<!--:en-->Budo Master From Japan at Ann Arbor Dojo<!--:--><!--:ja-->日本から武道家を迎え、アナーバーの道場で特別セミナー<!--:--> 2

 去る8月17日から19日まで、アナーバーにあるJapanese Martial Arts Centerにおいて同センター主催による柔術と柔道を中心にした集中セミナーが開催された。Japanese Martial Arts Centerはスイノ氏(Mr. Nicklaus Suino)が6年半前にオープンした道場で、柔術、柔道、居合道のクラスが開かれている。現在の道場は1年半前に移転したもので、畳敷きの広々とした道場には掛軸や数十本の刀などが掛けられ、充実した施設である。

スイノ氏

スイノ氏は、幼少の頃の虚弱体質と近所の荒れた環境を心配した両親から、何か良い自己統制と護身術をと勧められ1968年よりアナーバーYMCAで柔道を始めた。1979年からは同市のAsian Martial Arts Studioで空手と合気道も習い始める。1988年に武士道の発祥の地を見ようと決意。身の回りの物を売り払い航空券を購入して日本へ渡った。1992年までの間、柔道、柔術、居合道、弓道を学び、1989年にはInternational Martial Arts Federation(国際武道院)東京本部より海外部門事務局長に任命される。国内外で数々のトーナメント受賞歴を持ち、定期的に日本を訪れ修練を積む。英文著書「The Art of Japanese Swordsmanship」、「Budo Mind and Body」など武道関連の書籍の販売部数は6万部以上。2009年より法人、個人向け武道コンサルタント、現在Shudokan Martial Arts Association代表及びInternational Martial Arts Federation アメリカ支部(IMAF-Americas)のミシガン地区ディレクターを務めている。

 今回開催された集中セミナーは「日本武道 基本と進展」と題され、日本から、旧友でありアメリカ大使館柔道クラブの筆頭師範であるケージ・ジョン先生と、日本を代表する武道家で日本合気道協会理事などを務める佐藤忠之先生が講師として招かれた。日本からゲストを招いての特別セミナーは今回初めての試みで、同スタジオの生徒のみならず州外からの参加者も受け入れ、約40人が3日にわたり貴重な指導を受けた。

 初日のオープニングは一般公開で行われ、スイノ氏の開会の辞に続き、在デトロイト総領事館の竹内首席領事の挨拶、五大湖太鼓センターによる和太鼓演奏、そして佐藤氏と弟子による演武披露など、厳粛な幕開けとなった。

 竹内首席領事は、アメリカにおける日本武道は120年ほどの歴史があり、柔道は1890年代に紹介されてすぐに柔道クラブが創設され、セオドア・ルーズベルト大統領が柔道茶帯(三段)を取得するほど武道に通じた人であり、同大統領の推挙によってWest Pointの士官候補生たちが柔道を学んだことを紹介した。また、武道は日本の伝統に基づいた精神的・道徳的な要素が強く、技術習得と同時に精神修養に重きを置いていることに触れて、このセミナーが肉体と精神をともに高めていく刺激になることを期待していると述べた。

 稽古は、佐藤氏が手本を示し説明を加えては全員が実技をするという細かいステップで進められ、視野、体のバランス、間合いの取り方といった基本から、難しい足さばきなどが指導された。

佐藤氏

 佐藤氏は非常勤講師として合気道及び柔術を教えている早稲田大学の休みを利用し例年海外へ飛び武道の指導にあたっている。出身校でもある早稲田大学の合気道部や、出身地にある静岡大学のスポーツ合気道部、さらに警察大学校ほか多数の道場の師範を務めている。元来は初心者が稽古する‘組む’部分のみがスポーツ化した講道館柔道が広がっていることを憂い、海外での指導では柔道・柔術・合気道の違いと共通項を教え武道の源流を知ってもらうことにフォーカスし、より深く広く修練できるよう指導しているという。

 佐藤氏に伴い訪米した弟子の日本人男性は、海外でのセミナーの様子を初めて見た時、外国の人々が日本の文化を学ぶ熱心な姿勢に大きな刺激を受けたという。互いに刺激を与え合うことで今後も個々の武道への情熱、さらには武道界の活気がより高まってゆくことであろう。

Japanese Martial Arts Center(ジャパニーズ・マーシャル・アーツ・センター)

3853 Research Park Drive, Ann Arbor, MI
電話: (734)645-6441
Eメール:info@japanesemartialartscenter.com