり、理解したい相手の立場に立って考えてこそ、本当に理解できる。日本の声優は外国映画の吹替えも上手い。それは日本が相手の気持ちを察することを重んじるハイコンテキスト文化であることも関係しているのではないか。私も声優のように他の人を理解したい。相手の立場に立って考え声を出せば、それは届くはず。そうすればもっと分かり合える。

ANBO CHEN University of Michigan
囲碁 - 手でする会話   1位  *全文を次頁に掲載。
中国から留学して、大学で始めた囲碁について、その魅力。全米大学囲碁選手権で、チーム一丸となって闘い一位になった。子供の時に読んだ日本の漫画に、主人公がクラブの友達と一緒にがんばって全国大会の優勝を目指すという物語があり、勉強しか活動が無い中国の高校で灰色の楽生活を送っていた私は、日本の高校生がうらやましいと思っていた。だからアメリカで全国大会に出て優勝できたことはまるで夢のよう。囲碁は精神世界の交流。言葉ではあまり交流できない人が、心の距離を近くすることができる。日中関係が良くないが、囲碁が関係を回復させる力を秘めている。

ZACHARY BLACKWELL Eastern Michigan University
美空ひばりと私   2位
演歌歌手になるのが夢。日本の音楽との出会いは高校。JPOPがきっかけで、段々ジャンルを広げた。ネット上で面白そうな動画を検索していて美空ひばりさんの曲「人生一路」のサイトに出合った。歌詞に感動し、頭にすーっと曲が入って一度でほとんど覚えた。関心が募り、見つけられるもの全て手に入れ、いつも聞くように。同時に日本語と日本文化への情熱も強くなり日本語を専攻に勉強しようと決めた。
昨年初めて日本に留学。カラオケで「みそら」と入力したら数えられないほど曲が出てきて興奮。美空ひばり博物館で、日本語の情報が全てわかり、勉強してきた事と人生の大切なことが100%重なり、涙があふれた。「歌手になって人の心の痛みを理解し歌で悲しみ苦しみを癒したいと思った」夢があるからこそ今生きている喜びを感じている。

「めっちゃめっちゃすきやねん」

アリー・ブレンナン

 こんにちは、アリー・ブレンナンです。こうこう四年生です。よろしくおねがいします。
 わたしは日本がすきです。日本人も日本ごも日本のたべものも日本のうたもすきです。わたしはまだ日本にいったことがありませんが、日本のことをよくインターネットでみています。
 AKB48もきゃりーぱみゅぱみゅもすきです。とくに、きゃりーぱみゅぱみゅはドレスもかみもうたもへんだけど、わたしもへんだから、すきです。
 それから、アニメもすきです。フルーツバスケットのほんだとおるがすきです。とおるはおとうさんもおかあさんもいません。私もおとうさんもおかあさんもいません。だから、きもちが分かります。だから、だいすきです。
 でも、でも、いちばんは日本ごです。 ダジャレです。
 ダジャレをしっていますか。たとえば、「ねえ、ちゃんと、おふろにはいってる?」と「ねえちゃんと、おふろにはいってる?」 いみがぜんぜんちがいますね。
 わたしはことしの七月にともだちと三人でおおさかにいきます。そうです。とうきょうじゃなくて、おおさかです。おおさかべんがすきです。「なんでやねん?」はとてもきれいです。おおさかでは、たこやきをたべて、きゃりーぱみゅぱみゅをきいて、アニメをみて、だじゃれをべんきょうして、それに、こどもがすきだから、しょうらいはおおさかでえいごのせんせいになりたいです。
めっちゃ日本がすきやねん。おおさかにいきたいんやねん。

囲碁 – 手でする会話

アンボ•チェン

 初めまして、ミシガン大学で宇宙科学を研究している陳安博と申します。今日は皆様に私の趣味の「囲碁」について少しお話ししたいと思います。
 みなさん、囲碁をなさったことがありますか。したことがない方も、囲碁、チェス、将棋(しょうぎ)などはご存知でしょう。囲碁は、世界三大ボードゲームの一つで、二人が碁盤の上に順番に白と黒の石を置いていき、石が囲んだ部分の広さを争うものです。起源はよくわかりませんが、「論語」の中に囲碁の話題があるので、少なくとも紀元前8世紀には、すでに存在したようです。囲碁は世界でもっとも古いボードゲームと言えるでしょう。
 現代の囲碁の形は四百年ぐらい前に日本で確立されました。そして、戦後、日本人棋士の努力によって、世界中に広がりました。囲碁は英語でも「Go」と呼ばれ、「アタリ、ハネ、定石」といった言葉も、日本語の言い方がそのまま使われます。日本語が全然話せないアメリカ人が「アタリ」「ハネ」と言って囲碁を楽しんでいるのは、何度見ても面白いものです。私はまだ日本に行ったことがありませんが、私が日本語を勉強し始めた理由も、インターネットで流れる日本人プロ棋士のコメントを理解したいと思ったからです。
 私が碁を始めたのは、ミシガン大学に来てからでした。そして、すぐに碁に魅せられ、夢中になりました。それから五年、数々の対局を経て、今は六段になりました。そして、去年の春にはミシガン大学チームの副将として、全米大学囲碁選手権でチームのみんなと一緒に闘い、なんと優勝してしまいました。
 その経験から、私はあることを学びました。子供の時から大学まで、ずっと1人で、試験の合格だけを目指す闘いをしてきた私は、初めて「自分1人の力には限界がある。時には他の人に頼ってもいいんだ」ということに気付いたのです。碁を学んで本当によかったと心の底から思った瞬間でした。
 私にとって碁の対局は、ただの試合ではありません。相手の動きを予想し、何手も先を考え、石を打つのは、「精神世界の交流だ」と思います。例えば、対局中に相手が予想外の手を打った時、「あー、彼はそう思うか」と気付いたら、言葉で返すのではなく、石で「私はそう思わないよ」と返事をします。そうすると、相手の顔に苦笑いが浮かびます。だからこそ、碁をすることは、「手談」とも呼ばれます。「手で談話をする」という意味なのです。
 うちのクラブはいつも大学近くの喫茶店で活動をしています。そこで、世界各国の人達が、毎週のように碁盤の上で、手で話し合いをしています。みんな母語が異なり英語が流暢でない人もいるのですが、碁盤の上では会話が可能です。
 言葉であまり自由に交流できない人達を集めて、精神的な会話を成立させ、心の距離を近くする。それが碁の「真の魅力」であると、私は考えます。
 ところで、最近、日中関係は、必ずしもいいとは言えませんが、私は碁が両国の関係を「回復させる力」を秘めていると思っています。反日デモの時も、中国の棋士達は「相手を責めるより、お互いに理解するための話し合いをすべきだ」と訴えました。彼らは長い間日本人棋士と交流があるため、理性的に対応できたのです。
 実際の領土を争うのではなく、心で会話をしながら、碁盤の上で石のやりとりを楽しむ。碁を通して日本と中国の棋士達が親善を深めたように、囲碁を世界中に広めることで、きっと世界平和に貢献(こうけん)できるのではないかと願っています。
 ご清聴ありがとうございました。