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米国の景気回復に乗じたいヨーロッパ、米国の中国投資熱~

 今年で25回目を迎えた北米国際オートショー(NAIAS)が、例年の通り、全世界に先立ち、ここデトロイト(コボホール)で開催された。米国自動車の発祥地であるデトロイトでは1907年から地域限定のデトロイト・オートショーを開催していた歴史を持つ。その後、デトロイト自動車産業の中心的メンバーがヨーロッパ、アジア諸国に呼びかけ、1989年から国際的規模のオートショーに発展。以降、年々盛大になり、その経済効果は、スーパーボウル、ワールドシリーズ、スタンレーカップを上回るという。今回、展示された新車750車以上の内、50車は初のお披露目だった。

 さて、一般公開前日に開催されているチャリティーオートショー(デトロイト周辺の子供関係施設への寄付)に参加した。

  会場はタキシード、ドレス姿の参加者で埋め尽くされ、BMW等の高級車が入口付近に展示されていたことから、米国の景気回復の兆しが見えた。人の流れが一番多い出入口付近に、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン等のドイツ車を中心に、ヨーロッパ製の高級車/スポーツカーが展示されるという光景は衝撃的で、ヨーロッパ勢が米国の景気回復に乗じて売りを強める意気込みを感じた。ミシガンではあまり、お目にかかることがないポルシェ、マセラッティ、フェラーリ、ベントレーにも人だかりが出来ていた。人々が再び夢の“スーパーカー”に食指を伸ばす様子からも(実際に購買するかは別にして)、財布の紐が緩み始めていることが伺える。真冬の道路事情が悪いミシガン州で、ポルシェの様なデザイン性の高いスポーツカーを持つという意味は色々な面で大きい。にもかかわらず、アメリカでは景気回復の予感があると、大きい車、高級車やスポーツカーに回帰するらしい。しかし、車イコール“日常の足”というミシガンの事情を考えると、悪天候に強く、人や荷物がたくさん運べ、高値のガソリン量を抑えられる事のほうが一般的にはポイントが高いのではないだろうか。ロサンゼルスから参加した友人夫婦によれば、「街中でポルシェやフェラーリはよく見かける」そうだが。。。

 また、日本ではかなり浸透しているエコカーの概念、需要性は、アメリカではそれほど広く人々の意識に浸透していないのではないかと、会場の雰囲気からも察せられた。

 会場で配っていたオートショーのパンフレットをパラパラとめくると、中国語のページ(15ページ分)が目に飛び込んできた。これは、経済雑誌クレインズ・デトロイト・ビジネスが既に同誌で発表した記事“World Beyond Border”(ミシガン州とデトロイトの経済、自動車産業、世界市場に関するレポート)の完全中国語訳の差し込みで、台頭する中国の自動車産業関係者向けに刷られている。中国語訳記事掲載にあたっての編集者による巻頭挨拶(英文)からも、米国、特にミシガン州と中国との関係を重視する様子が顕著だった。オートショーの会場に中国色はなかったものの、ここに忍び寄る中国パワー、米国の中国投資熱を感じた次第だ。

 一般公開日初日の朝、ラジオからはオートショーの交通情報と共に、会場の熱気が報じられていた。ラジオの女性アナウンサーが、早朝から会場に訪れていたフォード社創設者の末裔、ヘンリー・フォード4世にマイクを向け「フォード創設者の親族に会えることも、ここデトロイトならでは! ヘンリーとお呼びしてもよろしいでしょうか?」と黄色い声を挙げていた。ここにも、自動車産業発祥の地、デトロイトの威厳を保とうとする姿があった。