
ルビーを思わせる深紅色のクランベリー。その鮮やかな赤は、サンクスギビングという初冬のホリデーにふさわしい色。七面鳥に添えるクランベリーソースの基本レシピは、クランベリー(12oz入り)1バッグを砂糖1カップと水1カップで短時間煮るだけ。ずいぶんたくさん砂糖を入れるものだが、そうしないと食べられないほどクランベリーは酸っぱい。でも、ビタミンCや、ガン予防に効果があるantioxidant(抗酸化物質)に富む、素晴らしい果物。「スーパーフルーツ」の異名を持っている。北米原産。北米インデイアンが昔から食用、薬用、染料に使っていたが、商業用栽培が始まったのは清教徒が米大陸に渡ってから。
クランベリーが店頭に並ぶのは10月頃から。クランベリーといえば、マサチューセッツのイメージが強いが、実は、ニュージャージーやウイスコンシン、オレゴン、ワシントン、カナダ、そして何と、ミシガン州でも栽培されているのである。
ミシガンでクランベリーを栽培している農場はごく少数だが、その中で最も大規模な栽培をしているのが、サウスヘイブンにあるDeGrandchamp Farmsという名の農場。クランベリーの収穫期は9〜10月。毎年10月の一週末に、クランベリーの収穫ショーを行っている。
今年は10月13日にショーがあった。私は今年は行かなかったのだが、4月の寒波や夏の超猛暑で、苗がダメにならないよう農場は管理に大変だったそうである。
農場の入口で料金5ドルを払い(子供は3ドル)、ワゴンに他の客と一緒に乗せてもらう。5分もすると大きな湿田(bogと呼ぶ)に到着。水面に赤いクランベリーの実が浮いているのが見える。太いテープでかこって湿田の一角にびっしりと集め寄せてある。吸引パイプのついたトラックが傍に止めてある。若いお兄さん達が、膝上まである長いブーツを履いて湿田に入り、松葉ほうきで実を吸引パイプへとかき寄せる。貴方もTVでこういう風景を見たことがあるかもしれない。実は吸引パイプでトラックに吸い上げられ、ある程度たまったらパッキング場へ運び、また戻ってくる。それを何度も繰り返す。
人の膝たけまで水が張ってあるが、水を張るのは収穫シーズンの直前で、春〜夏は乾田。つまりクランベリーは春〜夏に乾田で成長する。乾田で収穫する方法もあるが、殆どの収穫は湿田で行われる。 水を張るのは収穫がしやすいため。まず特殊な機械で湿田に入り、その機械で水中のツルをかき回し(クランベリーはツル性の植物)、ツルに成っているクランベリーの実を振り落とす。すると振り落とされた実が水面まで浮上してくる。それを松葉ほうきと吸引トラックで収穫する。
この農場の収穫ショーはかなり人気があるようで、一週末で1,000人以上の人が訪れるとのこと。こういう農業観光をアグリツーリズム(agri-tourism)というのだそうで、最近、食物への関心が高まってきているため、アグリツーリズムへの人気は上々のようだ。
サウスヘイブンのような西ミシガンが何故クランベリー栽培に適しているのか?クランベリー栽培に必要な条件は、酸性の砂の土壌、冬が長い冷涼な気候、淡水が豊富にあること、であるが、西ミシガンはそれらを全て満たすのだそうだ。
クランベリーは多年草。湿田に水を張ったままで越冬する。なぜ水を張ったままかというと、冬から春先まで水が凍り、その氷が霜害から守ってくれるため。
DeGrandchamp Farmsは、世界最大手のクランベリー食品メーカーOcean Spray社のサプライヤーでもある。健康志向時代の今、クランベリーの需要が高まっており、サプライヤーが足りないくらいなんだそうである。
栽培量はウイスコンシン州とマサチューセッツ州がダントツ。ミシガンでの栽培量はそれより遥かに少ない。ミシガンは、クランベリーと同じ酸性の砂の土壌で育つもうひとつのスーパーフルーツ、ブルーベリーの栽培の方がずっと多い。
ビタミンCとantioxidantに富むクランベリーをもっと食べよう!最近は、甘さ控え目のクランベリーソースのレシピも出回っている。
一昨年に同農場の収穫ショーを見に行った時の写真を拙ブログに載せているので、ご興味のある方は次までどうぞ。
www.ayamay.com(ミシガン再発見の旅)
著者、写真提供:つくしギャル
ルビーを思わせる深紅色のクランベリー。その鮮やかな赤は、サンクスギビングという初冬のホリデーにふさわしい色。七面鳥に添えるクランベリーソースの基本レシピは、クランベリー(12oz入り)1バッグを砂糖1カップと水1カップで短時間煮るだけ。ずいぶんたくさん砂糖を入れるものだが、そうしないと食べられないほどクランベリーは酸っぱい。でも、ビタミンCや、ガン予防に効果があるantioxidant(抗酸化物質)に富む、素晴らしい果物。「スーパーフルーツ」の異名を持っている。北米原産。北米インデイアンが昔から食用、薬用、染料に使っていたが、商業用栽培が始まったのは清教徒が米大陸に渡ってから。
クランベリーが店頭に並ぶのは10月頃から。クランベリーといえば、マサチューセッツのイメージが強いが、実は、ニュージャージーやウイスコンシン、オレゴン、ワシントン、カナダ、そして何と、ミシガン州でも栽培されているのである。
ミシガンでクランベリーを栽培している農場はごく少数だが、その中で最も大規模な栽培をしているのが、サウスヘイブンにあるDeGrandchamp Farmsという名の農場。クランベリーの収穫期は9〜10月。毎年10月の一週末に、クランベリーの収穫ショーを行っている。
今年は10月13日にショーがあった。私は今年は行かなかったのだが、4月の寒波や夏の超猛暑で、苗がダメにならないよう農場は管理に大変だったそうである。
農場の入口で料金5ドルを払い(子供は3ドル)、ワゴンに他の客と一緒に乗せてもらう。5分もすると大きな湿田(bogと呼ぶ)に到着。水面に赤いクランベリーの実が浮いているのが見える。太いテープでかこって湿田の一角にびっしりと集め寄せてある。吸引パイプのついたトラックが傍に止めてある。若いお兄さん達が、膝上まである長いブーツを履いて湿田に入り、松葉ほうきで実を吸引パイプへとかき寄せる。貴方もTVでこういう風景を見たことがあるかもしれない。実は吸引パイプでトラックに吸い上げられ、ある程度たまったらパッキング場へ運び、また戻ってくる。それを何度も繰り返す。
人の膝たけまで水が張ってあるが、水を張るのは収穫シーズンの直前で、春〜夏は乾田。つまりクランベリーは春〜夏に乾田で成長する。乾田で収穫する方法もあるが、殆どの収穫は湿田で行われる。 水を張るのは収穫がしやすいため。まず特殊な機械で湿田に入り、その機械で水中のツルをかき回し(クランベリーはツル性の植物)、ツルに成っているクランベリーの実を振り落とす。すると振り落とされた実が水面まで浮上してくる。それを松葉ほうきと吸引トラックで収穫する。
この農場の収穫ショーはかなり人気があるようで、一週末で1,000人以上の人が訪れるとのこと。こういう農業観光をアグリツーリズム(agri-tourism)というのだそうで、最近、食物への関心が高まってきているため、アグリツーリズムへの人気は上々のようだ。
サウスヘイブンのような西ミシガンが何故クランベリー栽培に適しているのか?クランベリー栽培に必要な条件は、酸性の砂の土壌、冬が長い冷涼な気候、淡水が豊富にあること、であるが、西ミシガンはそれらを全て満たすのだそうだ。
クランベリーは多年草。湿田に水を張ったままで越冬する。なぜ水を張ったままかというと、冬から春先まで水が凍り、その氷が霜害から守ってくれるため。
DeGrandchamp Farmsは、世界最大手のクランベリー食品メーカーOcean Spray社のサプライヤーでもある。健康志向時代の今、クランベリーの需要が高まっており、サプライヤーが足りないくらいなんだそうである。
栽培量はウイスコンシン州とマサチューセッツ州がダントツ。ミシガンでの栽培量はそれより遥かに少ない。ミシガンは、クランベリーと同じ酸性の砂の土壌で育つもうひとつのスーパーフルーツ、ブルーベリーの栽培の方がずっと多い。
ビタミンCとantioxidantに富むクランベリーをもっと食べよう!最近は、甘さ控え目のクランベリーソースのレシピも出回っている。
一昨年に同農場の収穫ショーを見に行った時の写真を拙ブログに載せているので、ご興味のある方は次までどうぞ。
www.ayamay.com(ミシガン再発見の旅)
著者、写真提供:つくしギャル